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27話 「分かった。そうする」毛根危機一髪!

今日は日曜日。夫はゴルフに行った。

2日連続で遊びに行くのに、今日の夫は物凄く嫌そうだった。

「今回はちょっと断りきれなくてね」

いつもは残業も出張も断っているのだが、今回は大切な得意先の人に夫が個人的に気に入られてしまい、断れなかったらしい。

上司の人に一度だけと頼みこまれたとか。

一体何故上司が夫に頭を下げるのだろうか。すこぶる謎である。


休みの日に会社の上司や得意先の人と接待ゴルフなんて、インドアの夫にしてみたら嫌だろうというのは分かる。お金を払って仕事に行くようなものか。しかも自分の車で迎えに行かなくてはいけないそうだ。現地集合ではないのは、終わった後でビールを飲むからだ。今日は夫の帰りは遅い。


今日は以前のパート先で一緒だった子、高橋初《たかはしうい》ちゃんに連絡した。なんとフリマアプリのお客さんである。住所と名前を見て初ちゃんだと確信し、すぐにメッセージを送ったら折り返し電話をくれた。

「久しぶりー!唯芽さん元気だったー?!唯芽さんがドール服作り始めたなんて意外だよー!あの時全く興味なさそうだったもん」

興味が無かった訳ではない。欲しくならないように自制して情報を遮断したのだ。やばそうなものは遠ざけるに限る。


初ちゃんとはそんなに仲良しではなかった。でも久々に話せて嬉しいと本当に嬉しそうな声で言った。若いのによく出来た子だとは思う。言葉の裏で違う事を考えている人間が多いのは知っている。社交辞令を本気にしている訳ではない。一番近くに居る夫がその良い例だ。


だが夫は極力嘘はつかない。美味しくないご飯には味以外の事を褒める。具体的コメントが出るのは感動の証。彼は言葉のバリエーションが非常に多い。私もあんな頭の良い人になりたい。目標は遠すぎる。


「唯芽さん、ドールイベントに一緒に行かない?」

「いや……日曜は、夫がいつも家にいるのだ……」

「のだ?……」

「あ。いや」

しまった。口調が乱れてしまった。

「あ、そっか。理解ない系か」

「理解がないわけじゃないのだけれども」


私は肝心のドールを持っていない。お金が貯まったらお迎えを考えても良い気はするけれど、私の性格からしてハマると出費がとても怖い。二度と戻って来られない気がする。

「じゃあ明日」

初ちゃんと会う約束をして久々の長電話を切った。


シャワーを浴びていると玄関の音がした。

お風呂スイッチを押してキッチンへ戻る。


「おかえり。お風呂今入れてるの。待ってね」

「ただいま。唯芽。だし巻きいただいてるよ。ありがとうね」

夫は運転手だったのがよほどストレスだったのかも。浅漬けとだし巻き卵でビール飲んでいた。そうだと思って油性ペンで「おつまみ 律樹さん」と書いたマスキングテープを貼って冷蔵庫に作って入れてあったんだ。

皆私の物は触らないけど、こうして書くと好きなときに食べてくれる。


「今日は誰かと会ったのかい?」

「会ってないよ。電話したの。昔の仕事の人で、高橋さん。女の人だよ」

「唯芽、何も疑ってないよ。久しぶりの電話は楽しかったかい?」

「むー。楽しかった、のかなあ?社交辞令言われちゃった」

「そうかい。あまり友達の事を深読みしてはいけないよ?」

「いけないの?ごめんなさい」

友達?初ちゃんは昔の同僚って分類だよ?お仕事辞めたから友達に変更になったのかな。

「あやまらないでおくれ。警戒するのも大事だからね。その匙加減は君には難しいか」


夫は少し考えてから言った。


「セールスやセミナーなんかの誘いは一旦答えは保留にして、僕か和樹に確認してくれるかい?君はお金の計算が苦手だし、セミナーは君の嫌いな人混みだからね。苦手な事は人を頼るんだ。いいね」

セールスは前にも言われたし、セミナー?は新しいルールだね。うん、覚えた。

「分かった。そうする」

夫は私の髪をふんわり撫でた。

「やっぱり家が一番だ。美味しいよ。唯芽」

私は嬉しくってにっこり笑顔した。


——

さて、異世界。魔石を使い切ってしまったので取りに行きたい。その為には攻撃手段が必要だけど、使い慣れたチェーンソーは血が出るから嫌だ。窒息戦法は相手が動いていると無理だ。

火は燃えると素材がめちゃくちゃになるし火事が心配だ。


なので雷を覚えたい。危ないのでバングルは収納した。

持ってきたのは下敷きである。

これで頭をごしごし。髪の毛が逆立つ。

「静電気起きろ静電気〜」

バチッ!!!


「ぐあ!!ってぇー。うわ!HP減ってる!治癒治癒!毛根は無事か?!」


ちょっとしたアクシデントはあったものの、何とか雷魔法を習得した。


名前:久我唯芽《くがゆめ》

レベル16

レベル16

HP 402

MP 1462

力 160

体力 201

素早さ 90

器用さ 479

魔力 731

運34

常時発動スキル

スキル習得率アップ 気配察知 夜目

任意発動スキル

アイテムボックス

鑑定 浄化 遠見 千里眼

解体 錬金術 調薬 木工 服飾 料理

建築 彫金 宝石加工 魔道具作成

身体強化 魔力感知 魔力操作 素材操作

土魔法 水魔法 火魔法 風魔法 氷魔法

雷魔法 無魔法

光魔法 闇魔法 治癒魔法 結界魔法 転移魔法

付与魔法 植物魔法 神聖魔法 空間魔法

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