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蠱毒姫は補充する

前話より長くなってしまいました。時間のある時にゆっくり楽しんでもらえると幸いです。

 緋色の鱗亭という冒険者の店は、港町ルイアにある中で最も人の多い冒険者の店であった。そしてその店から最後の客が出て行ったあとには、死体だけが残されていた。一滴の血も漏らさないその死体たちは、鳩尾へ打撃痕を除けば一切の外傷も毒物の痕跡もない、一見気絶しているだけのような死体だった。

 その中ので一人の死体だけ、首筋に小さな傷のある枯れ果てたような女性の死体があった。

 

 緋色の鱗亭を後にしたヘレーネと名乗る女は、小脇に抱えていた外套で全身を覆い、次の目的地へと向かい始めた。

 港町ルイアは、この周辺で唯一広い砂浜を持つ町であり、水揚げされる海産物取引と観光によってにぎわう町であった。当然、日が沈んだからと言って、小さな村のように静まり返ることはない。ザワザワという人のたてる音を聞きながら、女は歩き続ける。


 彼女にとって、次の目的地まで誰にも見つからずに高速で移動することは、まったく難しいことではないが、あえて彼女は人間と同じように、同じ速度で歩いてく。この町の人の多さ、つまりは自身が確保できる被験体の数の多さを実感し、喜ばしい気持ちになれる。彼女はそれだけのために、ゆっくりと次の目的地へ向かっていった。

 

 

 

 二つ目の冒険者の店に着きました。ちょっとゆっくり来すぎたがもしれませんが、これから急げば問題ないでしょう。

 (わたくし)は外套を着たままお店の中に入っていきます。

 

 お店の中の内装は先ほどのお店と大した違いはありません。レンガの壁、高めの天井と(はり)に釣り下がる燭台……違いはテーブル席やカウンター席の数くらいでしょうか。しかし雰囲気は全然違いますわね。落ち着いたお客さんが好みそうな静かなお店ですわ。

 先ほどのお店と違って、こちらは騒がしくありません。私はこちらのお店のほうが好みですわ。まぁ、これから壊してしまうのですけど。

 

 私のような、外套を着た冒険者も多いようですから、私が店に入ってきても誰も気に留めていません。カウンター席では、店主の方と冒険者の方が何やらお話ししていますね。依頼の斡旋でしょうか? 


 私はお店の中央まで歩いていくと、半透明の球体を足元から四方へと転がします。もちろんその球体は私のお薬です。

 

 私の行動を不審に思われた冒険者の方がこちらを見ていますが気にしません。遊ぶのは最初に制圧する冒険者の店だけと決めておりますので。

 

 私は鼻と口元を外套で覆って、ただ待つのです。私が転がした半透明な球体から、お薬が散布されるのを、ただ待つだけでよいのです。

 

 あらあら、その球体が不思議なのはわかるのですが、不用意に手で持ったりしたら……ああ、そんなに振ったりしてはいけません。おやめになってください。

 と、心の中で思うだけにしておきましょう……うふふ

 

 

 

 女が店の中で転がした球体は、強い衝撃を与えれば破裂し、中の毒液を周囲にぶちまける代物であったが、女の持つ特殊な容器から出た時点で、少しずつ中の毒液を気化させ、周囲の空気を汚染していた。

 

 最初に倒れたのは、その球体を拾って、のぞき込んだり振ってみたりしていた若い冒険者だった。なぜ倒れたのかは、店の真ん中に立つ女以外は誰もわからなかった。そして次の瞬間、店にいた冒険者はその女を危険と判断し、座っていた椅子から立ち上がり……そのまま崩れ落ちた。直前まで異変を感じてはいなかったが、数秒前からその気化した毒は、店の中央に立つ女以外を侵し尽くしていた。

 

 店の中の人間が全員倒れこんだのを確認すると、女は最初の店と同じように、燭台の火をすべて消して店を出ると、扉の開店を示す掛札をひっくり返し、次の目的地へと向かっていった。

