訪問者
ある日の白玉楼。
「ごめんくださーい」
誰か来たみたいだ。
「妖璃~。ちょっと手が離せないので出てくれない?」
「ちょーっと遠慮したいかな?妖夢姉」
ちょっとと良いながら完全に動く気は無いという意思表示をしながら妖璃が言う。
「じゃあ、幽々子様。出てきてくれません?」
「あはは、遠慮するわ。妖夢が出てくれない?」
「スミマセン。無理です」
妖夢も幽々子も全然動く気は無さそうだ。
「すみませーん!誰かいませんかー!」
誰かはまだ、外で待っているようだ。
「じゃあ、妖夢姉。僕、今度買い出し行くから今だけは行ってくれない?」
妖璃が妖夢に条件を出しだした。
「あはは、それだけじゃ釣り合いませんよ?」
「じゃあ、私も今日の残りの二食のご飯はお代わり二杯だけにするわ」
「駄目ですね」
幽々子の条件も珍しく断る妖夢。
「やっぱり居るじゃないですか」
「文さん!勝手に入っちゃ!」
そこに、黒い翼を持った女の子と白い犬尻尾と犬耳の女の子が入ってくる。
「天狗が勝手に入ってこないでくれないかしら?」
「なんで、天狗に答えなくちゃいけないの?」
「勝手に入って来たということは斬られたいと言うことですね?」
「文さぁん。帰りましょうよぉ」
「あやややや。相変わらずですね」
黒い翼の女の子は、全く歓迎されていないがそんな事はまったく気にしない。
「で?なんのよう?天狗」
「文文。新聞をお届けに参りました!」
「そう。ありがとう。玄関は回れ右して真っ直ぐよ」
幽々子が黒い翼の女の子に言う。ついでに、その横で妖夢が刀に手を置いている。
「文さん!帰りましょう!」
それを見て焦ったように白い犬耳の女の子が黒い翼の女の子に言う。
「いや、私も帰りたいんですけど上からのメッセージがあるんですよ」
いいながら、めんどくさそうに懐から手紙をだす黒い翼の女の子。
「天狗の上下関係は、相変わらずみたいだね」
「あやややや。良くお分かりで。それでは、お伝えしますね」
女の子は、手紙を開き中の文を読む。
「えーと、『此方に被害を出した謝罪をいい加減しにこい。さすれば、許してやらんこともないぞ』だそうですけど、聞くまでもないですね」
最初の文を読んだ時点で既に幽々子の顔に怒りが現れている。
「一応、言っておきますが私達は、此方に非があると思っていますが上からの命令には、逆らえませんので、すみません」
「わかっているわ。貴方達に何かしたところで意味の無いことなんて。でも、ね?」
ユラリと正に亡霊のように立ち上がり幽々子は、二人の天狗に言う。
「八つ当たり位は、してもいいかしら」
「仕方ありません。受けましょう」
「文さん!?」
受けると言った黒い翼の女の子を危険だと言うようにに白い犬耳の女の子が名前を呼ぶ。
「椛が」
「ゑ?」
しかし、直ぐにその危険がそのままこっちに来た。
「代理ですよ」
「あら、なら私も代理を立てましょうか。
うーん、妖璃、行ってくれるかしら」
「わかりましたよ」
「ゑ?」
状況を飲み込めない白い犬耳の女の子を置いてきぼりにして話は、進んでいく。
「どうせなら、おやつでも食べながら観賞しませんか?」
「そうね。妖夢、お茶二つ持ってきてくれる?」
「あやや?私の分は?」
「天狗に、ただで、あげるものは、無いわよ?」
「わかりました。速攻でお茶菓子買ってきますからお茶、よろしくお願いしますね!」
「よーむー?お茶もうひとつ追加~!」
「はーい!」
「あ、僕のスペカ、部屋に置きっぱなしだ。取ってこなきゃ」
「行ってきまーす!」
「あ、文さぁぁぁぁあああん!」
射命丸 文
種族 天狗 (正確には鴉天狗)
能力 風を操る程度の能力
伝統の幻想ブン屋
最も里に近い天狗
幻想郷最速
文文。新聞を担当する天狗
とにかく速い
ひたすら速い
めちゃくちゃ速い
犬走 椛
種族 天狗 (正確には白狼天狗)
能力 千里先まで見通す程度の能力
犬パシリとか言われてる可哀想な天狗
妖怪の山の警護をしている
能力上の関係で白狼天狗の中では地位が高め