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〈Essay〉日常の中に在るさまざまなこと。  作者: 高峰 玲


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ササミちゃん




 これは中坊時代のお話(エピソード)


 小学生の頃は男女一緒に受けていた『家庭科』が『技術・家庭( 注1)』になり、男女に分かれて授業をするようになった。1年生の後半に男女の学科が交代になり(つまり男子が『家庭科』、女子が『技術』の授業を受ける)、めたくさ寒い技術室で金属製の()()()()を作ったが(薄い金属の板を折り曲げたり叩いたりハンダ付けしたりした)、ややイビツに仕上がったブツは、今も我が家にある。


 それはさておき、体育の授業もそうだが、学生が男女別に分かれて授業をすると、たいてい女子はのんびりと数人が輪になってお話しなんぞしていたりするのだが……その時、なんでそんなハナシになったのか、気がついたら彼女は宣言していた。


「あたし、ササミちゃんがいい」


 うん、なんか食物栄養表を見ていたから、裁縫ではなかったし、切ったり洗ったり煮たりしてなかったから調理実習中でもなかった。


 普通に、退屈な座学の栄養学──真面目に栄養バランスを考えて食事を作っている(作れる)人には申し訳ないが、私はそういったことを考えることに興味がまるっきり、ない。

 口に入る食べ物が美味しければそれでいいじゃないか、としか思っていない。いや、多少カロリーとやらのことは気にしたりするけれど──総じて、美味しいモノは高カロリーと相場は決まっているのである! 考えるだけ、時間のムダなのだ。


 なので私はその授業内容に、ほとんど意識を向けておらず、資料から連想される食べ物か当時書いていた話の展開を考えるかしていたんだと思う。(真面目なカオで授業を聞いていない、隠れた得意技である)

 周囲の娘っこたちのお話しも、聞いてるカオで実は聞いていなかったようで、いったい何がどうしてそういうハナシになったのか不明なのだが、突如として彼女の宣言が出たのだった。


( 注2)ちゃんはドコがいい?」


「はいぃ?」


 急なご指名だよ、オイ……とりあえず、彼女たちが手にしている家庭科の資料は鶏肉の部位のページだった。ので、私は短絡した。


 ああ、好きな部位を訊いているのか。


「ん〜モモ、いやムネ? うーん、やっぱモモかな」


 中坊だもの、お・肉・礼・賛☆ですよ。


「そう( 注3)、モモちゃんやね」


 ちゃん? なんで鶏モモ肉にちゃん付けする?


 不思議な顔をしているであろう私を、周囲は「あー」って目で見ていました。

 そんな私たちに頓着することなく彼女は続けます。


「あたしはやっぱササミちゃん。だって可愛いもん」


「え……?」


 なんで肉に可愛さが必要なのか、ますます私はわからなくなりました。


「子供につけるなら、ササミちゃんが可愛いよね」


 ここでようやく、彼女が何の観点で話をしていたのか判明。しかし、なぜ!? どうして鶏肉の部位から子供につける名前を選ぶのか!?

 話の経緯を聞いていなかったので、謎は謎のまま現在に至っている。


 そして、それ以来、スーパーのお肉コーナーで見かけると、つい「ササミちゃん」とつぶやいてしまう私なのでした。


 

挿絵(By みてみん)

     ↑

    ササミちゃん、ここ








 ──歳月は流れ、同窓会で会った翌年、彼女から年賀状が届きました。家族の写真と名前が載ったファミリー仕様定番のが。

 なるほど、「双子を産んだよ」と言っていたように、写真にはそっくりなお顔の女の子がふたり、写っています。まさかね〜と思いつつお名前を確認すると…( 注4)







注1 かなり昔の事なので、2025年現在では科目名は違っているかも……。


注2 中学時代のあだ名はコレじゃなかったけど、以前出したので、統一しておきます(*^▽^*)


注3 富山弁で語尾につく「け」は確認や疑問の意味、かな?

「あんた、まめなけ〜」と言われたら、

「あなた、お元気でしたか」という意味だと私は解釈しています。


注4 ササミちゃんではありませんでしたε-(´∀`*)ホッ







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