 

 

 

 

 ふぅ、この町は門の数が少ないから楽だと思ったのですけど、人が多いぶん冒険者の店が多いですわね。8つもあるんですもの。すべて制圧するのに少し時間がかかってしまいましたわ。

 

 ヘレーネは、この町最後の冒険者の店を出ながらそう思った。けれど面倒な作業はこれでほぼ終わったといえる。

 すべての門を閉鎖し、各詰所の兵士を人形にし、冒険者の店すべてを制圧した今、彼女に対抗できる戦力はかなり減ってしまっていた。

 

 「夜明けまではそう長くありませんわね」

 

 ヘレーネはそうつぶやくと、すでに制圧した、北、西、南の門へと向かっていく。門番と詰所にいる人形たちに、次なる命令をするため、町の中央にある兵士の駐屯地を制圧する準備をするためである。彼女は、駐屯地の制圧はこの町での最後の遊びになると考えていた。

 

 

 

 

 港町ルイアの駐屯地、それは街の中央より少し西よりの地点にあり、兵士たちの本拠地と言える場所である。門番や町の警備などで、兵士のうちの約半数は駐屯地にいないが、それでも30人近い兵士と、彼らの下で働く従業員たちが常に仕事をしていた。

 

 そして、兵士たちをまとめ上げる上官もこの駐屯地にいる。ジェイドという五十路のこの男は、彼の部下たちから厚い信頼を得る傑物(けつぶつ)である。兵士としての実力と兵士たちの教育技術に優れたジェイドは、苦手ながらも上官という立場上、常に付きまとう書類という難敵との格闘に無事勝利を収め、かなり遅い時間から睡眠をとるところだった。

 

 「こんばんわ」

 

 背後から聞きなれない声を聴いて、彼は振り返る。

 離れにある兵舎に向かう渡り廊下には、あざやかな赤紫の髪と赤い瞳を持つ女が立っていた。兵士の駐屯地に、さも当然と言わんばかりに立つ美女は、あまりにも場違いである。

 

 「なんだ貴様? こんな時間に女が一人で来る場所ではない。何者だ」

 

 ジェイドは先ほどまで感じていた眠気を無理やり意識の外に追いやり、目の前の美女に集中する。

 赤紫の髪という、目の前の女の特徴に覚えがあった。

 

 「私はヘレーネ・オストワルト。皆さんには、この町の人全員を私の被験体にするお手伝いをしていただきたく、お願いに参りました」

 

 「……蠱毒姫ッ」

 

 ジェイドは目の前の女が、蠱毒姫と呼ばれる凶悪なヴァンパイアであると確信した。

 

 ”毒々しい赤紫の髪に、ところどころ変色した醜い肌のヴァンパイア”とのうわさだったが、全然違うではないか。所詮噂はうわさか。

 

 ジェイドは腰に下げてあった剣を引き抜き、胸に下げていたホイッスルを全力で鳴らす。

 緊急の要件の際鳴らすホイッスルの音は甲高く、駐屯地の外まで響き渡った。

 

 「ヘレーネ、だったな。悪いが兵士を呼ばせてもらった。貴様は遭遇すれば殺すよう伝えられている。ここで仕留めさせてもらおう」

 

 ジェイドはヘレーネに、不敵な笑みと死の覚悟を秘めた視線を向けたが、ヘレーネはにっこりと笑顔を浮かべた。

 

 「それは困りました。ヴァンパイアの中で私はかなり弱いほうですから、たくさんの兵士さんに囲まれてしまっては怖くて震えてしまいそうです」

 

 絶対そんなこと思ってないだろとジェイドは思ったが、あえてその嘘に乗る。

 

 「じゃあ逃げたらどうだ? 俺一人が相手なら逃げるのは簡単だろう?」

 

