表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
案山子の空  作者: XLT-ゾレト-
終章 七つの会議
5/5

第五条 卍解

「門倉翼の絵が一番上手くね?」

 チンポウの切り出しに、案山子は

「堀越耕平は?」

「幼稚。口デカすぎ。てか長田悠幸の画法モロパクリじゃん」

「芥見下々は?」

「粗い。言うほどオリジナリティがない。鼻が潰れて蛙みたいになってる」

「鳥山明は?」

「幼稚。メカが上手いだけ。悟空をムキムキにしてからアンバランス」

「尾田栄一郎は?」

「幼稚。色彩センスが良いだけ」

「荒木飛呂彦は?」

「気持ち悪い。アニメ化で受けただけ」

「小畑健は?」

「魚顔になりやすい。デスノートがピーク」

「久保帯人は?」

 この案山子の質問で、少し空気が変わる。

「そう、この議論でネックになるのは、久保帯人の存在。久保帯人はセンスあるしキャラも豊富。背景が白いのも週刊連載という観点ではマイナスに成り得ない」

「つまり、久保帯人さんは門倉翼より上なんですか?」

「いや、そう簡単には言えないさ。ただ、絵の上手さで見比べるなら、門倉翼の対抗馬は久保帯人だろう」

「つまり、同種の上手さを持っていると?」

「まあ、そうだな。門倉翼はそこまでキャラが豊富ではない。しかし、久保帯人ほどのっぺりしていないというか、トーンなども多用し見やすくなっている。文字の配置なども門倉のが上手いかもな」

「成る程」

 チンポウの答えに、案山子は考え込む。一長一短と言ってしまえば簡単だが、それは思考放棄とも取れる。物事には全て理由があるのだから、それを引き出さないと真理へ到達できない。

「門倉一位、久保二位で良いかもな。成長性や原作力などから見ても、門倉の方に軍配が上がるだろう。ブリーチは凄かったが、それっきりだったからな久保は」

「成る程、確かにそうですね」

「門倉の絵は下手と思われがちだが、それは描きやすいからだ。というより、門倉が描きやすいように最適化している。そうした方が漫画家として長生きできるからな。それは久保の描き方にも同様に言える。無駄の省き方、最適化の仕方がこの二人は似ているんだ」

「描きやすいイコール下手ではないですよね、勘違いしがちですが」

「ああ、特に漫画になるとやたら手間が掛かるため、労力を削ぐという考え方は至極真っ当なんだ。鳥山明や冨樫義博もよくやるだろう」

「冨樫義博は?」

「トーン使わない。線がぐちゃぐちゃしていて読みづらい、かな」

「やはり門倉一位、久保二位ですね」

「ああ、絵に限って言うとな」

 漫画の絵など話を進めるに支障がないレベルなら合格だ。描いている内にいくらでも上手くなれるのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