第四話 浪瀬智也の過去話1
「父ちゃん、ゴキブリがぁぁ!!」
「お前なあ、男やねんからそんぐらいでぴーぴー言ってたらあかんぞ?たまには自分でどうにかしてみろよ。」
「う、うん分かったよ・・・。」
バン
(うっ、気持ち悪いよ)
俺は昔から生き物を殺すのがとても嫌いだった。あの手に残る感触がもう無理なのだ。
「死んじゃった・・・。」
「邪魔やから、そのゴキブリの死骸捨てといてな」
「え、僕が!?気持ち悪くて無理だよ。」
「俺みたいな凄い殺し屋になるんだろ?」
「な、なる!」
「その意気だ」
「す、スキル、したいしょうめつ!!!」
智也の下に落ちてるゴキブリの周りに青い光が集まって、ゴキブリの死骸が消える。
「!?」
父親の顔を見るととても驚いた表情をしていた。
「父ちゃん、どうしたの??」
「い、いやお前・・・。今何をしたんだ!?」
「え、えーと、ゴキブリ消えろ~って祈りながら、ぼーんってしただけだよ?」
「智也お前、まさかスキルが使えるんか!?いや、でもそれが本当だとしたら凄い事だぞ!?」
「スキルってなーに?」
「智也、さっき『スキル』って言っただろ?それが多分・・・。それより智也、絶対他の人には言ったら駄目だぞ!!分かったな!」
「?うん、分かったー!誰にも言わないー。」
「良い子だ。ちょっと色々聞きたいんやけど・・・。」
「なにー?良いよ!」
そしてかれこれ父親(浪瀬漸)と1時間は話した。
スキルが使えるのか!?いつからだ!他には・・・。と質問攻めをされてとても疲れた記憶がある。
待てよ、待てよ・・・。まさかうちの息子がスキルを使えるなんて。ただの都市伝説的なものかと思っていたが。まとめると、智也の能力は情報操作、死体消滅(人間以外の動物にも効果あり、身体能力強化の三つということか。情報操作と死体消滅は半年に一回しか使えないが、身体能力強化は無制限に使える・・・。1億人に1人くらいしか居ないという噂があった。そもそもスキル持ちの人間っていうのがレアだが、智也は三つ持ち??これは前代未聞なんじゃないか?とりあえず智也には悪いけど、口止めしてもらうしかない。半年に一回しか使えない二つのスキルと無制限で使える身体能力強化を上手い事使えたら、俺なんてすぐ超えられるくらいの伝説の殺し屋になれるだろう。智也の能力はあまりにも強すぎる。殺し屋になるために生まれてきたみたいな・・・。
「智也、大事な話あるからこっち来い」
「大事な話?」
「そうだ。お前将来何になりたいんだ?」
「もちろん父ちゃんみたいな凄い殺し屋!!」
「お前、本当にそれでいいんか?」
「うん!かっこいいもん!!」
「でもゴキブリすら殺すのにためらってるようじゃいつまでたっても無理だぞ?」
「絶対僕もかっこいい殺し屋になるもん!!」
「そうか・・・。智也、お前のそのスキルがあれば叶うかもしれないぞ」
「本当!?僕、頑張る!!」
「智也の能力はめちゃくちゃ強いんだ。だから、間違った使い方は絶対にするなよ。この先間違った使い方はしないって約束するか?」
(殺しをする為に使わせるのは間違った使い方ではないのか?でも、せめて・・・。)
「するー!!絶対しないよ」
「分かった。今から、殺し屋になる覚悟があるなら付いてこい。」
俺が、普通の親だったら殺し屋なんかさせないんだろうな・・・。でも俺は俺なりに智也を育てるって決めた。待ってろ、XX。




