表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/22

改悪 三匹の子豚

あけましておめでとうございます。

2023年年始投稿。

 とおくかちかくかおのぞみしだい。

 むかしむかし、もしくはみらいみらいのとあるおはなし。


 あるところに、ポーク王国という国がありました。

 王である豚には、三匹の子豚がおりました。

 子豚たちが年頃になると、王は国の領土を三つに割いて子豚たちに与えたのです。


 ロイン王国の王となった一番上の子豚は、お花畑から集めた花で宮殿を作りました。

 花の香りと彩りは鮮やかで、王都の空気すら変えるものでした。

 

 「これはすばらしい」と言ったのは、隣の国から来た狼でした。

 たしかに、宮殿にあわせて花で作り上げた屋敷や家々が立ち並ぶ王国の様子は美しいものでした。

 最初は狼を警戒していた豚も、自慢の宮殿を褒められ続け、すっかり心を許しました。

 狼は狼の国の王の子だったので、豚は結婚をしました。


 しかし花の宮殿に入った狼は、ぺろりと豚を食べてしまいました。

 密かに伏せていた狼の兵は、ぺろりとお花畑の国の豚を食べてしまいました。


 ロース王国を治めることになった二番目の子豚は、森から集めた木々で宮殿を作りました。

 一番上の子豚が作り上げた宮殿のような華やかさはありません。ですが秋になればどんぐりが実り、それは地面を覆うほどに落ちたのです。

 食べるものにも困らず、頑丈で森の中にいるようにすがすがしい気持ちになれる王都は、二番目の子豚の誇りになりました。


 そこへやってきたのは、狼の国の、次の子でした。

 やはり二番目の子豚も狼を警戒していたのですが、狼が差し出した書状を見て、受け入れることにしました。

 これまた豚は狼にすっかり心を許してしまい、木々の宮殿へ狼を招き入れたのです。


 しかし木々の宮殿に入った狼は、ペロリと豚をたべてしまいました。

 密かに伏せていた狼の兵は、ぺろりとロース王国の豚をたいらげてしまいました。


 テール王国を受け継いだ三番目の子豚は、手紙を送りました。

 ロイン王国と、ロース王国に狼が行ったのは、それを見たからでした。

 上のきょうだいたちにも末の子豚は手紙を送りました。

 狼たちはテール王国にも来ている。いいやつなので大丈夫だと保証する手紙です。


 花畑と森の国を乗っ取った二頭の狼と、その下の子は、三番目の子豚とテール王国を狙い、互いに争い始めました。

 ですが狼たちがちょっとだけ賢かったのは、テール王国をのっとるまでという条件で休戦をしたことです。

 これ以上お互い疲弊させたところで、得をするのは自分たちではありません。

 そこで三頭はそろって三番目の子豚の元に攻め込みました。


 三番目の子豚は、宮殿を作りませんでした。

 かわりに、テール王国にもともと点在していた城や要塞を転々としました。

 逃げ続けているように見せかけながら、領地のありとあらゆる所に罠を仕掛けていたのです。

 じわじわと兵の数を減らした三頭の狼は、そろって子豚がいるという盆地へ向かいました。


 盆地へ向かうには、狭い狭い峡谷を通らなければなりません。

 先陣争いにのぼせた狼たちが押し合いへし合いしていると、その上から岩や丸太が振ってきました。

 子豚が仕掛けた罠です。

 それにより、狼たちは全部死んでしまいました。


 三番目の子豚は、テール王国だけでなく、ロイン王国とロース王国も我が物としました。

 そして死んだ狼の毛皮を剥ぎ、それで新しく作り上げた宮殿を覆ったのでした。


 ***


 さて、あなたは子豚と狼の性別をどう考えましたか?

いっそのこと、三匹の子豚じゃなくてリア王ネタでもよかったか……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