 正直逃げてほしい、ジェイドはそう思った。蠱毒姫を自分一人で倒せるとは思っていない。部下がいても勝算はかなり低い。仮に倒せても、たくさんの兵士が死ぬだろう。自分だって死ぬかもしれない。

 しかしジェイドは、自分が逃げるという選択肢は持たなかった。逃げてどうにかなる相手ではない。そう確信していた。

 

 「いえいえ、私は弱いヴァンパイアですから、部下の兵士さんを立派に育て上げるようなお方から、逃げおおせることなどできませんわ。ところで、お願いのほうは聞いていただけますの?」

 

 「断る」

 

 ジェイドは即答する。

 その答えを聞いたヘレーネの笑みが深くなる。しかし、駐屯地にいる約30名の兵士が、ジェイドの下に集まるのもほぼ同時だった。

 

 「蠱毒姫が現れた。目の前のあれだ。マルコス、ゴドフリー、エジンは至急サイローン、ピュラ、グイドの町に救援要請! 詰所にいる連中に住民の避難をするよう伝えろ、早馬を借りて最速で行け!」

 

 蠱毒姫が目の前にいることに、集まった兵士たちは一切ひるむことがなかった。名前を呼ばれた3人の兵士は、即座に行動を開始した。駐屯地の出口に向かうのではなく、駐屯地の塀をほとんど時間をかけずによじ登り、各門へと走り抜ける。

 ジェイドの指示と3人の部下の離脱を、ヘレーネは笑顔のまま見守っていた。

 

 「さて、貧乏くじを引いたお前らには悪いが、俺と一緒に吸血鬼狩りをしてもらう。律儀にこちらの準備を待ってくれるお優しいヴァンパイアだが、油断するなよ」

 

 「「「へ~い」」」

 

 一斉にまったく気の抜けた返事をする兵士たちだが、即座に抜剣(ばっけん)し油断なく構える姿は、ジェイドの考える勝算を高めていた。

 

 「女性一人にそんな大人数で襲い掛かるなんて、兵士の皆さんはやはり恐ろしいですわ」

 

 ヘレーネはどこからともなくアトマイザー(香水吹き)を取り出し、左手にもつ。

 楽しそうな声とにっこり微笑んだ顔は、まったく怖がっているようには見えない。実際こわがっていないのだから当然である。

 

 「いくぞ!」

 

 ジェイドの一声で、兵士たちは一斉に攻撃を開始した。

 

 

 

 

 

 「あははは、痛いですわ。やめてくださいまし。ひどいじゃありませんか! あははは」

 

 とっても楽しいですわ。

 私は今、港町ルイアにある兵士さんたちの駐屯地、その渡り廊下でたくさんの兵士さんたちに囲まれています。30人くらいいらっしゃいますわね。

 

 私一人に対して、30人全員が同時に攻撃できるわけではありません。私の周囲を囲うことができても、一緒に攻撃できるのはせいぜい4人から5人。私は全方位からくる剣を、その場でくるくると躱しているところです。

 残念なことに私は戦闘技術をほぼ使えませんしセンスもありません。なので、いかにヴァンパイアの肉体能力が高くとも避けられないことがままあるのです。そのたびに私は服ごとお肌を切り裂かれて”痛い痛い”と悲鳴を上げます。傷はすぐに再生しますが、痛みがないわけではありません。ですがこの後のことを考えると、愉しくてつい笑ってしまいますわ。

 

 「ああ! やめてくださいまし、すごく痛いのです」

 

 また切られてしまいました。兵士の皆さんは、とっても必死な表情をしていらっしゃいます。これだけ一方的に攻撃しているのに、まるで何かを恐れているようですわ。そんなになってしまっては、焦りが生まれてしまいますわよ? ……ほら

 

 シュッ

 

 力みすぎて一瞬攻撃が遅れた方がいらっしゃいましたから、シトリンを吹きかけさせていただきました。両隣の兵士さんも吸い込んでしまったのですね。3人の兵士さんが倒れこんでしまいました。これで隙間ができますから、攻撃を躱すのが少し簡単になりますわね。

