訪問者
「妖璃は、相変わらず相手の裏をまず狙うわね」
「開口一番にそれですかー」
降りてきていきなり幽々子に面白そうにそう言われた妖璃は、ガックリと肩を落として言う。
「まあまあ、妖璃らしくていいじゃないですか」
「妖夢姉。それ、フォローのつもり?」
「え?フォローのつもりですよ?」
「………フォローになってないよー」
止めを刺されて項垂れる妖璃。
「それより、妖夢。ご飯にしましょ♪」
「さっき食べたばかりじゃないですか!ご飯ではなくお茶菓子を用意しますので待っていてください」
いうなり、屋敷に飛んでいく妖夢。
「うふふ。ほら、妖璃。行くわよ」
「傷心の僕は放っておいて先にいってくださいー」
項垂れ地面に突っ伏している妖璃。
「あらあら」
そんな、妖璃の近くに行くと幽々子は耳に口を寄せ言う。
「立たないとこのまま息、吹き掛けるわよ?」
「ひっ!わ、わかりました!立ちます、立ちます」
慌てて立ち上がる妖璃を満足そうに見ながら幽々子も身を起こす。
「さて、妖夢も準備をしてるでしょうし行きましょうか」
「はい」
二人は、屋敷に向かって飛んでいった。
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「お帰り、幽々子」
招いていない客人が縁側で何故かお茶菓子を食べていた。
「ただいま、紫」
「幽々子様ー。紫様って今日来る予定、入ってましたっけ?」
「いいえ?」
「えっと、その場合」
少し、視線を泳がせてから妖璃は紫を見る。
「妖夢は、どうしました?」
「たぶん、そろそろ起きるわよ」
「やっぱりですかー」
どうせ、襲いかかって返り討ちにされたのだろう。簡単に予想ができた。
「あんまり、苛めないでよね。私のなんだから」
幽々子が頬を膨らませ紫に言う。
「はいはい。わかってるわ」
「本当に?」
「もちろん。それより、ほっぺが風船みたいよ?」
紫が楽しそうに幽々子に言う。
「た、ただいま帰りました」
そこに、妖夢が入ってくる。
「妖夢~。お茶ぁ~」
幽々子が妖夢に言う。
「開口一番にそれですかぁ」
あれ?デジャブ?まあ、いいや。