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111話 川田家にご挨拶

 川田さん家に初ちゃんとやってきた。上がる様に言ってくれたけれど初ちゃんが初対面なので遠慮して玄関先で用件だけ済ませる。


「この度新しい店をやる事になりましてご挨拶に伺いました。」

と石鹸と商品の見本の写真を渡す。まだチラシも名刺もできていないのだ。だけど初ちゃんが早く繋いでほしいと言うので連れて来た。


「あらあら可愛らしいお人形さんね。」

綾子さんがおっとりと笑う。

「はは。お人形はスイートドールと言って別の会社の商品ですが、私達の店はこの人形が着ている服やアクセサリーを作って販売します。」


 美春さんが石鹸をめっちゃ見てる。美春さんが初期の動画を知っていたからドール趣味だと最初は予想していたのだけれど食いついたのはやはり石鹸だ。

「それとこれ、いつものです。こっちはお裾分け。」


 私が化粧水と経木に包んだ熊肉の薄切りを渡すと綾子さんの手が塞がっていたので美春さんが受け取る。

「あ、ありがとうございます。」

「これ、自家製なんで顔につける目的で売る事はできないんですが、スチーマーに入れる香り付きのものを雑貨として販売しようか検討しているんですよ。」

初ちゃんの言葉にくわっと美春さんの目が見開く。いや怖い。

「美春さんもフェイシャルエステ開業したら是非教えてくださいね。」


 私達は笑顔で川田宅をお暇する。

物凄く綺麗に計画通り会話が進んだ。

私など何度シミュレーションしても会話がその通りに進んだ事は一度も無いのだ。

初ちゃんは策士である。


 こんなに策士なのに初ちゃんはやっぱり夫には完敗だったらしい。あの日もは私と初ちゃんが何か始めるつもりで話を通しに来たのは最初から気付いていたらしいと聞いたそうだ。


 おそらくドール服の関係だろうとは思っていたとか。考えてみたら、動画が知られてるならそこに繋がるのは当たり前だと思う。最初から会話のペースが早かったのは、一番最初に、回りくどい事はやめて息子に邪魔される前に本題を話しましょうかと夫から持ちかけられたそうだ。それなのに速攻で息子が現れて相当焦ったらしい。


「ごめんねー。錬金術でコーヒー入れちゃった。」

「ううん。私唯芽さんの本音聞けて超嬉しかったの。根性で持ち堪えたけど、あれ聞いて感動でほんとに泣きそうだったよ。」


 初ちゃんは意外に涙もろい。そしてあの泣きは破壊力あるよね。もし初ちゃんの号泣見たらあまりのギャップで息子も一発で信用すると思う。

「泣き落としはアホの子みたいで嫌いなのー。」

意外。目的の為には手段選ばないタイプだと思ってたよ。


 

異世界。

 バローマの家にて、ウエディングベールの制作動画の一部を撮った。気合いの総レースである。ウエディングドレスのレース部分も編んだ。後でドレスの制作動画と合わせて編集するつもりである。ミシンが家に置いてあるからだ。


 今日撮った部分は予告編としてショート動画にして先にチラ見せする。ウエディングドレスとタキシードは開店の時に出す新作なので、ちょこちょこショート動画で進捗を小出しにしていく。

 この時ラナが見学に来ていたんだけれど、見た事が無いであろうスマホで撮っているにも関わらず、レースを編む手元だけを一言も喋らず真剣に見ていた。実際は編集するし、音楽と字幕を入れるので普通に喋っても手を止めても大丈夫なんだけれど。ラナの集中力が凄すぎて、私もラナが居ることを忘れて作業していた。

この子は成長が楽しみだ。立派な職人になっておくれ。

 

収録が終わってから、魔法だけで空中でハーブティーを作る様子を見せてあげた。喜んで飲んでいた。今度ポーションも目の前で作ってあげよう。


 余った時間でお母さんや初ちゃんに渡す冷蔵機能付きのマジック収納カードを4個作った。ラナは何をやっているか全く分からないだろうけど「内緒ね」と口止めした。

 こういうのを色々見る機会がある方が感性が育ちやすいと思うからこれからも何でも見せていく。


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