 

 「ほらほら、早く倒れた方をどかして差し上げてくださいな。間違えて踏んでしまいそうです」

 

 ああ、本当に楽しみですわね。この後のことを考えるとお顔が緩んでしまいます。

 あら、上官の方が倒れた3人のスペースに入るのですか? あなたにはシトリンを使うつもりはありませんから、最後まで立っていていただきましょうか。

 

 ああ、また切られてしまいました。上官の方が来たことで士気が上がったのでしょうか? おっと、悲鳴をあげないと。

 

 「痛いですわ。こんなにたくさん切られてしまったら、私倒されてしまいそうです。うふふふふ」

 

 あら? また焦って隙が生まれていますわね。シトリンを吹きかけて差し上げましょう。

 

 

 

 

 ジェイドは焦っていた。ヘレーネを兵士で囲み、逃げ場を無くした状態で一方的に攻撃する。はたから見れば兵士が悪者に見えるこの状況は、ヘレーネがあえて持ち込んだといえるからだ。

 

 戦力はばらけさせない、逐次投入もしない。これはジェイドが兵士を運用するうえで心掛けることであり、現状最善手と考えヘレーネを囲ませた。しかし、最善手ではなかったのだと今になってジェイドは思う。

 

 一方的に攻撃しているが、戦力を削られているのは常にジェイドの側だった。

 ほとんどの攻撃はかわされ、たまに命中する攻撃は即座にダメージを回復される。練度の高い兵士たちの、わずかな連携の隙をついて、一度に2~3人を無力化される。

 

 ジェイドはヘレーネに向けて剣を振りながら、部下が何かを吹きかけられ倒れるのを見ていることしかできなかった。

 

 そして最後には、ジェイド以外の部下全員が倒されてしまった。

 

 今そこに立っているのは、肩で息をしながら剣を構えるジェイドと、切り刻まれ、きわどい部分まで肌を露出させる黒い服を着たヘレーネだけであった。

 服の切れ目から見える肌に、傷は一つもついていなかった。

 

 「っへ、いい格好だな。色気の振りまき方が斬新すぎるぜ」

 

 ジェイドはみじんも思っていないことを言う。ただの強がりだと自身が理解しているが、言わねばならない理由がある。

 

 「30人もの男性に嬲り物にされて、こんな格好になってしまいました。お偉い兵士さん、助けてくださいませんか?」

  

 ヘレーネは戦う前と同じ笑みを浮かべて皮肉を言う。ヘレーネはジェイドの思惑を理解していた。

 ジェイドの目的は、ヘレーネを倒せないと感じた瞬間から、蠱毒姫の討伐から時間稼ぎをすることにシフトしていた。ヘレーネがその気になれば、自分は一瞬で倒される、もしくは殺される。ジェイドはそうなる前にヘレーネと会話をして、要請した救援が来るまでヘレーネを町に可能な限り留める。わずかばかりの抗戦。そのための強がりである。

 そしてヘレーネは、ジェイドの思惑を理解したうえでそれに付き合う。

 

 「体を隠さなくていいのか? いろいろ見えそうだぞ」

 

 「ぎりぎり見えないように切らせましたから、大丈夫ですわ。気になるならじっくり見てもかまいませんわよ?」

 

 セクハラまがいの挑発にも、ヘレーネは余裕をもって返す。

 

 「ふん、噂は噂ってことだな」

 

 「噂? なんのことですか?」

 

 「いやなに、蠱毒姫についての噂だ。ほとんど嘘だった」

 

 「どんな噂をされているんでしょう? 自分のことなので気になります。教えてくださらない?」

 

 「いや大した噂じゃない。”蠱毒姫は毒々しい赤紫の髪で、肌は所々変色した醜い姿をしている”だそうだ」

 

 「あら、ひどい噂ですわ。赤紫の髪以外合っていませんもの」

 

