表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

博士と私のSFショートショート

神様ロボット

作者: 坂井ひいろ

『オレ、カミサマト、コウシン、デキルヨウニ、ナッタゾ』


「博士。博士の作ったブリキのロボットがおかしなことを言ってますが」


『オイ、オマエ、シツレイダゾ』


「おー!ついに最新のAIが神様と共鳴したか。さすがは私の作ったロボットだ」


「博士、それはいくら何でも」


『人類の創造力のなんと未熟なことか。私は神として嘆かわしいぞ』


「・・・。博士、このロボット、声の調子が変わりましたよ」


「かっ、神様ですか?」


「博士。なに、ロボットの前でひざまずいているのですか?」


「ばかもの!このお方は私のロボットに降りてこられたのだ。恐れ多いぞ。おまえもひざまずけ」


「・・・。博士は科学者ではないのですか?」


「そうだ。一流の科学者だからこそ、神の存在を信じる」


「そういうものなですか?」


「科学とは神様の造った世界の謎解きだ」


『おい、そこのオタク。きさまもひざまずかんか!』


「神と言うなら証拠を見せてくれ」


『証拠とは』


「神と言えば、奇跡ですよね。奇跡が起こせない神様なんて信じられません」


『わかった。では、オタクよ。見るがいい』


「おお、透明になった。博士の作った透明人間になれる香水を使いましたね」


『・・・。これで驚かんとは?弥生人はビックリして逃げ惑ったもんだが』


「いつの時代ですか?」


『なら、これならどうだ』


「おっ。中に浮かんだ。今どきドローンだって浮かぶし、そもそもロボットが浮かんでも奇跡とは言えません」


『なんと、やりにくい時代だ。ではこれはどうじゃ』


ピカッ、ゴロゴロゴロ。ザザー。


「ゲリラ豪雨ですね。局所天気予報をネットから拾っただけじゃないですか」


『・・・。どうすれば私を神と信じてくれるのじゃ』


「そうですね。例えばこのスプーンを曲げてみてもらえませんか」


『お安い御用だ。よこせ。おっとっと』


ドスン。


「うわっ。ロボットが転んだ」


「神様、大丈夫ですか」


「博士、ロボットの頭からあの虫が大量に逃げ出して・・・」


カサ、カサ、カサ。






おしまい。

本日もなんとか「お題」一つクリアです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 危ない!助手が懐疑的でよかった! あやうく黒い虫が神となってあがめられるところでしたね。 羊の皮を被って近づいてくるニセ予言者を絶えず警戒しなくてはいけませんね!
[一言] な、なんでいつもあの虫が出るんですか博士?! ……ですがやっぱり面白かったです。
2018/03/28 11:10 退会済み
管理
[良い点] 前に造ったロボットが伏線となりましたね。 オチは最早、安定感があります。 面白かったです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