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オズワルドからの手紙には予想通りカイルの事だった。
「公爵、陛下にはカイル殿下の前回の異常性の事はお伝えしているのですか?」
「勿論だ。最初は信じていなかったのだが・・・実際にカイルの私室に隠し部屋を見つけたそうだ。それも・・・壁一面にライラとミラの肖像画が掛けられていたそうだ。それを見つけて以来、陛下はカイルに影を付けている。カイルの行動は全て筒抜けだから安心していいぞ。と、言いたいところだが・・・それはまだ気が早かったようだ」
ローガンの問に父上がそう答えたが・・・
ライラ叔母上の肖像画まで?
そっちの方が気になる。
「・・・カイルはオズワルドの卒業パーティーの帰りにミラを攫う依頼を出したようだ」
やっぱりか。
結局、カイルの思考も前回と同じだったようだ。
「これが実際に行われたらカイルは幽閉または廃嫡は免れないだろう」
当然だ!
大体オズワルドから前回のカイルのことを聞いた時から気に入らなかったんだ!
男として攫ってまで自分のものにしたいなら他にも方法はあっただろ!
カイルのしようとしている事は誘拐と監禁だ。
そりゃあ実行したら王太子の地位も、将来の国王の椅子も失って当然だ。
極めつけはミラを信頼させて依存させようとした事もそうだが、何よりミラの頬を舐めた事が一番気に入らない。(ミラが穢れるじゃないか!)
「卒業パーティーまでに愚かな事だと気付いてくれれば良いのだが・・・」
そうだよ・・・頼むから馬鹿なことはしないでくれ。
カイル、みんなの期待を裏切るなよ。
次期国王だとお前のことを認めているんだぞ。
品行方正で頭脳明晰、さらに眉目秀麗。
浮いた話も一度もない。
国民からの人気もある。
完璧な王子様それがカイルだろ?
・・・カイル、お前には影がついている。
隠し部屋も知られている。
計画も筒抜けだ。
だから何もしないでくれ。
俺たちは毎晩のように話し合った。
計画がバレているとカイルに言って中止させることも考えた。
だが、それは陛下に止められた。
次期国王としての資質は十分備わっているカイルが自分の欲望を優先するか、それとも踏みとどまれるか試したいのだろう。と・・・
そして卒業パーティー当日がきた。
だが予想外のことが起きてしまったんだ・・・




