始まりの空
下手です。
「スティレット!8時の方向より、カーチス3機!」
報告を受けたスティレット機は即座に回避行動をとるが、数秒後にはカーチス3機の集中砲火により機体は空中をブーメランのように回転しながら爆散していく。
「隊長!あのエンブレムは!」
その声は、驚きや恐怖を通り越し隊長からの返答を聞ける余裕すらないようだった。
隊長は部下からの報告を聞いた瞬間、辺りを見回し敵の機体を確認する。
と、そこには空中都市マチュピチュを絵にしたようなエンブレムの機体が次々に友軍機を撃墜していく姿があった・・・
「アルカディア・・」
隊長は考えた、次々に撃墜されていく仲間の姿をみながら必死に考えた。ここで敗戦を喫すれば領土を失う・・
隊長は言い放つ。
「全機に連絡する・・ここで負ければ、また罪もない人々が血を流すことになる。祖国に誇りがある者は、俺に続け!」
残りわずかな友軍機に伝えると、隊長機は後方から迫りくるカーチスにもろともせず遥か上空を飛行する爆撃機に向けて体当たり攻撃を仕掛ける。
がしかし、それに犯行するように爆撃機も敵戦闘機に対し機銃による波状攻撃で応戦するが、爆撃機の攻撃が命中する前に隊長機はカーチスの機銃により空中分解し雲の中に消えていく。
「おい、ついにあいつ等気が狂ったか?」
敵パイロットは驚いていた。1機が爆撃機に特攻を仕掛けたと同時に、周りの機体も爆撃機に特攻を仕掛け始めたからだ。
そして、無残にも空中で散っていく戦闘機たち・・・
目標に命中したのはたった数機と言ったところか。これでは敵の練習台になったと言ってもおかしくない、彼らはそれほど必死だったのだ。自分たちの祖国を守るために・・・
ここはイネストリア、前の世代で言うイギリスだ。俺は神名 アオイ(カミナ アオイ)そして、ここの最南部の都市ティアーズのイネストリア空軍パイロット育成学校に通う学生で、各基地から注目されるほどの成績お持つ最優秀学生で他の生徒達からの信頼も厚く向かう所敵なしと言いった絵に描いたような生徒である。
正直なところ、二ヶ月後にある最終試験なんかパスしてささっと卒業させてほしいものだと思っているのが現状だ。なぜここまで強気かと言うと、俺は各基地から注目されるほどの成績かつ模擬戦では一度も撃墜されたことがなく。いつも無傷で帰還していたからで、生徒かは空の妖精と言うあだ名すらついていた。
だがしかし、いくら俺でも学校の決めた規則には逆らえるもなく単位を取るため今日も空を飛ぶ。
「本日の科目は2機によるコンビネーションだ。空中ではどんな敵と遭遇するかわからない、もし単機では勝ち目がないと判断した場合、これを2機の戦闘機で撃破する・・・・・・・」
この後も教官の長々とした講義を聞かされ実施にコクピットに座ったのは1時間後のことである。
正直な気持ち、俺に敵う奴なんて存在しないと思っていた。だから、こんな科目どうでもよかった。
「そうだな・・神名。お前は、フィオナとパートナーになれ。」
適当に話を聞いていた俺の耳に、教官の口から衝撃の言葉が走った。
「なぜですか!?普通成績2位のユーリをパートナーにするのが最善だと思います。」
俺はすぐに教官に反論した。なぜならば、まさかフィオナとパートナーを組むことになるなんて思ってもいなかったからだ。フィオナはこの学校で最下位の成績で模擬戦でも真っ先に撃墜されている。
いくら俺でもこんな奴と組まされたらただじゃすまない、もしここで撃墜でもされてみれば俺の評価が大幅に落ちてしまう。
だから何としてでも阻止したかった。
「確かにお前の言い分は間違っていない。しかしだ、もし実戦においてパートナーが自分よりも遥かに下の技術だったらどうする?」
俺は何も言えなかった・・・反論する言葉はあった、でも声に出せなかった。
ここで変なことを言えば俺の人望に傷がつくと思ったからだ。
そして、俺達の番がやってきた。
「いいかフィオナ。絶対に足手まといになるなよ!」
滑走路には2機のスピットファイア Mk. XIVが管制塔からの離陸許可を待っている。
1分後、交差する第二滑走路から教官機が離陸する。
それから30秒後、俺達にも離陸許可が下り、俺はスロットル引き一気にエンジンの回転数上げ、教官機に負けずと機体を地面から切り離す。
