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30話 米糠

木曜日 曇り

 一通りの家事をしてから、インターネットで調べ物。

自分でできる小屋の建て方。今はこういう本があるのだなあ。

 昼からは徒歩でお出かけをする。わざわざお金を出して餌用の米糠を買わなくても、近くのコイン精米所で米糠がもらえると知ったのだ。

 

 徒歩で精米所の裏手のヌカハウスへ。自転車を使うより徒歩の方が早いと気付いたのだ。防犯カメラがあるし他の人の事も考えて根こそぎ収納はしない。備え付けのチリトリで持って来た米袋に入れるフリをして不自然でない程度にアイテムボックスに入れ、最後に紙製の30キロ米袋2袋いっぱいに入れて口を巻いて紐でしっかり結び、右肩に担いだ。

 精米所は結構開けた場所にあって、防犯カメラはもちろん車通りもある為なかなか収納するチャンスが無い。良い場所ないかなーとキョロキョロしながら歩いていると、ばったり息子と出会した。

「ちょ、何その大荷物!米?」

「いや米糠。ガーデニング用。」

私はいつも通りさらりと嘘をつく。

全く重くないので気にも留めていなかったけれど、考えてみたら30キロ米袋いっぱいに入った糠を二袋も肩に担いで歩いていたらそりゃあびっくりするだろう。男の人が担いでいたとしても二度見すると思う。うっかりしていた。

「原付に積むから一つ貸して…うお!重っ」

そ、それでも米よりは軽いのだけれど。


「面倒かけてごめんね。」

「いちいち謝んな。これ玄関に置いていい?」

そうだった。息子は謝罪よりお礼を好む。

「うん。お願いするね。ありがとう。」

「おう。まかせろ。」

 

息子が1袋を原付の足元に積んで運んでくれた。見られてしまったので完全に収納するタイミングを失った。

 

「えぇ!歩くの早っ!超人か!」

 しばらくして息子が糠を一旦家に置いて戻って来てくれた。まあ否定はしない。実際超人なんで。もちろん悪魔じゃなくて正義の方のね。

 とは言えこれでも普通に歩いて来たんだけれど、思ったより私の身体能力は人間離れしてきた様だ。これからは気をつけないと。


「来てくれたんだ。ありがとうね。」

「こんなのよく二つも担いだよな。何なのその馬鹿力。信じられないんだけど。」

 息子はぶつくさ言いながらもう一袋の糠を原付に積んだ。

「本当に無茶すんなよな!腰やったら大変だろ?今度からこういう時は俺が帰るまで待てよ!絶対だからな!」

とプリプリ怒りながら帰って行った。

息子が怒るのは私を心配してくれているのだという事が最近分かってきた。


男っぷりが上がったな息子よ。


 人が居て全力で走れなかったので思ったより帰るのが遅くなったけれど、家に入った途端雨が降りだした。

 運37って思ったより良いのかも知れないね。



さて異世界。

 ココは広い拠点で放し飼い。食べて良いものとダメなものは教えたから守ってはくれているのだが、この拠点、虫が居ないのでタンパク質が足りない。私が嫌だと思ったものは拠点に入れない様だ。ココは私が連れてきたから入れたのだ。結界の土を食べてるのを見つけてびっくりした。

 ミミズなども居ないからそれで農業できているのが謎だけれど、聖域の謎パワーなのかも知れない。

 

虫探しの為にココを連れて外に出たいので、今日は装備を整えようと思う。

まず、魔石は細かくしない方が良いみたいなので素材変化で形だけ変える事に。

 グレートファングボアの牙を芯にして、親鶏の魔石でクリアバングルにして物理、魔法耐性付与し、足に付けた。

 大きくなったら作り直さないといけないが、今はこれでオッケーにしよう。

 

ビッグジャングルフォールのクリアバングル

 物理、魔法防御力を上げる

 

 早速親鶏が巣を作っていたところに来た。巣を作るという事は環境が整っているんだと思うのでここを選んだ。

 ココはしばらく大人しく土をつついて虫を食べていたのだけれど、急に何かに気付いた様に走り出したのでついていく。

 なんとばかでかい蜂の巣があった……。

 

「いや、あれはダメ。飛んでるし数が多いから無理。刺されたら困るでしょ」

 本当にでかい。スズメバチ級にでかいけど形がミツバチに見える。蜜を取るなら防護服が欲しいところだ。

 何かあったら困るので、今日のところはココを捕獲して抱いて帰った。

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