キララの想い③【一部神酒視点】
キララの言葉に、あたしはものすごく戸惑っていた。
だって・・・。
4人の中で、多分一番頼りなかったのはあたしだよ。
そりゃ、いつも一緒に、いつまでも仲良くいられたらいいなっては思っていたよ。
ケンカ止めなよって言ったり、ピクニックに誘ったりするのは確かにあたしだったけど・・。
だからって・・・。
「そんな・・。だって、キララ達を頼りにしていたのはあたしの方・・」
すると、キララは小さく吹き出して笑ったんだ。
「だから。そういう性格だから、みんなはミキさんのことが大好きだったんですよ。自信を持って。きっとリコさんを助け出せる力があるとしたら、それは多分・・・それは学校で成績を付けられるような力とはもっと別のもの。それを持っているのは、私ではなく、多分ミキさん。あなただと思います。それに・・」
「それに?」
キララはもう一言何か言おうとしたんだけど、そこで黙ってしまった。
「いえ、なんでもありません・・・・」
いつもだったら、こんな会話してたらテレまくって顔真っ赤になってただろうね。でも、なんでこの時だけこんなことが話せたんだろう?
あたし思うんだ。
多分ね、あたしたち。いつ離れ離れになってもおかしくないような状況だったから。今話しておかないと、もしかしたら永遠に伝えられないことがあるかも知れないから。
だから心の中で思っていたこと、こんなに素直に話せたんじゃないかな。
「キララ、あんたちょっとあたしのこと買いかぶりすぎじゃない?褒めすぎ」
「そうですね。少し褒めすぎでしたね。5割引ぐらいで考えておいてください」
「えー?せめて3割引ぐらいにしておいてよう。」
そして、あたしたちは通路をさらに奥に進んでいったんだ。
★
輝蘭は神酒と並んで歩きながら、あの時彼女に言おうとしたもう一つの言葉を思い出していた。
ミキさん。もしまた誰かが消えるようなことがあるとしたら、それはきっとあなたではなく・・・。