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1話

 「ーーー!!」


ユイナの声にならない悲鳴と共に、

10月7日午前7:23 この孤児院に暮らす子供の一人

ソヨが布団の中で死亡しているのが発見された。


私は、

ユイナ ユウキ ソウタ ホノカ チカ

他の子供五人の無事を確認すると、すぐに警察に連絡した。

子供達は、驚きと恐怖のあまり声も出さずに泣いていた。

首に対して垂直に突き刺さった包丁は、この孤児院の物だった。


ここは、悲痛な過去を持つ子供達が暮らす孤児院だ。

心に傷を負った子供達が元気に過ごせるように手伝うのが、

私の仕事だ。


警察が到着し、私が子供達を院長室に残して

警察と状況を確認しに行こうとした時、


「行かないで、、」


ホノカが私の服を引っ張った。


「大丈夫よ、危ないから皆ここで待っててね。

 すぐに戻ってくるわ。」


私はそう言って院長室を後にしたが、

私がいつも通りの笑顔では無かったことは、

子供の目からみても一目瞭然だった。


現場に戻った時そこにソヨの死体はもう無かった。

少しホッとしてしまった自分に罪悪感を覚えた。


警察によると 犯人は夜中のうちにこの孤児院に忍び込んで、

キッチンにあった包丁でソヨを刺した後、姿を消したそうだ。

何も金品などは盗まれていなく、

ただ屋根裏の窓が空いていた事と、

積んであったダンボールがぐしゃぐしゃになっていたことから、

犯人は屋根裏から忍び込んだことだけが分かったらしい。


「あ、」


そこで私は一つの違和感に気がついた。

朝の時点この孤児院で鍵が空いていた場所なんて無かった。

屋根裏の窓は天井にあり、

入ることは出来ても、出ることは出来ない。


要するに、

ソヨを殺した犯人は、

未だこの孤児院の中に息を潜めているのだ。

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