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〈Essay〉日常の中に在るさまざまなこと。  作者: 高峰 玲


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席が近いから不可抗力だよね?




 パンケーキが話題の流行りのカフェがあると聞き、万障繰り合わせ( 注1)行ってみた。


 私はほとんど外食しない。それでもオトナなので、一応のお作法はわかっているつもりだ。

 お店に入り、声をかけてくれる店員さんに告げる。

「ひとりです」

「こちらへどうぞ」

 仮にも飲食店である。入ってきた人間の目的は決まりきっている。

 案内されたのは対面での2人仕様の小さなテーブルが並ぶ一角で、女性ふたりの客と若い男女の客の間の席だった。

 とりあえず、注文を済ませ、お目当てが届けられるまでスマホをいじる。これは「あなたがたの会話に興味はありませんよ」という左右の客へのマナーである。

 しかし、ともすれば同席になりそうな近距離に並ぶテーブル、嫌でも両サイドの会話は耳に入る。

 女性ふたりは、家庭の悩み相談みたいな話だ。旦那さんの家族や実家の、言っちゃあなんだが、ドラマで主婦がお仲間と話す井戸端会議的雑談で。若い男女は、まあ、デートだろうな、と思ったんだけど、なんだか初デート? 他人行儀でお互いを探ってるような会話でした。聞くつもりはないのに、聞こえてしまった。普通、きょうだいがいる、と聞くと「へぇ、いくつ違うの?」と私などはすぐに訊くのだが、このふたり、それをなかなか訊かない。


 ──えっ、なんで訊かないの?


 なぜかヤキモキする私。


 そうこうするうちに、私のカフェラテが届き(ホントはカフェオレが飲みたかったがメニューになかった)、「パンケーキにモンブランクリームを絞りますが動画撮影されますか?」とお誘いが来る。

 どうやらソレもこのお店の“売り”らしいのだが、私はいま、お隣カポーの“進捗状況”に夢中なのである。

「あ、いいです〜」

 断ると、呼びに来た店員さんは、ちょっと意外そうな顔をし( 注2)

 や、確かに、誰かが何かを作ったりしてるのを見るのは楽しいし、撮っていいなら撮りもするだろう。しかし、いま、私はカポーを見守るのに忙しいのだ! いいトシをしてキャピキャピ動画を撮ろうとはしゃぐのも恥ずかしかった。


 そして、私はモンブランクリームがたっぷりかかったパンケーキを夢中でたいらげつつ、“聞き耳頭巾”を続けたのであった。



挿絵(By みてみん)




 結局、わかったコト。

 男の子は妹ちゃんと8歳離れていて、いまハタチ。なるほど、若い。女の子はホテルのフロントやラーメン屋さんでバイトしていること。

 うん、それでキミたち、この後は?

 いや、それこそ、余計なお世話でございますね(笑)









注1 定期健康診断を受けた後の休日、できれば開店直後とかの混み合う前と思ったら、“風邪ひいて寝んね”から何とか復活できた頃になった。セルフ快気祝い?


注2 たぶん、お客さんが動画をUPすることをお店は見込んでるんだろうなぁ。




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