前編
何番煎じとなってしまいますが、異世界転移、価値観逆転のテンプレ・王道を詰め込んでみました。
最初に短編で投稿しましたが、長いので3等分しました。
俺の名前は遊佐武雄。うまれついての目つきの悪さと小太り体質をした不細工デブが悩みの種の高校生である。幼少時からこの容姿と体型でろくな目に合っていない。家では俺と正反対の優秀さと綺麗な容姿をした妹に馬鹿にされ、両親からも露骨に妹を贔屓され、高校では性悪なやつはいなかったので、辛辣ないじめこそないけれども、女子から馬鹿にされるか、笑われるか、無視され、男子からもブタマンと小馬鹿にされ、日々いじられる生活を送っている。
その日、俺はいつも通り学校の教室に足を踏み入れた瞬間、突如白光に包まれ、気がついたら、謎の部屋にいた。
「・・・どこ。ここ」
俺はいつも通り学校の教室に入ったはずなんだがな・・・。
そこは教室ほどの大きさだが、俺の知るどの部屋にも該当しない。飾り気のない薄暗い石造りの部屋である。壁には何か石のようなものが埋まり光っており、床には何か蛍光色の幾何学模様の模様が描かれている。
そして目の前には白いドレスを着て腰まで届くきれいな銀髪をした美少女が一人立っていた。ここはどこ!何が起きた!?という疑問がすとーんと頭から抜け落ちて見惚れてしまった。それ程の美少女だった。宝石のように輝く銀色のロングヘアー、長いまつげにアーモンド形の青い濡れた瞳、つんと形がいい鼻それぞれのパーツが奇跡的なバランスでととのえられており、体型は小柄で華奢だが、胸だけが自己主張するようにつんと飛び出している。テレビで見るアイドルですら比べ物にならない美少女だ。
「あ・・・あ・・・」
見ると美少女は唖然とした顔で俺を見ている。いきなり目の前に不細工な男が現れたら驚くだろうけど、流石に初対面の人にそこまでされる必要はないんだが。むしろ俺が驚いているんだけど。驚きから覚めてここどこなの?そう尋ねようとしたら、突然美少女ががばっと土下座をした。
「勇者様!!どうか!我が国をお救いくださいませ!!!」
「は・・・?」
それが俺のこの世界でのファーストコンタクトである。
さて、土下座している美少女ちゃんを何とか起こして事情を聴いた、簡潔にまとめると
・今世界では数百年に一回現れる魔王発生。それで魔物達も大量発生&凶暴化する“魔王現象”が拡大中。
・本来聖大国の勇者がその討伐を引き受けているが、恋人を寝とられて失踪、行方不明。
・他の国も聖大国に任せきりで魔王の対策不十分で、このままだと世界が結構ピンチ
・美少女ちゃんことこの国の第三王女フェリシアが王家秘伝の禁断の召喚術で第二の勇者を召喚する。
・なぜか俺が来た
らしい。ははは。ふざけんな!
「・・・というわけで、俺は勇者じゃない!一般人なんだよ!わかる?闘いのたの字も知らないの!とっとと俺のいた世界へ帰してくれ!」
「報酬もないのに戦うのを嫌がるのは当然です。ですが、私の持ちうる全てを捧げます!ですから!なにとぞなにとぞ!」
話通じやしねー!この薄暗い石室でもう何回同じ話を繰り返したことだろう。何を言っても抗議をしても、最終的にはお願いしますお願いします!との一点張り。今までの話をまとめると
Q魔王?国中の兵士で立ち向かえば?
Aそうしたら国を守る者がいません。モンスターや他国に攻められます。お願いします。
Q他国といっしょになって戦えば?
A皆モンスターと睨み合って戦力を出し渋っています。準備と交渉だけで数年かかります。お願いします。
Qそれまで待てば?
A魔王の力の増大と魔物の数の増える方が多いです。放っておくと終わりです。お願いします。
Qもう他国にまかせたら
A自国だけ消耗するのは嫌だとみんな同じこと思っています。お願いします。
Qその聖大国は?
A勇者の失踪とそれに伴う他国のクレームでてんやわんやです。この世界の勇者は10年近く鍛えて初めて勇者になります。お願いします。
Q俺以外にも強い奴いるだろ!
A魔王は強すぎて、1万人の兵士総がかりで勝てるかどうかです。でも勇者は魔王や魔物対象の超極特攻スキル“魔王殺し”をもっているので、簡単に倒せるはずです。お願いします。
Q俺が勇者なんて間違いだから!!
Aこれは勇者召喚の魔法ですから、素質があるのは間違いありません。お願いします。
Q他の勇者呼べないの?
Aこれは地脈を利用した~(略)~あと10年は使えません。ちなみにこの術はこの国特有の術なので、他の国は使えません。
Qもう!帰る方法教えろよー!!