 ヘレーネはさらに笑みを深くする。”ほかに言っておくことはありませんか?”そう問うかのような笑みであった。

 ジェイドはその笑みをみて、これ以上の時間稼ぎは不可能と判断した。

 

 一瞬の間をおき、ふっと息を吐いて、ヘレーネに向けて踏み込む。全力の一刀を振り下ろす。

 

 そしてそれはあっさりと躱され、背中を軽く押されて倒れこんだ。

 もはやこれまでと、ジェイドが殺される覚悟を決めたとき、足音が3人分聞こえてきた。

 

 顔を上げてそちらを見ると、北、西、南の門に配属された兵士たちが、麻袋を抱えてこちらに歩いてくるのが見えた。

 

 「お前たち、どうしてきた!? 住民の避難は終わったのか!?」

 

 自分や駐屯地の同僚を心配して、避難誘導を相方に任せてまできてくれたのだろうか? だとしたらこいつらは大馬鹿やろうだ。自分から死にに来たようなものだ。

 ジェイドはそう思ったが、そんな大馬鹿な部下をうれしくも思っていた。

 

 しかし彼の思いは、最悪の形で裏切られる。

 

 兵士たちは持ってきた麻袋から中身を取り出すと、ジェイドの目の前に放り投げた。

 ゴトリと床に転がるそれを見て、ジェイドは絶望に叩き落された。

 

 「マルコス……ゴドフリー……エジン……」

 

 それは、救援要請に向かったはずの、部下の首だった。

 

 「門番の方や詰所にいた方は、私の人形にしておきましたわ。手練れのヴァンパイアハンターの相手なんてしたくありませんから、救援要請を伝える者が来たら、殺すよう命じておきましたの」

 

 ジェイドは今やっと理解した。蠱毒姫の悪辣さと、彼女の扱う毒の危険性を……

 

 ジェイドは握っていた剣を手放し、目の前の三つの首を抱きしめた。一切の希望は打ち砕かれ、絶望を顔ににじませ、無言で涙を流す。

 

 「殺してくれ……」

 

 搾りだした声は彼自身が思っていたよりしっかりした声だったが、誰が聞いてもその声は弱弱しいという感想を持つだろう。

 

 「わかりましたわ」

 

 彼に絶望を突き付けた悪辣な吸血鬼は、懐から先端のとがった黒いものを取り出した。剣の柄のようなそれは、サソリの尾を改造して作り上げた、ヘレーネ手製の注射器である。

 彼女はそれをジェイドの首に押し当て、毒を注入する。

 

 「う゛あ゛、あ……がぁ……」

 

 それは出発前にカピリャータの毒で作られた2つの試作毒の一つであった。ヘレーネはジェイドが絶望していようが、死を望んでいようが一切気にしておらず、試作した毒薬の効果を確かめるついでに、死にたいという彼の望みをかなえようとしたのだ。

 

 激しい痛みが全身を襲うと同時に、呼吸が困難なほどの麻痺が広がっていく感覚に、彼は身もだえることしかできなかった。

 窒息して意識を失うまでの数分間を、彼は激痛と苦しみに耐え続けなければならない。

 

 一切容赦のない絶望の追い打ちをかけたヘレーネは、ジェイドが息絶えるまでの様子を愉悦にに浸りながら眺めるのだった。

 ジェイドが屍と化すころには、日の出が始まる直前であった。ヘレーネは駐屯地の一室を締め切り、窓を封鎖して睡眠をとり、1日目の夜を終えた。

 

 

 その後ヘレーネは、自らの人形とかした兵士を使って住民を集め、シトリンを用いて、ほぼすべての住民を手中に収めた。

 彼らには自らの足で、ヘレーネの住処兼開発所まで向かわせた。そして町は漁師を3人ほど残しておき、一晩夜を明かせる船にて、カピリャータを求めて海に出たのだった。

最後ちょっと駆け足でしたが、次話はエリーの話に戻れそうです。

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