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第四話 ありふれた日常こそ幸せの証

翌日目覚ましの音で目を覚ました。


時刻は7時。


支度とかを考えるとこの時間帯でないと間に合わない。


私は、洗面台に向かうと、寝癖を直すと、まずは冷蔵庫に入っていた麦茶を飲む。


起きたら、まず水分補給が大事だ。


寝ている間にかなりの量の水分を失うからだ。


水分補給を終えると、服を着替え、キッチンに立つ。


とはいっても、ワンルームのマンションだ。


申し訳程度についている程度だ。


私としては、少々狭く、使い勝手が悪いので気に入らないが、家賃の事を考えると妥当としか言いようがない。


まぁ、求めすぎるのも考え物だ。


私は、冷蔵庫から材料を取り出すと早速料理を始める。


今日の朝食とお弁当は私の当番。


まぁ、お弁当に関しては朝食を作るついでにできる。


料理は要するに要領なのだ。


手早く準備をしていく。


そして、完成していった物から順に皿に盛り、テーブルに並べる。


今日は、ふわふわオムレツにカリカリベーコン、オニオンスープ。


もちろん、オムレツは半熟だ。


やはりオムレツは中がとろとろじゃないとオムレツという感じはしない。


こんがり焼けたトーストももちろんつけている。


それにアイスコーヒーをつけて完成。


当然ながら、弁当の準備はばっちり。


私は、部屋を出ると、彼女の部屋へと入る。


もちろん、合鍵を使ってだ。


中に入ると、彼女は依然としてすやすやと寝息を立てている。


その姿が本当に可愛らしい。


大学生になり、それこそ高校の時とは違って、嗜みとして化粧をし始めた彼女。


そのため、化粧をしているときの彼女は、やや大人っぽく見える。


だけど、やはり、こうして寝顔を見ていると、まだまだ幼さが残る。


高校の時と全く変わらない。


出来ることなら、ずっとそんな彼女の寝顔を眺めていたい。


でも、そんな事して遅刻でもしたら目が当てられない。


それに、彼女だって、私を起こすときは、しっかりと時間どおりに起こしてくれる。


「ほら、沙希さん、起きて?」


私は、彼女の肩を軽く揺する。


彼女は寝起きが比較的いい方。


「う、うん」


なので、それだけですぐに起きてくれる。


けれど、私はその逆。


私は実はすこぶる寝起きが悪い。


起きても、なかなか布団からあがれない性質なのだ。


というか、低血圧なのだ。


今でこそ、彼女が起こしてくれたり、彼女を起こさないといけないから、早めに起きるけれど、高校の時は、ぎりぎりまで寝ていた。


時々、自分の寝汚さに嫌気がさしたときもあった。


「おはよう」


それはさておき、彼女はぼんやりとしながらも上半身を起こすと、にこりと笑ってそういう。


どうやら、しっかりと起きてくれたみたいだ。


「うん、おはよう。んじゃ、さっさと身支度して、俺の部屋においで」


私は、軽く彼女の頭を撫でると、さっさと部屋を出る。


それから、数分して彼女は、私の部屋に戻ってきた。


しっかりと服を着替えて、寝癖もない。


ただ、化粧はまだしていない。


まぁ、私が二人きりの時はできるだけしないで欲しいと言ったからだけど。


私は、どうも化粧をされるのがあんまり好きじゃない。


自分を綺麗に見せたいと言う気持ちは分かる。


私だって、それなりに見てもらいたい。


だけど、だからと言って、本当の姿を隠すのはどうかとも思う。


だから、私は彼女にお願いして見た。


いつも、彼女の素顔を見ていたいから。


と、話がそれたので、戻すが、二人しっかりと座ると


『いただきます』


声を合わせて、朝食にする。


少々冷えてはいるが、味の方は全然大丈夫。


これなら、自信を持って、良い出来だと言える。


彼女の方を見てみても、受けはよさそうだ。


相変わらず幸せそうに食べてくれている。


毎度のことだけど、この瞬間がやはり一番幸せだ。


彼女とキスをするのもいい。


抱き合うのだっていい。


一緒に寝るのだっていい。


だけど、私にとって一番の幸せはこの瞬間だ。


なんでもないどこにでもあるようなありふれた風景。


だけど、そのありふれた風景だからこそ、幸せを感じられる。


日常生活が満たされているんだって、感じられる。


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