エーピーイーエーピー3
[作者より]
私はイタリア人なので、この話にタイプミスがあったら、その理由はわかります。楽しんでください。
「おやおや、見てみろよ。」
この言葉の直後、飛行機は粉々に吹き飛んだ。 それでも、俺たちはグリッチの波の上を飛び続けていた。まだ混乱していた俺は言った。 「なあ、何が起きてるんだ? それに、俺たちの両親はどこにいるんだ?」
「死んだよ。」
その言葉は、俺の頭の中にも、キラの頭の中にも響き渡った。 案の定、キラは怒り、真実を確かめようと先へ進んだ。「ママーーー!!! パパーーー!!!」
だがキラは、そのグリッチの塊に平手打ちを食らった。
「チッ、じっとしてろよ、ガキが。」
その時、俺はすぐにキラのところへ駆け寄った。彼女は泣いていて、俺はそっと抱きしめた。そして、グリッチの塊の方を振り向きながら言った。 「いったい、お前は何者だ、クソッタレ!」
その直後、グリッチの波は途切れ、俺たちは皆、空中から落ちた。 グリッチの塊が形を変え、一人の人間の姿になった。「アハハハハッ! いいねぇ、そのリアクション!」 「ん? 俺が誰かって?」 「俺はハッカーさ! ポータルネットワークをハッキングしてる連中の一人だよ!」その声は普通じゃなかった。 まるでリバーブがかかったような、歪んだ声だった。
地面まで、あと一万メートル。 イングリッドとオスカー、そしてキラが叫んでいた。俺は冷静さを保っていた。「みんな、落ち着け!」 そう呼びかけたが、叫び声は止まらなかった。
「お前にできることは、何もない。」 そう言ったのは、あのハッカーだった。「ま、俺のことを忘れないように教えといてやるよ。 俺の名前は、ラスコペルト(Raskopert)だ。」その言葉には、冷たさがあった。
その時、あることに気づいた。 俺たちは、想像を絶するスピードで落ちていた。 着地まで、もう数秒もなかった。だが――俺たちの真下に、ポータルが突如として開いた。
「おおお、さて、お前らに何ができるかな?これは俺たちが腐らせたポータルだぜ!」と、ラスコペルトが叫んだ。
「俺は――いや、俺たちは、何だって受けて立つさ。」 俺は冷たい声でそう返した。
「それはどうかな。ステイ・ハングリー、ステイ・フーリッシュ (Stay hungry、stay foolish)。…って言葉、聞いたことあるだろ?」 とラスコペルトは言った。
そして俺たちは、ポータルの中へと吸い込まれていった。
—---【その頃、ラックス・スター基地にて/外部ナレーション】
「ふーん、うちのポータルは問題なさそうだな。」 とフィンが言った。
「まあね、でもハッキングされてないかどうか、常に警戒はしておかないと。」 とサンナが返した。
キラとニルスの家では、エラーラとラースがディスプレイを確認していた。 だが――
「ダメだ、ダメだ、ダメだ……!」 ラースは動揺していた。 「クパチーノ上空で、一体何が起きてるんだ?」
エラーラも画面を見た。「何この数値……表示には……」 読み上げようとしたが、「……全然読めない……!」
ラースは続けた。「ニルスたちが、無事だといいけど……」
—【再びナレーター:ニルス】
このポータルの中は、今までとまるで違っていた。 内部はすべてグリッチだらけだった。俺たち4人は地面に倒れていた。 これまでのポータルのように、宙に浮いているわけではなかった。俺は体を起こし、周りを見た瞬間――全員、服を着ていなかった。「な、なんだこれ……」 俺は慌てて体を隠した。他のみんなも、同じようにしていた。
すると、オスカルが言った。「たぶん、これは汚染されたポータルだからだと思う。」
イングリッドとキラは、その説明に納得していない様子だった。「そうかもしれないけど……それにしてもやりすぎじゃない?」 と、イングリッドが言った。
