表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〈Essay〉日常の中に在るさまざまなこと。  作者: 高峰 玲


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/45

掴めない胃袋




 世の男性の胃袋ちゃんをガッツリ掴むお料理は──


 地域、年齢などで幾らか順位変動とか入れ替えがあるらしいのだが、確かに、ハンバーグ、カレー、肉じゃが、オムライス、玉子焼き、豚のしょうが焼き、味噌汁etc.色々ある中で、今回は私が生まれて初めて肉じゃがを作った時のハナシをば……。


 物心ついた頃から、姉がしていることは自分までするこたぁナイ、という思いがあり、家事で母親を手伝うということがな( 注1)ナマケモノな私であった。なので、台所を使うのは自分が食べたいもの(ラーメンとかチャーハンなどの簡単なものやお菓子)を作( 注2)ときだけ。姉がとっとと嫁に行ってからは、仕事で帰宅が親よりも遅いこともあって(当時は通勤に時間がかかっていた)“一人息( 注3)”状態が長かった。

 しかし、親はいつまでもいてくれない。

 台所に残された食材を消費するべく、私は肉じゃがを作ることにしたのだが……。


 じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、肉、はあった。醤油、みりん、砂糖もある。だが、酒が見つからない。

(液体のだしつゆを使えば面倒な味付け調味なんかしなくていい、ということを、この時の私は知らなかった)


 ──いや、待てよ?


 と、私は気づく。親父どのが飲んでる酒があるではないか。にわかに、酒ドロボウが誕生した。

 見れば、ブツは“芋焼酎”である。芋=じゃがいも、同じ食材ならば反発することはあるまい!


 思い込みとは、恐ろしいものである。


 何とか汁が煮詰まり、肉じゃがらしい外観のモノを皿に盛り、私は夕飯の食膳に並べた。

「やればできるじゃないか」くらいの褒め言葉はあるのではないか、と思った。しかし、そんな私に親父どのは言った。


「……これは食べれん、さげてくれ」


 一口だけ味見をした時「酒くさいな〜」とは思ったが、親父は酒飲み、問題あるまいと無理やり判断した経緯があった。それがまさかのお残し宣言である。ヤツは戦中戦後を生きてきた人なので、多少不味(マズ)くても食べ物を無駄にしない(食べきる)ポリシー(能力)を持っている。

 そんな人間が「食べられない」と敗北したのである。

 どうやら私は相当のシロモノを作ったらしい。


 これを読んでくださっている方々──特に、これから愛しい誰かの胃袋ちゃんをgetしたいと目論んでいるひと──に、心から申し上げる。


 肉じゃがを芋焼酎で作るのはダメ、絶対っ!!!!!


 昭和のオヤジ一匹だにすらさえのみばかりまでもが、釣れないレベルのゲロマズな物体が生成されてしまうこと、請け合い!


 ましてや胃袋を掴もうなんて!


 さらさら、できない相談なのである。


(ともかく、口に入れようとする時点で独特の風味を感じ、そこから先に箸が進まなくなる。もったいないオバケ信奉派閥の私もさすがに完食を断念した)




挿絵(By みてみん)

 肉じゃが……薄切り肉もいいけど、ゴロゴロ鶏モモにすると、一気にメイン感が増すんだよねo(^q^)o














注1 茹でたホタルイカの目ん玉取りとか、すり鉢の押さえ、とかぐらいはしたかな?


注2 おやつに柿を食べたりしていたので、わりと小さい頃から包丁で果物の皮を剥くことはできていた。


注3 衣食住、ほぼ“ママに丸投げ”できる生活能力のない役立たずのコト。自分でしなくても洗濯された衣類があり、ごはんが用意される恵まれた環境なので、せめて使った食器は洗いましょう。




そして私は、使用する酒というのは“調理用酒”のことで、商品名がついた日本酒ではないということを、後から知ったのである……。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