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6話 実家で団欒

「取り敢えず座りな、ここまで来るのに疲れただろ?」


 入り口にいた俺達はハルターに付いていき、客間にやって来た。


「で、では! お言葉に甘えさせて頂きます!」


 レーナはまだ緊張しているようだ。

 物語と人物像が一致しないこと知ったら、どんな状況になってしまうのか想像したくない。


 そんなことを考えてると、扉の向こうから誰かが来る気配を感じた。


「あらあら、リン? いつの間に帰ってきてたのかしら? まさかホームシック?」


(だからなぜそうなる!? 二人揃って酷くないか?)


「ただいま、母さん。今日はクラスメイトが父さん達に会いたいって懇願されたから来たんだ」


 家に帰った経緯をアルシャに話した。

 そして三人は挨拶をした。


「あらあら、ずいぶんも元気なのね、私の名前はアルシャよ、物語のような容姿ではないけど許してね?」


「そ、そんなことないです! 家のお母様と比べたら凄く綺麗です!」


(おいおい、そんなこと言ったらレーナのお母様泣くぞ?)


「ウフフ、ありがとうね、でも引き合いにお母様出してはダメよ? 貴族としての品格が疑われちゃうわよ?」


 そう言って、微笑みながらレーナの頭を撫でた。


「皆さん、今日はよくお出で下さいました。改めまして私の名はアルシャ・ウォルコットですわ、周りからは聖女って呼ばれてるみたいだけど、そんな大それた者ではありませんよ? 私達は英雄でも平民です。なので余り畏まらなくてもいいですのよ?」


「でも、お母様がいってました。もし、陛下の誘いを断ってなければ、位は間違いなく私達の上だって……」


「そうね、でも私達は誰かの上に立つって事がどうしても荷が重いことなの。だって私達はただ、自分の生まれ育った町を守っただけ、生まれて見てきた物を壊されたくないから戦ったまでなの。それ以上でも以下でもないわよ? あの人がどう思ってるかは知らないけど、私は今ある王都を守れただけで十分ですもの」


 そう、アルシャは淡々と答えた。


「何となくリンのお母様が聖女って呼ばれてる理由がわかりました」


 と、レーナは嬉しそうに笑った。


 それを聞いてアルシャはちょっと苦笑いをしていたが。


 そんな二人を見ていると、ハルターがゆっくりこっちに来た。


「なぁ、今、完全に俺達空気じゃないか?」

「そうだね」

「普段は猫被ってるくせにこういう時だけは様になってるよなぁ」

「だねぇ」


 そんな会話をしていると、急に辺り一面が凍てつく感覚に見舞われた。


「あらあら、貴方達? 今、失礼なことを言わなかったかしら?」


(笑顔なのに目が笑ってないよ!? 怖いわ! レーナちゃん怯えちゃってますよ!? もっとムードを大事にして!)


「「な、何でもございません!」」

「フフ、ならいいんですけど」


(こ、こえぇ……)


 凍りついた場を流すようにハルターが話し出した。


「まあ、でも俺は嬉しいぜ、何せリンは言うことは達者だが、年はまだ七歳だ。正直十歳から普通は通う魔法学校に編入することになったときは不安だったが、こうしてお前らみたいな仲間が出来て感謝してるんだ。これからもリンと仲良くしてくれるとありがたいな」


「あらあら、それは私の発言ですよ? でもまあ、私からもよろしくお願いしますね?」


 そう言って三人に頭を下げた。


「い、言われるまでもありません!」

「そう? そう言ってくれるなら心強いですわ」

「そうだな、正直七歳で高等魔法扱えるような規格外だと皆遠慮とか嫉妬して孤立するんじゃないかと思ってたしな」


「え? ハルター様? 今なんと?」


(ヤバい、まだクラスの奴等には俺が高等魔法使えること言ってないのに……。レーナちゃん完全に驚愕してますやん!?)


「リンが高等魔法を使える規格外って言ったんだ」


 そしたらレーナがロボットみたいにギギギッって感じでこっちを向いてきた。


「リン本当……なの?」


「はい……黙っててすまん」


(ヤバい孤立する……折角確立した俺の地位が……)


「凄いじゃない! 何で今までそんなこと黙ってたの!? もっと早く教えてくれれば良かったのに!」


(あれ? てっきり軽蔑されると思ったんだけど……?)


「いやだって、貴族ってプライド高いじゃん? だから変に嫉妬とかされて裏で権力振り回されたら元もこうもないと言いますか――」


「大丈夫よ! 少なくともうちのクラスにはロドニ殿下が居ますもの! そう、不都合なことは起きないわ!」


「ありがとう、でも一応この事は安心を確保出来るまで黙ってくれるとありがたいかな?」


「わかったわ!」

「お、俺も」

「私は知っていたがな」


 (あ、この二人の存在忘れてた)


「まあ、せっかくこんな辺境の町に来たんだ。ゆっくりしていくがいいさ」


「「はい!」」


 そして暫く話をして王都に帰った。


「リン、今日はありがとうね! とても楽しかったわ! 帰ったらお母様に自慢しなきゃ!」


「程々にな」


「俺もだ! ありがとうな! もしよかったら今度家に来いよ! 家にはたくさんの魔道具があるから見に来るといいぜ!」


「おう! その時は頼む」


「では、私も帰るとしよう」


「一人でも大丈夫ですか?」


「平気だ、今度は学校でまた会おう」


 こうして皆と別れ、リンはアパートに戻った。


 (今日も色々あったが、まぁ悪くはなかったかな)


リンは今日の思い出をしっかり胸にしまい込んで、ベッドの潜り込むと、そのまま眠りに落ちた。



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