八雲一家
「妖夢姉。お客さんが来る」
縁側で昼寝としていた妖璃が妖夢に話し掛ける。
「え?今日、誰か来る予定有りました?」
そんな予定は、聞いていないと主である幽々子に妖夢がきく。
「ん~、なかったと思うわよ?」
此方も昼寝としている幽々子が応答する。
「じゃあ、侵入者ですね!行ってきます!」
言われた途端に嬉しそうに何処かに行ってしまう妖夢。
「んぅ?幽々子様、今日って藍様に新しい式が出来たから紹介に来るって紫様がいってませんでしたっけ?」
幽々子に妖璃が言う。
「あら?そうだったかしら」
「そうでしたよー」
「なら、止めてきてくれない」
「ぽかぽかしてて動きたくないですー」
「そうね~」
「はいー」
「はぁー(~)」
………なんとも、マイペースな御二人です。
『みょん!』ピチューン\(^o^)/
何処からか妖夢の悲鳴?が聞こえる。
クパァ
二人の近くの空間が開き目玉だらけの世界が現れた。
「幽々子、今日ってきちんと予定入れといた筈よね?」
「きゅー」
その世界から出てきた女性が妖夢を猫掴みして連れてくる。
「ごめんね~。忘れてた~」
女性にたいして詫びる幽々子。
「全くもう。しょうがないわね」
それに諦めたように首をふる女性。
「ようこそお越しくださいました。紫様、藍様、新しい式様」
姿勢をただして御客様三人を迎える妖璃。
「お邪魔します」
「お、お邪魔しますにゃ」
新たに目玉だらけの世界からモフモフした九つの狐尾の女性と猫耳に二つの尻尾の女の子が出てくる。
「紫様、一先ず妖夢姉を」
「ああ、はい」
猫掴みされていた妖夢を女性から受けとる妖璃。
「妖夢姉。起きてください」
「みょーん」
「………」
起こそうとしても起きない妖夢に妖璃は、耳元に口を寄せ、
「ボソボソ」
「みょん!?」
なにかしゃべると妖夢が跳ね起きた。
「な、なんでしって!?」
「ん?知っているから知ってるの」
跳ね起きた妖夢が妖璃に詰め寄る。
「そんなことより御客様にお茶だしてきて」
幽々子がそれを止めて妖夢にお茶を出すように言う。
「あ、はい!」
屋敷の奥にお茶を取りに行く妖夢。
「あ、これお土産です」
藍が袖から和菓子の詰め合わせを出して妖璃に渡した。
「ありがたく頂戴致します。早速頂かせて貰いましょう。ね、幽々子様」
「勿論よ!ありがとね紫」
お礼を言われた紫は、何故か"ついっ"と顔を背ける。
「にゃ?それは、藍しゃまが『紫様は、どうせ用意しないだろう』って言って用意してた筈にゃ?」
猫耳の女の子が言う。
「ち、橙!」
「にゃ!?」
慌てた様に猫耳の女の子の口を塞ぐ狐耳の女性。
「あらあら、そうだったの。なら、御礼は藍さんだけね」
「じゅ、従者がしたことなんだから主人にしてもなにもおかしくないんじゃないかしら?」
幽々子がそう言うと女性が少し、食って掛かる。
「まあまあ、皆様。丁度「お茶をお持ちしました」来ましたし、この話題は此処まで。本来の目的を果たしましょう」
お茶を持ってきた妖夢が座った所で話を修整する妖璃。
「そうね。それじゃあ、紹介するわ」
「ほら、自己紹介してみなさい」
「え、えっと新しく八雲家の住人ににゃりました橙と言いますにゃ。よ、宜しくお願いしますにゃ」
自己紹介をした猫耳の女の子。
「橙ちゃんね。私は、亡霊の西行寺 幽々子。この白玉楼の主よ」
「私は、幽々子様の護衛兼庭師の魂魄 妖夢です」
「僕は、幽々子様の遊び相手の魂魄 妖璃ですよ」
「「「宜しく(ね)((御願い致します))」」」
三人も自己紹介をして、暫く和菓子とお茶で穏やかな時間を過ごした。
八雲 紫
種族 スキマ妖怪
能力 境界を操る程度の能力
妖怪の賢者と呼ばれる幻想郷でも最上位の権力者
胡散臭い女性
目玉だらけの「スキマ」と呼ばれるものを使い何処にでも現れる
洋風の傘をよく持っている
八雲 藍
種族 九尾の狐
能力 式神を作る程度の能力
八雲 紫の式神
九尾の狐の大妖
猫が大好き
橙
種族 猫又
能力 妖力を使う程度の能力
八雲 藍の式神
猫又の妖
まだ、人化して間もないからか"な"や語尾が"にゃ"になってしまう
水に弱い?