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〈Essay〉日常の中に在るさまざまなこと。  作者: 高峰 玲


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お仲間さんがいた!




 現時点で何の役にも立っていないマイナンバーカードの更新案内が届いた。

(いや、作成で得たポイントで電子書籍を買ったから少しは利益があったか)

 スマホ、パソコン、郵送で手続きができるらしい。ただ、いずれの手段であれ、本人の顔写真が必要となる。まことに面倒くさい。


 まず、私は写真を撮られるのが嫌いだ。


 す──っと一瞬、真顔になったところをパシャリとやってくれればいいのに、照れが生じて眉間や額に厭わしげなシワが刻まれた状態を撮られるので、たいていの写真には不機嫌な顔の人が写っている。せめて晴れやかな気分でと口元を緩めれば「笑わないで」と注意される始末だ(免許更新の運転センターの人は警察官だから? ビシッと指導が入る)。スーパーの駐車場とかにある証明写真ブースでの撮影も、十中八九は失敗する。明るさ調整やら美白やら真ん中位置指定やら、色んな機能をいじってるうちに、何が何だかわからなくなり、とりあえず撮影ボタンを押し→シャッターが切られる前に何かをやらかすから。

 スマホ、パソコンでの手続きの場合はスマホ自撮りの写真を使ってもいいそうだが……無地背景で撮影せよ? ううむ、職場の廊下には結構な広さの白壁(クロス貼り)がある。背景に使える(というか、そこで撮ってた人を知っている)が……いつ誰が通るかわからない場所で自分を撮るのが、ものすごく恥ずかしい! なんか、いかにもナルシ〜みたいじゃん?

 なので、私が用意する証明写真はたいてい「この顔にピンときたら110番」みたいな仕上がりである。

 それでも、写真屋さんで撮影し、ついでにCDにデータを焼いてもらっていた写真(もの)は、比較的に写りがよく真面目そうな人類の姿に見える出来栄えだったので、私はそれを焼き増しして使うことにした。

 ん〜年前のデータだけど、幸い私の顔は中坊時代から変わっていないらしい(同窓会でよく言われる)。


 ん〜年ならまだイケる!


 そうして私はCD-Rを持ってカメラ屋さんへ行ったのだった。


 カメラ屋さんは、少し混んでいた。なんでも、七五三の前撮りをしているそうで、レンタル用の可愛らしいパステルカラーの“プリンセスドレス”がカウンター横にずらりと並んでいた。


 そして店員さんは「一緒に確認してください」と言って、私が持参したCDのデータをパソコン画面に出そうと操作を始めたのだが…………いかんせん、ん~年前に作られたCD-R、なかなかスンナリとは画像が出てこない。忙しくマウスであちこちクリクリする彼の口から、つぶやきが漏れた。


「よいしょ」


 店員さんは──推定年齢25歳から35歳、優しい物腰の少しだけ爽やかそうな兄ちゃんである。

 それが!

「よいしょ」だと!?


 私は、私以外にもマウスでクリックする時にそれを言う人間に、初めて出会った!


 パソコンの中のファイルを開くのは肉体労働ではない。にも関わらず、つい、言ってしまうその言葉。

(私の場合、同僚にファイルを開いて説明する操作の()を持たせる“照れ隠し”みたいなもので「あ、ちょっと待って( 注1)、どこだったかな〜、あ、ココ、これだよ、ん〜っと、こうやって開いて『よいしょ』ここ! ファイルのここを見るの〜」このように、日常的に出てくるのだ)


 やっぱ、言っちゃうよね〜(*^^*)


 何だか嬉しくなった。



挿絵(By みてみん)

           ↑こっちのマウスですよ〜。





 ちなみに、私は車で坂を登る時にも言ってしまう。

 所用で後輩を車に乗せ、立体駐車( 注2)に入って気持ちアクセルを踏み込みながら「あ、よっこらしょ」って言ったら笑われた。

 いやもう、何で言うのか、自分でもわからない。


 そして、よっこらしょ、よいしょの前につく「あ」とか「え」というのは、いったい何なのであろう?

(英語の「()」は1つとか1人のことだけど、コレは違うし)


 その意味すら知らず、きっと私はこれからも「あ、よっこらしょ〜」と言いながら、日々を過ごしていくのだろうと思う……。









注1 私はよくパソコン操作中にマウスのカーソルが何処にいったかわからなくなる。「どこ行ったかな〜」と言いながら大きくグリグリすると、そのうち見つかる。


注2 富山の立体駐車場はエレベーター方式よりも坂になっている建物の中を車が走行して階を上がっていく方式のほうが多い、ような気がする。







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