A帰らないでください!お願いします!
話は平行線をたどり正直、困り果てた。どういっても、俺が勇者になって魔王と戦うことになる。喧嘩もろくにしていない、武術のぶの字も知らない、そんなただの高校生の俺に世界滅ぼすようなおっそろしい魔王退治なんてできるわけないだろ。
らちが明かないので、一番偉い人に合わせてくれと話をしたい、と交渉し何とか同意をもらった。それで王様に謁見しに行くことに。とフェリシア様に王宮を案内されたが・・・なんかここ不細工なやつ多くね?王宮はヨーロッパ風の宮殿を思わせるような上品で高級そうな感じなのが、人がなんというか言っちゃ悪いが不細工な男や女性がやたら多い。王宮勤めの人間って、なんというか美男美女がそろった華やかなもの想像していたんだがなー。
と、そんなこんなで赤じゅうたんを敷き詰めた体育館くらいありそうな大きな部屋に到着、奥には巨大でごてごて華美な装丁を施した椅子が2つあり、そこに王冠つけた王様らしき人とピカピカ光るドレスを纏った王妃様らしき人がいた。その放射線状に偉いんだろうなと思われる高級そうな衣類を纏ったおじさん達が何名か。ちなみに王様はいかついゴリラを濃くしたみたいな顔と体型、王妃様も・・・なんというか狐にそっくり。美醜でいうと一番いい評価で微妙レベル。似なくてよかったねフェリシア様。
さて、説明タイムの始まり。
フェリシア様が勇者様のことを語る一方、俺は必死で「一般人ですから!俺本当に闘いとかまともにしたことないんです!お願いします!帰してください!」と全力で主張。
しばらくするとゴリラ王の顔が不自然にひきつりはじめた、ん?なんかやな予感するぞ。ちょっと黙る俺だが、ヒートアップしたフェリシア様の説明は止まらない。
「・・・というわけなのです!父上!この勇者様にぜひ力を貸していただくべく、王家として手厚い支援と報酬を・・・」
「このバカ者がぁ!!!!」
姫の説明の最中に、ゴリラ王から雷鳴のごとき怒鳴り声が響き渡った。王妃様は涼しい顔をしているが、周囲のお偉いさんたちが身をすくめ、俺は「ひっ」と思わず声をだし、フェリシア様は文字通り飛び上がった。ゴリラ王は真っ赤に染めた顔で俺を見つめる。そのど迫力なこと。本気でちびりそうになりました。もはや俺半泣きです。俺は被害者ですよ!?
だが王様は、がばっと90度ほど頭をさげたのだ。
「申し訳ない!タケオ殿!わが娘がとんだことを!」
「王よ!頭を下げるなど!」「そうですぞ威厳が」
王の謝罪に周りのお偉いさん連中が騒ぐが、王様は彼らをぎろっと睨むと、再び怒鳴りはじめた。
「我が国と世界に全く関係ない一般人を同意もなく一方的に連れてきた上、見ず知らずの国や人のために命張って戦わねば帰らなせないなど、明らかに間違っているは我らであろう!この国の王としてそしてバカ娘の父として謝罪は当たり前だ!本当に申し訳ない!!」
そしてまた、ぺこりと頭を下げる王様。王様ごめん。ゴリラみたいとかいって。すごくいい人なんですね。
「本当に申し訳ないタケオ殿。そなたを元に国に返す方法だが、相応の時間と準備がいる。それまで世話や滞在は王家が責任もって対応させてもらう・・・そしてバカ娘よ」
「は・・・はい」
紳士的な俺への態度とは180度違う怒りの口調と表情に子犬のようにぷるぷる震えているフェリシア様。ちょっとプリティ。
「勝手に禁断級の召喚術使うでないわ!」
ゴリラ王の怒涛のお説教タイムが始まった。
「あれは勇者の素質ある者を呼び込むだけで、基本どんな性格や思考、能力の相手が来るかわからないから禁術なのだぞ!幸いタケオ殿は善良な方だから良かったが、取り返しがつかない悪人が来たらどうするつもりだったのだ!そもそもタケオ殿は向こうでは一般人だそうではないか!無辜の民を国の都合で巻き込むとは王族として何事か!そもそも勇者の素質といってもピンキリなのだ。勇者の素質がちょっとあるだけの無関係な人間を闘いに駆り出せるものか!」
ごもっともなお怒り。どうやら勇者召喚の秘術は国王だけが知っており、当のフェリシア様は勇者召喚の断片的な情報だけ知って、魔王倒せる凄い人が来るという都合のいい部分しか見ていなかったご様子。それだけで召喚術を完成させるのだから凄いことらしいが、それで俺みたいなやつが来るんじゃ世話ないよなぁ。
当のお姫様はこってり絞られ「少しでもみなのお役にたちたくて」とさめざめ泣いている。泣きたいのはこちらだけど。王様に頭下げられ、帰れる見込みがあって、衣食住の保証を受け、元凶のお姫様がガン泣きしている姿見たら少し冷静になりました。
「あの~王様・・・よろしいですかの~」
「むっ。魔法長どうかしたか?」
説教が一区切りついたころ、王様の隣のよぽよぽしたおじいさん・・・名前からすると偉い魔法使いらしい人・・・が声をかけてきました。
「もしかすると・・・彼本当に力あるんじゃないかの~?せめて何か試してから、保護するなり、改めて依頼するなり判断してみては?」
そういやそうだ。まだ能力の有無試してないわ。まさか俺がチートレベルな力の持ち主では!?なーんて、ねーよ。そんなご都合主義。
と思ったが、「そうですね!」と姫様泣き顔から一転、急にテンションアップ。え?さっきまで嘘泣きだったの?
