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46副官ネーナは感染した

副官ネーナ side




なんとかしてあげたいという気持ちはあるのだが。


魔王様と奥様の結婚から半年が過ぎた。


聖女ミア様は魔王城に時々遊びにきた。


魔王様への好きの気持ちが溢れている。


魔王様を物欲しそうに見てよだれを垂らしているし、時々顔を真っ赤にして鼻血を出している、何を妄想しているのだろうか?


もちろん聖女様は魔王様をジーと見つめた後は、はあはあして自室に引きこもる。


何をコソコソしているかなど邪推してはいけない。


もちろん自慰行為をしているのは間違い無いのだが。


そこは変態の聖女様、私達の想像の斜め上をいくオナニーしているに違いない。


なんか、変な音が聞こえる。だから邪推をしてはいけない。


「何とかしてあげたい気持ちはあるけど......普


通に考えると10代の女の子がおっさんに一夫多妻制で嫁ぐなど、どんなけ爛れた関係になるんだろう?


私はそう思っていた。だが、ある日、私は突然ある事に気がついてしまった。


「私も魔王様が好き......」


気がついてしまうと魔王様への気持ちがどんどんエスカレートする。


私は悩んだ。だが、私は彼女らへの配慮というより、自分の好きという気持ちに負けた。


「もう、魔王様は一夫多妻制にしよう......」


私は決意した。


「決して私情からではない、みんなの為だ。私も含めて」


そして行動を開始した。


ちょうど、ミア様が遊びに来た時に私は切り出した。


「そのー、私も魔王様には爛れた生活ではなく、一夫一婦制の健全な家庭を築いてもらいたかったのだが、そのうち、ミア様が間違いを犯すだろ?」


「そんな事しませんよ」


ミア様が困った事を言う。私がそれでは困るのだ。


「いや、必ず間違い起こすから!」


『特に私が......』


という言葉は飲み込んだ。


そしてみんなに提案をした


「勇者様のお父様に許可を頂いたら、魔王法を改正してミア様も妻にしてもらおうと思うのだが」


「本当に?」


「本当だ」


「是非お願いします!」


何の屈託もなく同意する。普通、おかしい様な気もするが......


魔王様と勇者様にも相談すると


「「いいよー」」


簡単に同意してもらえた。本当にいいのかな.....


この二人深く考えてないだろうな


色ボケしてるから、アハハ。


こうして私達は王様のところに行った。


「人間の王様、ご報告がございます」


「何じゃ? 確かそなた魔王殿の副官ネーナ殿」


「はい、今回魔族の決定をお伝えしに来ました」


「魔族の決定とは?」


「はい、我らの魔王様は人間です。しかし、あの類まれな強さ。我ら魔族にもあの強い魔王様の子種が欲しゅうございます」


もちろん嘘だ。


「とういう事は魔族からも妻を娶るという事か?」


「はい、そこで、魔王法を改正して魔王様に限り一夫多妻制としようかと、しかし、正妻である、勇者様のお父様のご了承も頂きたく参上しました」


「アリスはどう思っておるのだ?」


「私はかまわん。おっさんを私一人が独占するなんて罪だぞ」


「わかった。お前がそういうなら、わしは反対せん。まあ、あれだけの人物だからの」


普通反対しないかなー。と思いつつも思い通りに進んで私は安心する。


「それでは、まず、ここの2人を妻に加えます」


「あれ、ネーナさん、計算間違えてない?」


「そうね、聖女のミアさん人なんじゃ」


「それと私です......」


私は顔から火が出そうな位恥ずかしかった。


「いや、魔族にも血筋が欲しいから、決して魔王様に恋した訳じゃないので!」


私は顔を真っ赤にして訴えた


「「ふ〜ん」」


「ほう」


「へぇ?」


勇者様や聖女ミア様の『ふ〜ん』がなんかムカつく。


「いや、魔族にも魔王様の血筋が欲しいから、仕方なく私がとういう事に」


「「ふ〜ん」」


「ほう」


「へぇ?」


あー、誰も信じてくれない!




☆☆☆




こうして私達は魔王様の妻になった。


帰り道で私は大声で言った。


「わ、私、別に魔王様の事愛してなんてないからね!」


「「ふ〜ん、ネーナさんツンデレだったんだ」」


「ち、違うわよ、馬鹿ー」


もちろん誰も信じてくれかった。




☆☆☆




こうして私達の一夫多妻制が始まった。


勇者様には赤ちゃんが生まれていた。


可愛らしかった。みんなでとても大切にした。


聖女ミア様も最近身籠ったらしい。


「私も赤ちゃん欲しいなー」


私は愛の結晶が欲しかった。


そして、今日は私の順番だ。夜のお勤め♡


自然に頬が緩む。


魔王様はとっても優しいのだ。私を大切に扱ってくれる。


それに昨日は聖女様の日だった。聖女様の明くる日は魔王様いつも激しくて、つい、期待してしまう。昨日一体どんなプレイをしたんだろう。いや、邪推はやめておこう。2人の愛のある変態プレイを暴いてはいけない。


「今日は3回位おねだりしよう」


私は受胎する気満々だった。




☆☆☆




あれから2年がたった。魔王城は騒がしい。赤ちゃんがたくさん生まれたからだ。


みんな赤ちゃんの世話で大変だ。魔王様も赤ちゃん大好きみたいだ。


赤ちゃんの世話を一生懸命してくれる。


私は自分の赤ちゃんを胸に抱き、幸せを噛み締めていた。


これからも子供増えるな。何しろ、魔王様も私達もやる事何にもないので、昼は赤ちゃんの世話したり、みんなでキャッキャしたりして。


夜は順番に燃える様な夜を迎えるのだ。だって暇なんだもん。他に娯楽ないもん。


「魔王様って、平和と幸せのウィルスをばらまく体質なのかな」


私はそう思った。




☆☆☆




こうして私たちは平和で幸せな生活を送った。そして。


「魔王様、勇者様、聖女様、安らかにお眠りください」


私はみんなのお墓の前で手を合わせた。あの幸せな日々は私の宝石だった。


でも、みんな人間だった。みんな天寿を全うしてしまって、私だけが残された。


魔王様の後は最初、勇者様のお子さんが継いだが、やはり天寿を全うされた。


今は、私の子が魔王をしている。


楽しかった日々、だけど、私はゆっくりしていられない。


何せよ、私の子はあの魔王様の血を受け継いでいるのだ。


至る所で勘違いと幸せと平和を撒き散らしている。


私は、絶えず今の魔王(自分の子)の世話で大変だった。


「私は幸せです。魔王様、そして、他のみんなも幸せでした。ありがとうございます」


こうしてこの世界に1000年にわたる平和がもたされた。


「私、魔王様のウィルスに感染したんだろうな」


私は呟いた。


「お母さん......」


私の子、現魔王はとても心配そうな顔をしている。


魔王様そっくりの顔立ち、目の色、そして褐色の肌と小ぶりの角。


私は子に看取られながら、天寿を全うした。




☆☆☆




おしまい

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[一言] 完結おめでとうございます&お疲れ様でした。 謹んでおっさん達の御冥福をお祈りします♪ そしておっさん達の子孫が御活躍と繁栄されますように!
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