第三話
バタンッ
お、終わった・・・???俺は・・・井尾を殺した。落ち着け俺。俺は浪瀬智也、殺し屋や。取り乱したりしたら殺し屋失格や。脈は・・・無しや。依頼人に連絡するか。
「もしもし、浪瀬智也です。ただいま伊達井尾を殺しました。」
「ほんとか!?あ、一応念の為、死亡を確認させてくれ!」
「えっと、川島さんがここに来られるのですか?」
「いや、そっちに医者を送らせる。場所を送ってくれ」
「は、はい」
「ちゃんと死亡を確認させて貰った。本当にありがとう!!これで無念が晴れたよ。これが、約束していた100万円だ」
「すみません遅くなってしまい・・・。」
「大丈夫だ。それより殺した人の死体はいつもどうしてるんだ?」
「すみません、秘密です。」
「ああ、すまないな。では、智也君お元気で。」
「ありがとうございます!!」
はあ、今回はどっと疲れた。あとは井尾の死体を片付けて、井尾が死んだってことを無かったことにするだけや。
「スキル、情報操作!!」
井尾の周りに青い光が集まっていく。これが智也の能力、情報操作だ。
本来、一般人は能力を持たない。しかし、稀に能力を持った子供が産まれる。1億人に1人も居るか、居ないかくらいである。両親が何らかの能力を持っている場合、子供が能力を持って産まれてくる可能性は一般人と比べて極めて高い。智也は後天的に能力が3つも身に付いたことが5歳の時に発覚した。本来なら智也はレア中のレアで、重宝されるはずだった。しかし、父親が殺し屋であり、智也の能力が殺し屋向きだったので智也は殺し屋にさせられ、父親に能力の事は誰にも口外するなと言われている。
<智也の能力:情報操作、死体消滅、身体能力強化>
しかし、一つだけ欠点がある。身体能力強化以外のスキルは半年に一回しか使えないことだ。使い道を誤ると、殺しの仕事に影響が出てしまう。
次は死体消滅か・・・。
「特別スキル、死体消滅!!」
あれ、消えへん?動物にすら効くのに。
「特別スキル、死体消滅!!」
やっぱ消えへんな、普通ならすぐ・・・。
「智也!!!お前、なんで、なんでや!!」
「は!?」
な、なんでこいつ生きてるんや!!生きてるどころか無傷!?さっきちゃんと死んだの確認したのに!?
とっさに智也は銃を構える。
「お前、今まで俺を!!」
「井尾!!なんで、なんでお前生きてんねん!さ、さっき殺したはずやろ!!!」
「お前、銃を捨てろよ!!」
「質問に答えてからや、井尾。なんで生きてるんや!!」
「その物騒な物今すぐおろせ、智也!」
「答えるまでおろさん!」
「本当は言ったらあかんけど、答えたるわ・・・。」
「信じられんかもしれんけどなぁ、俺は、スキル持ちや!!テレビとかで聞いたことあるやろ?」
「い、井尾がスキル持ち!?なんの・・・・」
まじかよ!!井尾がスキル持ちやなんて・・・。そんな事ありえるんか!?日本に俺一人じゃ。
「俺のスキルは自己再生や!お前が死んだと思ったんは、俺が仮死状態やったからや!」
「は?そんなん、チートやん!俺、勝ち目ないわ・・・。」
「俺、智也の質問答えたやろ、俺の質問にも答えろ。」
「どうせ俺に勝ち目ないんやったらいいよ・・・。」
「お前は、殺し屋か?俺を殺すために雫高校に転校してきたんか。」
いつの間にか智也は銃をおろしていた。井尾の声は心なしか震えている。
「俺は、殺し屋や。お前を殺すために雫高校に転校してきた・・・。」
「なんで殺し屋なんかになったんや、智也。」
「それは・・・」
智也は何故殺し屋になったのかを思い返す。
「それは、5歳の時・・・。」