それで試しに、一応誰もいないところに手を向けて試しに「はぁ!」なんて力を込めたらどぎゅぃん!と何か太いビームがでて、広間の壁に当たると、びかぁぁと色とりどりの花火みたいなフラッシュが発生しました。
俺唖然、他のみんな呆然。バチバチという謎の光の余韻の音が響く中、唯一魔法使いのおじいさんだけが、
「んっほぉっぉぉぉっぉぉぉ!?」
いきなり奇声を上げやがった。俺びっくり、みんなもびっくり。
「あ、ああああれは!最高位の勇者のみに使える魔のみに反応し、魔を滅する、伝説の最上位破邪魔法ブレイブレーザーじゃぁ!失われてから幾星霜!まさか!伝説をこの目で実際に目にするとはぁ!うほほぉぉぉぉぉぉい!」
と、よぽよぽ状態からいきなり目を見開き、両手ぶんぶん振り回して大声出してエキサイトし始めた。あっ、隣のおじさんに杖当たった。痛そう。
その興奮ぶりに血管切れない?と心配する俺をよそに「うはぁぁ!うぉぉおっぉ!」とじいさんさらに大絶叫。勘弁してください。
で、そこからみんなの態度掌くるりんちょ。フェリシア様がキラキラした笑顔で「やっぱり真の勇者様だったんですね!」とやっほーと言わんばかりに大喜び。そして王様直々に頭下げて「まさか最高位とは・・・無理は言いません。だけど助けてくれませんか?報酬は払いますから」と直訴。周りの偉そうな人達も王様にならってぺこりんちょ。
・・・どうしたらいいんだ。
そこで
「んじゃ、ご褒美にフェリシア様を嫁に頂戴」
しばらく思案した後、調子に乗って言ったら、全員からぽかんとされました。金はともかくこんな美少女が俺みたいな不細工と結婚とかダメですよねー、と自虐的に思い、まぁ駄目なら駄目で戦わなくていいし、いいか。と思っていたら、フェリシア様が目をうるうるさせて「勇者様の様なお美しい方が・・・本当にこんな不細工な私をお嫁に!?」とか言い出した。こいつ皮肉でも言ってんのかと思ったが、ふと思い、フェリシア様に俺の顔のことを聞いたら、「あまりにも美形で美の神様かと思いました」と恍惚した顔で答えましたよ。
・・・もしかしてこの世界美醜の感覚、俺の世界と違う?
そこからいろいろ質問したところ。その考え、まさに正解。この世界の美人の基準は俺の世界とは別。不細工というより平均的な顔より特徴的な顔の方がきれいに見えるらしい。俺の世界では平均的な顔つきの方が美人に見えるからまさに逆である。さらに女性は好みの差があれど一般的には胸が小さい方が好まれる傾向があるそうだ。となると俺はこの世界でハイレベルなイケメンで、フェリシア様は銀髪美少女で巨乳と俺の世界では最高級の美少女だが、この世界ではモンスター級の醜女ということになる。なんでも先祖の特徴を平均的に受け継いでこんな顔になったのだろうとのこと。なんとまぁ。
最初はふざけんなと思っていたが、こうなると俺にも欲が出る。世界の危機に直面し、自分どころか大勢の生死にかかわる事態なので不謹慎だが、俺も男。しかも不細工でこの年にして生涯女と縁が無いだろうと悟った身、だがこの世界では美女が不細工ということで余りまくり、この俺がモテモテだっているならば、やるべきことは一つしかないわ!
