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戦いの空

2週間後・・・・


「イデア、今日こそ決着をつけようか。24戦24分け、ここまで互角だと変な気分だよ。」


「ああ、でも俺は最終試験こそが本番だと思っているからな!今日負けても、まだ終わりじゃない。」


「オッケー!その言葉忘れないでよ。」


2人は格納庫前に用意された自機に搭乗し、お互いに敬礼を行いキャノピーを閉める。


飛び立っていく2機を待機室で見守るアオイとユーリ


「始まったな。ユーリお前はどっちが勝つと思う?」


「どうせ今回も時間切れの引き分けだろ。それよりお前は誰に勝ち上って欲しいんだ?」


「さぁな。強い奴が上がってくればいい、それだけだ。」


「さすが、シード選手は違うな。」


「悪かったな。」


アオイは席を立ち待機室を出ようとする。


「おい!どこに行く気だ?教官に怒られるぞ!」


「気にするな。自分の試合までには帰ってくる。」


アオイは手を振りながら、待機室を出ていく。


「アオイ、甘く見ていると墜されるぞ。」



「ピー」

試合のタイムカウントが0になり勝敗の結果が電子板に表示される、2段目には次の開始時間と対戦者のリストが表示される。


「やっぱり引き分けか、面白い奴らだ。」


「次は俺か・・フィオナ、君の努力を見せてもらうとするよ。」


ユーリは待機室を出て格納庫に歩いて行く。

格納庫では、フィオナが既に機体に搭乗して機体の計器の最終チェックを行っている。


「開始10分前です、滑走路に移動してください。」


「了解。」


2機は滑走路で試合開始の連絡を待つ。


「カウント、7、6、5、4、3、2、1、スタート」


管制塔からの合図と同時に、2機の機体が滑走路を全速で走りだす。


「リューイ、面白そうな試合が始まったぞ!」


「イデアはこの試合どう思う?」


「フィオナのスピットファイア Mk. XIVとユーリの彗星五四型・・・機体性能じゃフィオナだが、低空にの勝負ならユーリだな。」


重量の観点から低空での飛行に欠点が残るスピットファイアと、爆撃機でありながら必要最低限の装備のみの彗星では性能は互角に近いと考えイデアはパイロットの技量が勝敗に左右するとイデアは考えていた。


「悪いけど、上はもらったよ。」


スピットファイアよりさきに離陸した彗星はある程度高度をとりロールする。


「驚いたかい!こいつはただの彗星じゃないってことだよ。」


離陸前のスピットファイヤの後ろに付いた彗星は、胴体を半分浮かせた状態の機体に照準を合わせる。


「ごめんね。」


ユーリはトリガーに指をかける。


その時、スピットファイヤは急に失速し彗星の前に機体が襲いかかってくる。


「何!?」


ユーリはとっさにエレベーターを引き機体を急上昇させる。


バランスを崩したスピットファイヤは、滑走路に叩きつけられるように墜ちるが、なんとか体勢を戻しそのまま離陸を続ける。


「悪いけど、私もまだ墜ちるわけにはいかないのよ。」


スピットファイヤは滑走路の限界ギリギリで飛び立ち、彗星を追うように高度をとる。


「まぁ、いい。その機体の弱点は知っている、どんなに各国の技術提供があろうと限界はあるんだよ!」


ユーリは高度計を確認する。高度計はメートル表示からフィートに変更されている他にコクピットのあちこちに表示の変更跡が残っている。

高度3500フィート。ユーリはエレベータを戻し現高度を維持する。


ユーリは後方を確認。


「さすが、速いな・・だが!」


左にスナップロール


彗星は瞬時に後ろにつけていたはずのスピットファイヤの後ろをとりトリガーを引く。


しかし、フィオナはそれを予期していたように彗星がスナップロールをした瞬間に機体をループさせ円の真上にたどりついた機体をダイブさせ彗星の真上につける。   


「ちぃっ、何だと!バカな!」


ユーリは驚きを隠せない心理状態中で悟った。

俺は負けた。

そして感じた、彼女の真の強さを。

迫り来るスピットファイヤを見つめる。

敗北まで10秒。

眼を閉じるユーリ。

敗北まで5秒。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

プロペラを高速回転させるエンジン音がユーリの耳を通り抜ける。


「何故だ!?なぜ撃たない。」


ユーリは考えた。

何の躊躇も無くループし墜とせる状況で撃ってこない。


「そぉか、まさかそんな事をするとわね。

面白いよ、でも君は判断を誤った!」


彗星はロールしながらスピットファイヤに向けダイブする。


フィオナは燃料計の残燃料を確認する。


「焦らないで私。」


スピットファイヤは地上ギリギリでエレベーターを引き機体を水平に戻す。


上方からくる彗星が、主翼に取り付けられた機銃で水平に飛行するスピットファイヤに向け銃弾を撃つはなつ。


フィオナはそれをラダーとエルロンを巧みに使い、機体を左右に動かしながら回避する。


「燃料も弾も減らして機体を軽くする選択は素晴らしい。でも、それは精神的に迷いを生じさせるんだ!」


ユーリは地上すれすれを飛行するスピットファイアに照準を合わせ、指をトリガーにつける。


「そろそろ決着をつけないと!」


フィオナはエレベータを引いて機体を上昇させる。

しかし、それについて来る彗星。


ユーリはトリガーをぐっと力を入れて押す。同時にフィオナは機体を半ロールさせた。


彗星のコクピット内は太陽から照らされる眩い光で包まれユーリの視界は真っ白になる。


「何だ!!目が!」


ユーリは光から逃れようと機体を水平に戻した。

すぐさまフィオナを探そうと周囲を見回したユーリ。。。。


「ピーーーー!」


ユーリが後方に現れたスピットファイアを発見した瞬間、試合終了のアラームが鳴り響いた。


敗北したと言う事実を受け入れられなかった俺は、何も考えられないまま滑走路に着陸し格納庫まで機体を進める。

格納庫内では、先に着陸したフィオナが整備士と何やら話していた。俺は機体を降りてペイント弾に蜂の巣されている機体を見つめた。


「ユーリ君が墜とされるなんてね。想像もしていなかったよ。」


格納庫出口から現れたアオイは少しニヤケ顔でこちらを見て話した。


「アオイ。彼女はくるよ・・」


ユーリは格納庫を出て更衣室に行く。

行く途中、ユーリはあの一瞬の出来事を脳内で何回もリピートして負けた理由を考えていた。

しかし、答えは出てこない。ユーリはそのいらつきから手に持っているゴーグルを廊下の壁に投げつけた。


「俺は、俺は認めない!」


廊下に響き渡る声は誰もいない通路を駆け巡っていく。

世界観を壊さないように新兵器を考えるのは難しい。そしてストーリーは厨二くらいが面白いと思ってる作者です。

途中出てきたフルスベルグはエースコンバット5のシンフォクシをモデルに考えてる潜水空母です。

登場兵器の解説が欲しいと思う方はご要望ください。

ちなみにいろんな国の機体が登場するのは軍事協定等、一応設定は考えてます。

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