49話 蜂さん誘致
14日水曜日
羊肉をゲットしたので今日はお昼はジンギスカンである。
羊肉は月齢によって味が違うので全部用意した。
庭のテーブルに七輪を置き、炭に火をつけその上にジンギスカン鍋(自作)をセットする。
「ジンギスカンってヘルシーらしいね。」
夫が嬉しそうに言う。
各自トングで野菜やお肉を並べて焼けるのを待つ。
「ヘルシーじゃ無くても良いわ。俺太んない体質だもん」
その過信は中年を過ぎてからきっと後悔する事になるだろう。私も夫も二十代までは太らない体質だったのだ。
「ぎゃーもやしが隙間に落ちるー」
私達がいつも行くジンギスカンのお店は必ずもやしが入っているから定番の野菜なのだろうけれど、鉄板の穴から落ちるのは何とかならないのか。穴に結界を張りたくなるがさすがに家族の前で魔法は使えない。というか穴を塞いだら油が落ちないのではないか。
「和樹ー。山根君と旅行って言ってたけど、香原さんや増村さんは来るの?」
息子は目を逸らす。
「んー、いやぁ……来ないよ?」
何だその不自然な間は。来るのか?来るのだろうな。
「あんまりこういう事を言いたくないけど、ちゃんと相手の事を考えなさいよ。どういう選択をしても体の負担が大きいのは女なんだから。」
男は生活やお金の負担で済むけれど、女は心も体も負担が多いのだ。
「は?何言って……バッカじゃないの?」
息子は珍しく取り乱すが大事な話をしている。私は相手の事が心配なのだ。若気の至りで流されて相手を傷つける事があってはならない。
「まあ唯芽、今は勘弁してあげてくれないか。そういう話は僕がちゃんとしてあるから。」
夫が既に話をしているとは意外である。
「くれぐれも香原さんを悲しませる事はしない様にね。取り返しのつかない事だけはやめてね。」
私はもう一度釘を刺す。
「うるせーよお節介が!老婆心とか言うつもりか。そんな見た目で心は老婆かよ。婆ちゃんだってそんな事俺に言わねーわ。」
いつになく酷い暴言だ。言葉もめちゃくちゃだ。比べるなが口癖の息子が私とお母さんを比べるとはよほど言われたくなかったらしい。
だがこれは親として当たり前の言い分だ。
正しい事を言っているのだからこの件では絶対に引くわけにはいかない。
「唯芽は相変わらず真面目だね。こういう話は男親がするものだよ。」
「分かった。くれぐれもお願いね。」
しかし老婆とはさすがに酷い。親の心子知らずとはこの事だろう。
異世界に来たら拠点が様変わりしていた。具体的に言うと花畑と林ができていた……。そして農地の世話している小さい人が沢山居た。妖精?それとも精霊??
「マスター。おかえりなさい。蜂を連れてきました。精霊達の助けで花と木も移植できました。精霊達が植物やカイコの育成をしてくれるそうです!」
1日で森ができるとは、精霊の力は想像を絶する。
ふと見ると、ココがサンドバッグを蹴りながら的にウインドカッターを打っていた。
「毎日頑張ってるねぇ。」
唯花は今回もたくさんのスキルを覚えてきた。養蚕というとカイコの繭を煮沸する。人間が身勝手に育てて大人になる前に殺されて可哀想だと思うのは甘い考えだろうか。カイコの話に限った事ではないが、恩恵を受けながらも一方で批判する私こそが身勝手なのだろう。
しかし異世界のカイコの繭はかなり大きいので、羽化するときに切断されても立派な布ができるらしい。加えて私の錬金術ならば、千切れた繊維からも上質なシルクができるとか。だけど外敵が居ない環境で増えすぎる事があれば、その時はココの餌にするつもりらしい。育てた魔物を増え過ぎたからと言って聖域外に放すと周辺の環境を壊す恐れがあるとか。
今日は羊皮のなめしをした。一般的には結構強い魔物らしいのだが、意外にも皮は柔らかかった。良い革なので縫いやすそうだ。
それから、ドールの小物や服のデザインを考える。スチームパンクにも興味がある。木はいくらでもあるから、木の歯車も可愛いと思うのだが
「やっぱり金属使いたいよなぁ。でもなー素材がなぁ。」
もうちょっと儲けて材料を買いたいけれど、儲ける為には材料が要るというジレンマ。
仕方がない、必要経費だ。金属を買おう。
唯花 レベルなし
ゴーレム 製作者唯芽
特殊スキル
アイテムボックス 鑑定 浄化 念話 擬態 擬装
探索系スキル
遠見 索敵 隠密
戦闘系スキル
身体強化 暗殺
生産系スキル NEW!
解体 農業 裁縫 織布 木工 養蜂 養蚕
魔法スキルNEW!
火魔法 風魔法 水魔法 土魔法
植物魔法 精霊魔法
空き地 シロツメクサ蜂 桑カイコ
コーン芋畑 堆肥 空き地
薬草 小屋、窯、 りんごの木
麦 資材置き場 堆肥
空き地 空き地 空き地
自分が絶対正しいと思っていたのでキレられても今回は謝りませんでした。唯芽はそういう人なんです。




