表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君を守るのが俺の使命・・・・・・2度は繰り返さない  作者: kana


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/62

61

「来てもらったのは・・・ライラが私の元に嫁いできた時の持参金と宝石類を渡すためだ」


あの日ミラを助け出した時、確かに着の身着のまま何も持ち出すことなく連れ出した。

一刻も早く使用人でも住まない小屋から救い出したかったからだ。


「ライラには私の与えた物だけを身に付けさせた。王家から持ってきた物は何ひとつ手付かずだ。全て私には必要ない物だから持って行け」


気分が悪い・・・

面倒くさそうに、忌々しいと言わんばかりの態度だ。

久しぶりに会ったミラに"元気だったか?" "あの時はすまなかった"とか先に言うべき事があるんじゃないのか?


「・・・そうですか。分かりました・・・お母様の物で()()が必要ないと言うならば頂いていきます。・・・話はそれだけでしたら、これで失礼させていただきます」


「ああ、これっきりだ二度と会う気はない」


これが父親か?

実の娘に言う言葉か?

ミラが可愛くなかったのか?

ライラ叔母上の忘れ形見だぞ?

グッと言いたいことは限りなくあるが飲み込んだ。


すっと立ち上がって綺麗な礼をしたミラは真っ直ぐに出口の扉に向かった。それに続いて俺も後を追う。


エントランスを出て玄関の前で待たせていた馬車にミラを乗せた。

ミラを見る限り傷ついた様子を見せない。

こんな時に無理をしなくても・・・と思った。


「忘れ物をしたようだ。少しだけ待ってて」


「分かったわ。なるべく早くね」


馬車のドアを閉めて俺は急いで見送りに出ていた執事に応接間まで案内させた。


「まだ何か?」


戻ってきた俺に煩わしいと言わんばかりの態度だ。


「ひとつだけ聞かせてくれ。・・・お前にとってミラはどんな存在だ?実娘が可愛くなかったのか?大切ではなかったのか?」


「ふんっ、何かと思えばそんな事が聞きたかったのか?」


俺の質問がおかしいのか鼻で笑ったあとあの王妃を彷彿とさせる言葉を発した。


()()は私の()()()じゃないからな。ライラを失った私には似ているだけのアレは忌々しい偽物でしかない。血の繋がり?そんな物が何になる?私の愛はすべてライラに与えた・・・私にはライラがすべてだった。・・・・・・君は私のようにはなるな」


もうこれ以上聞きたいことはない。


「俺はアンタのようにはならない。俺には大切な者が、守りたい者がたくさんいる。・・・ミラは俺が、俺たちが幸せにする」


軽く下げるだけの挨拶をしてミラの待つ馬車に戻った。


「おかえりなさい。忘れ物は見つかった?」


そんな笑顔を作らないでくれ。


「ミラ俺の前では無理をするな」


前回はともかく、今回のミラは口に出したことはないがずっと父親を愛していた。と、思う。


ライラ叔母上が生きていた時、ボイル侯爵家に遊びに行っていた幼い頃。

俺と過ごしていても父親を見つけるとすぐに駆け出して抱っこのお強請りをしていた。

『ミラねお父様がだ~い好き』と、いつも言うからヤキモチばかり焼いていた記憶がある。

あの時のボイル氏の笑顔も偽りだったのだろうか?


ミラにはボイル子爵との会話を教える気はない。


「うん・・・最後まであの人に私は見えていなかったね。・・・はぁ~スッキリした!今日であの人への未練を断ち切れたと思うわ!」


「そうか・・・帰ろうか、俺たちの家へ」


「うん!帰ろう!」


ミラは見た目よりも強い。


吹っ切れた顔をしたミラにそっとキスをした。


いよいよ、明後日は長く待ち続けた俺たちの結婚式だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