結論として魔王退治の話を受けました。で、まぁ、条件としてしばらく訓練をしたいこと、装備と仲間を見繕ってほしいこと、そして出発までの間フェリシア様を俺の付き人にしてほしいこと。無事魔王を退治したら帰還する方法を見つけてほしいことを出したら全て快諾。しばらくの間、お城で暮らすことになりました。
そして約1か月。その間魔物の進行に大きな動きが無く、一応平和な時間が過ぎた。
その間俺は騎士団長とお抱え魔法使いにみっちり訓練を受けました。力だけでは戦いに勝てないので、使い方を覚えることに終始。勇者の加護というやつか、俺の身体能力は以前よりだいぶ上がっており、魔力に至ってはこの国トップクラスの魔法使いのじいちゃんの10倍以上の量を持っていることが判明。なんというチート。
それ以外の間はフェリシア様とマンツーマンでこの世界のことをお勉強。王様は専用の侍女や教師つけようかと紹介してくれたが、お断りした。理由はお察しのとおり、紹介されたのがこの世界基準の美人だからです。だったらフェリシア様と一緒がいいわ。といったらあっさり受理。
だけど当のフェリシア様。なぜか露骨に警戒した態度です。なぜに?
しかし、それにも理由があり、メイドさん達から話を聞くとフェリシア様は王族の中でもかなり強い魔力の持ち主なのだが、いかんせん容姿がひどすぎる。家族はみな大切にしてくれるが、容姿のせいで周囲の貴族連中や他国の人からも彼女を異性として愛してくれる存在は今までなく、陰口や嘲笑といった心無い仕打ちばかりあっていたとか。そんな境遇に絶望し、次第にフェリシア様は引きこもるようになり魔導書だけがお友達の寂しい暮らしをしていたんだって。フェリシア様の上には姉2人いるそうだが、彼女たちは魔力以外優秀で、しかも超美人(この世界基準)ということもあり、いつも周囲からその姉と比べられて、それも自分に自信がない理由の一つみたいだ。
「ですから、勇者様みたいなすごいハンサムな人がフェリシア様に求婚したって聞いたとき、とっても嬉しかったはずなんです!でも、フェリシア様は今までのお辛い経験から“ああいったけど、他の人達みたいに実は私みたいな不細工をからかって弄んでいるのかしら”と思い込んでいるんですよ。あの方は優しく、優秀なのに容姿だけでとてもとても苦しい思いをしているんです!どうか大切にしてください!」
とメイド長以下メイド達一同からがばっと頭を下げられた。うーん、そんなひどい顔なのに使用人たちからこれほど人気があるなんてすごいいい子なんだなぁ。
その後、自分に教えるために一生懸命勉強の準備をして待っていたフェリシア様を見た瞬間、昔の自分の思い出が、不細工暗黒時代がフィードバック。容姿は自分のせいじゃないのに周囲からの冷たい視線と嘲笑と陰口の暗い過去。そんな中、辛い思いをしているのに、得体のしれない俺のために必死に頑張る姿になんというか感極まって思わず抱きしめちゃいました。
「え?え?え?勇者様!?」
と顔真っ赤にしてワタワタするフェリシア様の耳元に
「苦労したんだよな。分るよ。でも俺は君を裏切らない。神様に誓う。こんな俺さえよければ、ずっと君の傍にいるから。俺だけは君の味方であり続けるから」
と抱きしめながら耳元で湧き出る想い・・・というか我ながらくさいセリフを心を込めて優しくつぶやくと。フェリシア様は
「・・・・・・むきゅぅ?」
という小動物のような声をあげて、ぷしゅぅと湯気を立て真っ赤になってこてんと倒れました。なぜに!?
それからというもの、フェリシア様はいつもニコニコで常に俺の傍にいるようになりました。それこそおはようからお休みまでずっとですわ。勉強は机で向かい合うのではなく、なぜか俺の隣に座って実施。食事は自ら持ってきて、掃除、洗濯までやってくれます。王女様にそんなことさせてしていいのかね、と思って、声をかけたが、「これは(妻である)私の仕事ですから」と一部聞き取りづらいけど、むふんと力強く言うのでまっいいやと思うようになりましたわ。
無論、こちらも訓練があるし、フェリシア様も王女の責務もあるのでいつも一緒ではありませんが、俺の訓練の時はずっと応援してくれ、自分の公務がある時は終わればダッシュで自分のところにすっ飛んでくる。
超絶美少女にそこまで尽くされると、こっちもその気になっちゃいますよね?そこで次第に行為はエスカレート。どちらからかもうわからないが、頭なでなでしたり、挨拶代わりに毎日のようにハグ、唇以外にキスしたり、互いにひざまくらさせたり、一緒に食事して、互いに食べさせあいっこしたり、王宮内を歩くときはいつも恋人つなぎで一緒に歩くなど、最後の一線こそ超えないものの、俺が夢見た恋人の王道シチュエーションが次々叶っていき、俺もういつ死んでもおかしくないわぁというほどの凄まじい幸福を感じる甘々ベタベタの日々を過ごしました。そしてフェリシア様も同様のようで、毎日満面の笑顔とキラキラオーラを振りまきながら俺にぺっとりくっついています。俺らはもはや自他ともに認めるバカップルとなりました。