微笑みのひと
その女性はいつも、始発駅の次の駅から乗ってきて、その2つ先の駅で降りていったように記憶している。
推定年齢三十代以上、がっちりとした体格にカッチリとしたスーツ+どっしりとしたローヒール姿。
現在、その呼称を使うとセクハラ、またはジェンダー、或いはモラハラ等々、あらゆる社会的エラーに相当するため大っぴらには言えないが、当時コワいもの知らずなJKだった私たちは彼女のことをこう呼んでいた。
微笑みおばさん。
そう、彼女は常に笑んでいた。しかし、
「目が笑ってない」
と友人は云う。だがそれでも、その口角はくっきりと上がって描かれているのだ。
オトナのテクニックである。
自分でメイクするようになって、働くようになって、幾度となく、彼女のように綺麗に笑んだ口元を再現するべく、トライした。しかし、いつも「なんか違う」のである。
いまだからわかる、あれは、ものすごい技なのだ!
そして、アフターコロナとなり──COVID-19がインフルエンザと同じ5類に移行され、世間のみなさまがマスクから解放されて尚、職場ではマスク着用指示が外されていない私は、今日もまたスッピンで仕事に行くのであった。
(マスクで顔が半分は隠れるし、私はメガネ愛用者だ。ほぼ意味のないメイクに時間をかけるくらいならば、少しの時間でも麒麟と遊びたい)
Smile──今日も世界が平和でありますように!
注1 某オンラインゲーム内で私が養育している黄色い踊り子のアレの名前。とても可愛い♪←親(?)ばか(笑)




