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朽ちない感情  作者: 赤緯なつ
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感情を言葉の狭間で

 昔、王様は抱えきれない思いを、大きな穴を掘ってそこに向かって叫ぶことで自分のなかに抱えきれない真実を発散させた。無記名で感情を垂れ流すことができる現代。心で処理する方法を人は失っていく。処理されないままの感情は、適当なラッピングをされて、またはラッピングされないままに、インターネットという仮想空間に投げ出される。誰も回収しない負の感情は、朽ちることはなく、土にかえることもない。空間に溢れかえった、誰かの愚痴や自慢や、怒りや憤り、理不尽だと思うことや、承認されたいだけの一方的な弾丸は、実際にはすれ違うことさえない人の心に刃を立てる。ある特定の誰かに向けながら、敗れかけのオブラートに包まれたガラスの破片が、今も誰かの足の裏を切っているだろう。進化と判断される多くの日用品が、人を退化させ、時に生気を奪う。吐き出された言葉の行方を忘れた誰もが、時に自ら被害者になることも知らずに。



 昔、いや昔に限らず、考えややり方が違う誰かと出会うと、その誰かを攻撃するという手段を選ぶ人がいる。攻撃で解決する問題はあるのだろうか? 人の数だけ考え方があり、生き方がある。ある特定の場所を除いて、現代現代は比較的、人は自由に自分の生き方を選べる。自分と合わない人がいれば、攻撃に時間を割くよりも、そっと離れる方が良いという考え方もある。そこには、自分の気持ちへの折り合いをつけるという、段階が必要であり、そっと離れることで失う金銭的なものやあてにならないチャンスというものがあるかもしれないが。心をすり減らして近くにいるよりも、新たな世界が見える可能性が大きい。断捨離という言葉は、いつから当たり前に使われるようになり、簡単に変換されるkと叔母になったのだろう。人間関係も断捨離なのかもしれない。ときめかないものは捨てる。有名な方の言葉を借りると、そうなのだろう。人と人は、そもそもわかり合えるものではない。ともに居ても問題がないことがギリギリのラインなのかもしれない。そこに、負の要素を感じたとき、そっと離れる道を選びたい。

 

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