37話 高杉君が見つからない
37日目 水曜日。
久々にお母さんがうちに来た。息子に会えて嬉しそうだった。最近ちょっと営業がうまくいっていないらしく、ランチ営業しようか迷っているけれど、従業員の問題があるとか。
「俺ちょうどバイト探してたんだ。夏休みの間なら俺手伝えるから、その間に求人出してみたら?」と息子。
早速来週から平日のみでランチ営業を始めることに。疲れているみたいだったからハーブティーを出した。
それから、お母さんと2人でスモークサーモン(鱒だけど)の握り寿司を作った。スモークサーモンをお裾分けしたらまた新しい料理ができたんだね!と凄く喜んでいた。
お母さんは私が料理をすると本当に嬉しそうにする。だけどスモークサーモンなんてものは、道具と材料があれば、あとは作り方を知ってるかどうかなのだ。できる様になるまで何度も何度も作れば普通に習得できる。
皆は自分が作り方を知らないものを作ると凄い凄いと言うけれど、私からすれば、知ってるかどうか、やるかやらないか、その違いでしかない。
お母さんの方が何倍も凄いのだ。料理をするだけでなく、接客も経営も全てしている。そんな凄い人が私がやる事をちょっとした事でも喜んでいつも褒めてくれる。だから私は、何でもチャレンジしたくなるのだ。
異世界。
今日もココとお散歩。お魚は難しいみたいなので狩りがしたいと敵を探している。ボア君みたいな強い敵を拘束してトドメだけをココにさせたら良いのだ。
もし私がいなくなった時のためにしっかりレベルアップさせてあげなくては。
大岩のところに転移で来た。聖域間転移なのでMPは減らない。北と東は探索したから、次は西に行こうと思う。
グレートファングボア、見つかるだろうか。気配察知には何も反応が無い。
今日は秘策がある。グレートファングボアは攻撃の予備動作がかなり長い。相手より先に見つけて拘束すれば勝ったも同然だし、もし見つかったとしても突進するまでの溜めがあるので恐らくは無傷で勝てる。
静かに、なるべく音を立てずに歩く。何か居た!と思ったら凄いスピードで気配が遠ざかっている。もしかして避けられているのか?
それからも何回か気配があったのに全部に逃げられてしまった。
「私まだレベル19なんだけどな。某ゲームなら転職もできない弱さよ?」
そう言えば職業システムはあるのだろうか。
こちらの方にそれなりに魔物がいる事は分かった!今拠点から北西のつもりなのだけれど、魔物を探すのに夢中で現在地が分からなくなってしまった。
コンパスを見ながらココと南東へ向かう。
気配察知ばかりで探していたけれど、魔物にも魔力あるから魔力感知で探せないかな。と言っても空気中にも木にも草にも微量に魔力があるから選別が難しい。練習するしかないか。
足音を立てない様にと緊張していたら体力が消耗する。
アイテムボックスからポーションと魔力ポーションを口の中に直接取り出してゴックン。
ココの分も器に入れて地面に置き、上を見るとかなり大きな栗の木だった。まだ実は取れなさそうだ。
気配察知に小さい反応があって上を見たらリス。だめだ、魔物が全く見つからない。トボトボ歩いていたら……遠くに結界が見えてきた。
南西7番穀物畑。
「思ってた場所と違う!」
走って穀物畑に到着したら、疲れたらしいココが巣に戻ったので私は小屋で、忘れないうちに今日歩いて来た道を紙に書いた。
今まで意図的に異世界の事は紙に残さない様にしてきたけれど、このままではダメだと思った。
これまでやってきた事も起こった事も、時系列順に書く。思いつく限りこれからの予定も箇条書きにした。やる事の中には家の立て直しやハチミツ採取などもあった。優先順位や期限も書き足していく。
本当に私、目の前の事ばかりですぐ忘れちゃう馬鹿だ。
書いて残して人に見つかったらと思っていたけれど、アイテムボックスに入れておけば見つかる心配は無い。
思えば最初に出会ったボア君がイレギュラーだったんだ。ここへ近付くにつれて魔物が少なくなっていって、最後にはリスだもん。神様やっぱり考えてくれてたんだね……。
これからはちゃんと毎日スキルも確認しようと思った。
名前 久我 唯芽 くが ゆめ
レベル19
レベル19
HP 564
MP 1776
力 201
体力 282
素早さ 121
器用さ 545
魔力 888
運 37
常時発動スキル
スキル習得率アップ 気配察知 夜目
任意発動スキル
アイテムボックス
鑑定 浄化 遠見 千里眼
調教 隠密 索敵
解体 錬金術 調薬 木工 服飾 料理
建築 彫金 宝石加工 魔道具作成 地図作成
文書作成
身体強化 魔力感知 魔力操作 素材操作
土魔法 水魔法 火魔法 風魔法 氷魔法
雷魔法 無魔法
光魔法 闇魔法 治癒魔法 結界魔法 転移魔法
付与魔法 植物魔法 神聖魔法 空間魔法
テイム
ちょいちょいある違和感はわざとです。ご容赦下さい。徐々に明らかになっていきますので気長にお待ちください。




