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4おっさん、王女様に決闘を申し込まれる

俺はダンジョンのラスボスを倒すと現れた魔法陣の中に入って、無事地上に帰還した。


ディスカウントストアで購入した天空石で狂ったように装備を強化した。


これで俺も人並みの強さになれた。


きっと、俺の固有スキルはバグっていて、他のヤツみたいに成長できなかったんだ。


ようやく俺も人並みになれた。


と、そう思っていると、前方で剣や魔法の詠唱の声が聞こえる。


見ると馬車がホワイトハングに襲われている。


「おかしい!」


「ホワイトハングがこんなに強い訳がぁああ」


「グァ!」


馬車を警護する騎士達が口々に大声を上げている。


これはヤバい。俺は助けることにした。


今の俺なら人並みに戦えるはずだ。


ホワイトハングはそれほど強い魔物ではないし。


————ザシュ。


俺はホワイトハングの後ろを取ると、たちまち2匹を屠り、騎士達の傍らに陣取った。


「僭越ながら、加勢させて頂きやすぜ」


「おお! 助かる!」


「見事な剣さばき、さぞかし名のある剣客とお見受けする」


「……へ? ただの盗賊でさ」


そういうと、俺は更にもう1匹の魔物を倒した。


5分もすると数的有利にたって、形勢が逆転して騎士達は全ての魔物を撃退した。


「ありがとう。助かった」


「……もし、あなたがいなければ今頃」


「よしてくだせえ、ちょっと加勢しただけで、大したことはしてねぇですぜ」


俺が騎士達と熱い友情のようなものを通わせていると、突然馬車から一人の少女が降りてきて、こう言い放った。


「そこのあなた……私と決闘するんだぞ!」


「へ?」


なんで? なんでお姫様助けたら、決闘挑まれてるの俺? ねえ、なんで?


少女は銀髪に長身、スタイル抜群で、特に胸が……そのガン見しちゃいけねぇとは思っていても見てしまう、メロン位のサイズの持ち主だった。


それでいて、顔立ちは清楚、その上、気品に満ちていた。


俺とは真逆の世界の住民なのは間違いない。


しかし、彼女はドレスではなく、騎士服のような……いや、魔法学園の制服か?


白のブラウスの上に魔法を象徴する青をベースカラーとしたブレザーとプリーツスカートを着こみ、胸元には赤のリボン、足元は白のニーハイソックスといったいでたちだ。


清楚感が半端ない! そして、これでもかと胸を押し上げるメロン大の物体が逆にエロさを増している。


「あなたはなんてことをしてくれたのです。ドレスから着替えたら、魔物を狩ると言う楽しみが待っていたものを! なんとも酷い仕打ちだと思いませんか? 思うでしょう? 思うわよね? 思いなさい! ……思え!」


中から出てきたのはあれだ。


ツンデレさんだった。


まだデレてないと言うツッコミは後でお願いしやす。


「あの、すいやせん。事情は知らず、素人が余計なことをしてしやいやした。何卒ご勘弁を」


ぺこりと頭を下げる。なんなら、土下座も披露しようかと思っていたが。


「あなた、私が決闘をしなさいと言っているのです……つまり、あなたに選択肢はないと知りなさい。このくされおっさんがぁ!」


「ええ?」


あまりの理不尽さに困惑するが、隣の騎士から肩をポンと叩かれて、こう言われた。


「お嬢様は言い出したら聞かないから、諦めてくれ」


「そうだ、それにちゃんと決闘用の魔法結界の中でやるから死んでも大丈夫だからな」


「へ、へい」


決闘用魔法結界とは、擬似空間を作り出し、その中では死んでも直ぐに生き返る。


もっとも、痛覚が鈍化する訳ではないので、実際に殺された時の感覚が味わえる。


時には罪人の自白強要にも使われる魔道具だ。


「私は機嫌が悪いのですわ。そんな中で、最高の娯楽の魔物狩を邪魔されたのでしてよ。私の気分はお分かりですか?」


「い、いや、それなら、この騎士様達に頼めばいいんじゃねぇですかい?」 


「その人達では相手に……気を利かせて少しは奮戦して死になさい、このクソ親父!」


酷いとは思ったが、相手は明らかに貴族だ。


逆らえない。


それで言われるがまま、魔法結界が完成すると決闘が始まった。


つ、強い!


俺は驚いた。


20代半ばまで剣士職をしていた俺には、このお嬢様の強さがわかった。


……だが所詮、女の子だな。力も速度も足りない。


適当にあしらって、最後は壮絶に死のう。


そう思っていたが。


あれ?


中々剣が命中してくれない。結構手を抜いてるんだけどな、なんで?


「あ、あなた、さては魔族ね? 人界は私が必ず守り通します。ご存じですか? 私が悪と認めた者は間違いなく悪なのです。白を黒にもしてしまうのが私と知りなさい」


「ひ、酷いぃ……」


ようやくすると、このお嬢様のご機嫌を損ねると、魔族に仕立て上げられて、殺されるんじゃないの?


「私の最終奥義を喰らいなさい。細胞の一片すら残しませんからね。このクソ親父がぁ!」


見た目とのギャプに困惑するが、かなりヤバい女の子であることは間違いない。


いるんだよな。貴族のクセにヤンキー気質のヤツって。


お嬢様は勝手に言い放った後、なんか、変な技を繰り出して来た。


密かに魔法結界のスイッチが切られている恐れがあるから、ひょいっと、避けた。


すると。


「うっ……うっ、うわああああんっっ!!」と泣きだして座り込んだ。


俺はちょっと可哀想になって、近づいて、手を差し出して、声をかけようとした、でも。


「わ、私と、け、結婚してください」


「……へ?」

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