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82話 威圧的な二人

私はお母さんの店に着いてすぐ、客席と厨房を浄化して回る。これで掃除の手間は無くなった。食材や冷蔵庫の浄化も徹底する。前よりずっと衛生的になってお母さんが喜んでいる。私が来ている間は絶対に食中毒は出させない。


 今日のデザート、お母さんが作ってあったみつ豆に、飾り切りしたりんごと異世界大納言ゆであずきを添えてあんみつにした。


食べた女子達の目が輝いている。


息子が居なくなった事が知られていないのか、今日も女子率が高いからこの客数を維持する為にはスイーツに力入れなくちゃいけないと私が提案したのだ。お母さんはオーブンを使うスイーツは苦手らしくプリンや寒天程度しか作っていなかった。頑張ってもせいぜいプリンに砂糖をかけてバーナーで焼くぐらいだ。私がスイーツ部門を担当する事になった。結果的に買い出しを頼んだのに仕事が増えた。本来なら規則で全ての料理はこの厨房でやらなければいけないのだけれど、浄化があるから衛生上は全く問題無い。


「ねえ。」

 営業が終わり、外に出していたA型看板を片付けていると、威圧する様な目をした2人の女の子に話しかけられた。怖いんですけど。

「はい。お忘れ物でしょうか。」

「あなた先日和樹君と居るのを見かけたけど、和樹君とどういう関係?」

全く覚えがない。米糠の時か?それとも玄関先?ちょっと恐ろしい。


ファンの人?ストーカー?一体どこで見られたというのだ。まさか家の近くまで来ているのか?いきなりこんな態度で突っ込んだこと聞いてくるなんて、飲食店店員にプライバシーは無いのかな?これだから接客業は苦手なのだ。


「私は和樹の母です。」

でも母親は毅然とした態度で居ないと!

「えっっ!お母さん?!若!見えない」

「お母さんまで綺麗とかさすが。」


 相手のピリピリした空気が一気に緩む。


こういう反応をされると返答に困る。毎日見ている自分の顔だから綺麗とは思っていないのだ。特にこんな若い子に若いと言われるなんて、ナメられているのか褒められているのか分からなくて複雑な気持ちになる。この態度は多分ナメられているのだろう。


私を母親だと知ってこのタメ口、あなたたちの品位は香原さんには遠く及ばない。何を安心しているのか知らないけれど、私が息子とどういう関係であろうとあなた達と息子の関係は何も変わらないのだ。


この程度でムッとしてしまう私は接客業に向いていないなと反省して、あははーと曖昧に笑って返すと遠くで様子を伺っていた子がボソッと一言。

「彼女じゃなくて良かった〜」


それは息子がおばさん好きだという酷い言いがかりではないのかと。まあ彼女は別に居るのだし、あなた達の様な不躾な人間を息子が選ぶ事は無いだろう。その無遠慮な性格と失礼な態度を改めて出直して来るがいい。興味が無い人の顔を覚えるのはすこぶる苦手だが、目の前のこの2人の顔は要注意人物としてチェックしておく。



異世界。

 定期的に瞬間冷凍と浄化をかけ直し大量の氷とともに一晩放置したものは

聖なる魔力がこもった鶏もも肉 かなり美味しい になった。グレートファングボアやビッグジャングルフォールは非常に美味しいと表記してあったけど、かなり美味しいと非常に美味しいなら非常にの方が美味しそうではある。今度商業ギルドに確認してみるか。

 冷凍庫があればここに食材が保存できるのだけど、電気が無いから無理である。魔道具を探してみるか。


「冷やしたり凍らしたりする魔道具はありますか?」

 目の前には困った顔のエリザさん。

「この辺では大きな魔石や氷の魔石が取れないので、凍らせる程の魔道具は作れないのです。」

「という事は、他の街や国にはあるんですか?輸入する事はできないんでしょうか。魔道具なら傷む心配は無いからマジックバッグで運べますよね?」

聞けば氷の魔石や大きな魔石が取れる国では強い魔物が蔓延っており、その様な場所だと馬では移動できず、魔物に乗るか車を轢かせるしかない為テイマーが居ないと長距離の移動は難しく、その国は流通も未発達らしい。


「ちなみにどうしてその様な事を?」

「ダンジョンからの距離を考えると、古くならないのかなぁーと」

「確かに……味は落ちますが、そんなもんですよね。」

 これは魔石調達の為に川を越えるのも視野に入れた方が良いかもなあ……。

「テイマーって居るんですね。商業ギルドでも雇ったりしてるんですか?」

「商業ギルドでも雇う事はありますが、それとは別に大抵のテイマーは冒険者ギルドで登録していますね。義務では無いですが、登録しないと飼っている魔物が討伐されても文句は言えないのです。」

 冒険者になる予定は無かったんだけど、登録したら隠密なしで唯花が行動できる様になるね。ココは討伐される気はあんまりしないけど。

 


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