表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/46

17話 出来事

 導きの神との戦闘のあとリン達は王宮に戻った。


 すると、入って早々、兵士達が慌てて近寄って来た。

 行きなりのことで驚きはしたが、無理もない。

 何せ、服はボロボロ、血の痕跡が至るところに残っていれば当然の反応である。寧ろ驚かない方がおかしい。

 大事な陛下の娘に被害が及んでいたのだから。


 そして兵士達は二人の後ろにいるレイダに視線を変えて警戒の意思を見せたが、ロドニが命の恩人であることを話したら、あっさり引いて謝罪をした。


 そのあと二人は外傷がないか医務室へ運ばれた。


 少し時間が経つと、陛下とウォルコット一家、ルクス、レーナが医務室の扉を派手に開けて入ってきた。

 恐らく二人の現状を聞いて慌てて会場から出てきたのだろう。


 服がボロボロで血の痕跡を見てあたふたしていたが、治癒で回復して今は目立った外傷がないことを確認すると陛下達は落ち着いた。


 そのあと、何故こうなったかの説明を求められたが、ここでは流石にと思い場所を変えた。


 リン達は会議室にやって来た。


「それで、リン? 何があったか説明をお願いしてもいいかしら?」


 いつもとは珍しく真面目な声でアルシャは聞いてきた。


 リンは一部を除いて話した。導きの神が行きなり現れて襲われたこと、その神に全く歯が立たなくて死にかけたこと、諦めかけていたところをレイダに助けてもらったこと、他の神に狙われる可能性があること、助けてもらった代わりにレイダに協力すること。

 リンはレイダの補足を貰いながら一通り話した。自分達が転生者であることを除いて。

 もし自分達が転生であることを知ってしまったらきっと悲しむかも知れないと思ったからだ。


 陛下達はリン達の話を聞いて愕然としていた。無理もない。何せ、相手は神様なのだから。こっちからしたらスケールが違いすぎるのだ。


 しばらくの沈黙ののち、アルシャが口を開いた。


「それでリンはどうするつもりなのかしら?」


 アルシャは珍しくとても心配そうに言った。それはそうだろう、あれだけあの子なら何があっても大丈夫と思っていたのにも関わらず、死にかけたのだから。しかも相手が人智超えた存在なら尚更だ。


 リンは一拍開けて答えた。


「少ししたら他の境遇の仲間を集めつつ自分を鍛えようと思います」

「つまり旅に出るということね」

「はい、母さん」

「もしまた襲われたらどうするつもり?」

「その時は自分達が対等に戦えるまではレイダさんにお願いすると思います」

「でも、聞いた話じゃこの人? も神様なんでしょ?」

「そうです」

「ならどうしてそこまで信用できるのかしら?」

彼女(レイダ)の言葉を聞いたからです。俺は彼女(レイダ)の信念を聞いて判断したんです。だから彼女(レイダ)が迷わない限り付いていくつもりです。それに助けて貰った借りもありますから」


 リンは、はっきりとアルシャに伝えた。


 するとアルシャは頭を抱えつつ、ため息をついて、


「リンがそこまで言うなら私は止めないわよ。でももしリンが悪用されると知ったら命を懸けて取り戻すわよ?」

「はい、母さん」


 アルシャはリンからレイダに視線を変えた。


「うちの息子をどうかよろしくお願いします」


 そう言いながら深々と頭を下げた。


「もとよりそのつもりじゃ。ワシとしてもこやつらは必要な存在じゃ。ワシの命に変えても守りきると誓うのじゃ」


 アルシャはリンのところに近寄ってそっと抱き締めた。


「どうか死なないで、生きてかえって帰ってきて」


 そう言いながら瞳には涙が溜まっていた。


「待っていてください。すぐとは行きませんが、必ず終わらして生きて帰って来ます」


 すると今度は陛下がこっちに寄ってきた。


「その旅はうちの娘も行かなくてはならないのか?」


 陛下は心配しながら言った。


「恐らく王国にはロドニを守れる兵はいないでしょう。神はそれほどの強敵です。王国にいるより近くにいた方が守りやすいと思いますから」


 陛下は少し考え込んで、


「わかった、お前たちに娘を託そう。ロドニはそれでよいか?」

「私は最初からそのつもりでしたから」


 すると陛下は微笑した。


「どうやら余の心配は杞憂だったようだ。リンよ、娘を頼んだぞ」


 そう言いながら陛下はリンに頼んだ。


「はい、任されました」


 一拍置いてハルターが聞いてきた。


「それで出発はいつ頃にするんだ?」

「余り出るのが遅すぎて他の仲間が手遅れになることは避けたいので遅くて3日後に出ようと思ってます」


 そういうとハルターは少し悲しげに


「……ずいぶんと早いな、今日くらい家に泊まってけ」

「そうします」


 リンはハルターの言葉の意図を察して了承した。


 今日はもう遅いので、このまま解散となった。


 そしてリンは久々の実家で夜を過ごした。


度々の更新申し訳ないと思います。

出来るだけよくしようと頑張っているつもりです。

これで少年編は終わりです。次から冒険編となります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