その後、俺は少し歩き出した……が、つまずいてしまった。目の前に、バグだらけのバーチャルディスプレイが突然現れた。 どうやら、服を選んで取り出せる仕組みらしい。 けど、こんなタイプのディスプレイは見たことがなかった。俺はすぐにキラのために服を一着選んだ。 それからオスカーとイングリッドに言った。「自分のは、自分で選んでくれ。」
2人が選び始めた頃、俺はキラに服を渡した。 彼女には、早く隠れてもらわないと。
その後、カメラ(というか視点?)の方を振り向いて――「なあ、そこの読者/視聴者さん。 お願いだから……見ないでくれよな。」
キラが言った。「お兄ちゃん…誰と話してるの?」
俺は答えた。「別に誰とも話してないよ。 ただ、この小説の読者と視聴者にちょっと注意を促してるだけだ。」
その間に、キラは服を着終えて聞いてきた。 「小説?アニメ?マンガ? 私たちって、小説とかアニメの中にいるの?」
少し息を整えてから言った。「ああ、技術的にはそうだ。俺たちは物語の中にいる。まあ、結構明らかだったけどな。」
数分後、俺たちは全員服を着ていた。 だが、その服には異常なステータスが付いていた。まず、服はターミナルコマンドで操作でき、 コンパイラを使って武器を作り出すこともできた。そのターミナルは右腕の袖口から現れた。
「お前らは武器のコンパイルを試してみろ。 俺はこの腐ったポータルの仕組みを調べてみる。」そう言いながら、俺はコマンドを入力し始めた。
その間、キラとオスカル、イングリッドは武器のコンパイルを試みていた。俺はコマンドを入力していたが、「アクセス拒否」と表示されてしまった。そこで、あることを思い出した。 別のコマンドでこの制限をバイパスできるのだ。ターミナルに打ち込んだ。
‘sysinfo - -authenticate-admin - -force-override - -query-kernel -ERR: <ACCESS DENIED>’
これは、ゲスト権限では入れないフォルダに、管理者権限で無理やりアクセスするための単純なコマンドだった。
ローカルのソースコードを見た瞬間、俺は叫んだ。「やった!できたぞ!」
ソースコードをスクロールしながら、俺は自分の目を疑った。 このハッカー攻撃は、盗版の「テクノロジーブリッツ」をベースにしていたのだ。「どういうことだ…… テクノロジーブリッツは世界で最もソースコードが厳重に守られているのに…… どうやって手に入れたんだ?」そう、俺は心の中でつぶやいた。
つまり、この非公式アップデートは、本人の同意なしにポータルに勝手にインストールされて、エクスプロイトを起動していたのだ。「ちょっと待てよ…….」 そう心の中で思った。「このエクスプロイト……世界最強のものじゃないか?」
「オスカル!こっちに来て!」 俺はオスカルに叫んだ。
「どうした、ニルス?」 オスカルは俺のディスプレイを見ながら尋ねた。
「このハッカー攻撃は、テクノロジーブリッツの海賊版に基づいていて、リモートアップデートで勝手に仕込まれたんだ!」 俺は困惑した声で言った。
オスカルは目を疑った。 「そんなはずは――」言い終わる前に、俺たちは落下し始めた。
キラは泣いていた。 「お兄ちゃん!なんでまた?」
俺はキラを強く抱きしめた。 絶対に、どんなことがあっても離さない。しかし――予想外のことが起きた。 俺だけが、小さな部屋に吸い込まれてしまった。
「お兄ちゃん!」 キラは必死に叫んだ。
「キラ!」 俺も悲しげに叫んだ。
キラ、イングリッド、オスカルは落ち続けていた。俺は一人、見知らぬ部屋で立ち止まっていた。
「ようこそ。」冷たい声が言った。
「で、今度は誰だよ?」 俺は怒りと悲しみを込めて答えた。