「フォッケウルフTa 152か・・・いいショーになりそうだ。」
アオイは少し余裕を感じている。別に、教官を見下していたわけではない。
ただ、自分が強すぎるからだ。
「神名、後ろ!」
フィオナの声に即座に反応した俺は、エレベーターを引き高度を上げる。
その動きに着いて来る教官機
操縦桿を右に倒しエレベーター引く
「これなら!」
エレベーターを引いたまま操縦桿戻し機体を垂直にし高度を上げる
神名機、教官機、フィオナ機と縦に並んだ3機はそのままの状況を維持したまま高度を上げていく
「何をするつもりだ?」
教官が出方をうかがっていたその時。
神名機は急に失速し、空中を木の葉が落ちるように落ちて行った。
「何!?」
教官は驚いた・・まさか訓練生ごときが、木の葉落としをやってのけるとは。
しかし、木の葉落としは軽量で操作性に優れた零戦のマニュウーバでありスピットファイアがごときが到底真似をできるとは思わなかった。 ※木の葉落とし 敵機に背後につかれた状態から急上昇し、意図的に失速状態を起こして機体を横滑りさせることで、相手の目をくらましつつ背後に回りこむ。
案の定木の葉落としに失敗した神名機に教官機はスライスバックで神名機に追い撃ちをかける。 ※スライスバック 水平飛行からマイナス45度(135度)バンクし、そのまま斜めに下方宙返りし高度を速度に変える。開始時と終了時で方位が180度変わり、高度が下がる代わりに速度が増大する。
降下してくる教官機に焦る神名。
「くそぉ!」
しかし、教官機は急にブレイクした。
見ると後ろには、フィオナ機がピッタリ張り付いていのだ。
俺は、成績最下位の女に助けられた・・・
この屈辱をすぐにでもぶつけたい気持だったが、今は押し殺し再び教官機の追撃を始める。 ※ブレイク 敵機を振り切るための急旋回。
「決める!」
教官機を照準に捕えたフィオナはトリガーに指をかけ指先に神経を集中させる。
視界から消える教官機
周囲を見回すフィオナ
「先生は残念だよ。」トリガーに指をかける。
「後方、6時の方向!!」叫ぶ神名。同時にトリガーを引く。
鳴り響く弾の発射音
エレベーターを引き、機体をそのまま反転させ神名機に進路向ける。
空中で交差する2機
「借りは返したからな。 フィオナ、俺の真後ろにつけ。」
神名機とフィオナ機はギリギリまで距離を詰めた状態で並んで飛び始める。
「今度は何を見せてくれる!?」
2機はギリギリまで距離を詰めているため回避行動も上手くとれず、すぐに教官機に後ろをとられてしまう。
トリガーに指をかける。
「いまだ!」エレベーターを一気に引く。
神名機は宙返りし教官機の後ろをとりに行く。
「甘い。」
教官機も神名機に続くように宙返りをする。
案の定後ろをとられる神名機。
鳴り響く発射音。
~格納庫前~
「神名、次にあんな真似をしたら始末書じゃすまないからな。」
結果的に教官に勝てたのだが、最初にお遊び半分でやってしまった木の葉落としが教官の逆鱗に触れたらしく着陸した後そく1時間にわたる説教を受け、挙げ句の果てに始末書を書く破目になってしまった。
正直な気持ち、俺は自分が悪いことをしたんて微塵も思っていない。訓練には合格したのだから。
「きおつけ。教官に対し敬礼!」
教官の話も終わり、今日のリーダーが生徒に対し号令をかける。
教官側も生徒に対し敬礼を行う。
教官が手を下すのを確認するとリーダーも生徒に「直れ」と号令をかけ、きおつけの姿勢に戻す。
「解散。」
教官は一言言い放つと生徒達をあとにし格納庫の方に歩いていきそのまま中に消える。
リーダーは時計を見た後、生徒達をそのままの状態で待機させ課業終了のラッパをじっと待つ・・・30秒くらい後、課業終了のラッパが鳴り始める。普通ならば国旗に敬礼をしなければならないが、格納庫に国旗が隠れてきおつけの姿勢で鳴り終わるの待つことになった。
「解散。」ラッパが鳴り終わると同時にリーダーは号令をかけ生徒達は拘束された時間から解放され生徒達はバラバラに散っていく。
俺は特に用事もなかったのでゆっくりと宿舎に帰ることにした。
「あなた、そんなんじゃ死ぬわよ。」
後ろからフィオナが一言言うと、そのまま追い越して行った。
戦闘シーンが難しいです。
あと、航空用語を使いたいかな。