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【書籍化決定】妻ではなく他人ですわ  作者: 綾雅「可愛い継子」ほか、11月は2冊!


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28.暗殺の対象はほぼ全員ね

 騒動を起こした貴族は、皇帝直属の影によって洗い出された。追跡に気づかず、そのまま屋敷に戻る体たらくだ。レベルの低さに、エック兄様が呻いたほどよ。


「なぜあんなのが入り込めたんだ」


「それが……ね」


 使用人への聞き込みの結果、思わぬ人物が関わっていた。晩餐会に参加できなかった叔父様だ。彼自身は神殿からの呼び出しがあり、名残惜しそうに戻っていった。ところがその際に同行した神官が二名、退出した記録がない。


 貴族の次男や三男が騎士になる話はよく聞くが、それと同程度の数が神殿に流れる。世俗の地位に関係なく、実力で判断されるためだ。叔父様もその実力で成り上がった。政治力にお父様の影響がなかったとは言わないが、神殿には独自のルールと階級が存在した。


 大神官である叔父様には、常に四名の神官が付き従う。今回は貴族出身者を選んで連れてきていた。皇宮内の作法に戸惑わないよう、それなりの家格出身者を選んだのね。ところが急いで退出した叔父様は、側仕えの神官と馬車に乗り込んだ。その際、親族と挨拶をすると二人の神官は残った。


 ここまでが馬車停めの兵士と、見送りに出た侍従の記録よ。もし晩餐に参加してたら、叔父様もワインに口をつけた可能性がある。


「誰を狙ったのかしら」


 皇族か、大神官か。ぽつりと疑問を呈した私に、エック兄様が懸念を口にする。


「叔父上でしょうか。大神官は、寿命以外の引退がありません」


 頂点である役職に上り詰めたら、落ちる心配は不要だった。よほどの犯罪に関わらなければ、死ぬまで大神官の地位を保てる。各国の大神官の数は決まっているから、権力争いによる間引き?


「宰相エッケハルトの可能性は?」


 ルヴィ兄様が教えてくれたのは、貴族の財産や領地の相続に関する法律を制定する話だった。直系、または指名された親族以外は相続の権限を失う。私が離婚を決めた頃、議題に上がった。エック兄様が先頭に立って進めている法律らしい。一部の貴族には不都合なのでしょうね。


「普通、そこは皇帝陛下でしょう」


 エック兄様は肩を竦めた。二人とも、自分が狙われている可能性をさらりと流す。権力や財産を持てば、その倍は敵が増える。ガブリエラ様の教えだったわね。


「わしはもう狙われんじゃろ」


「わからんぞ、マインラート。恨みを買っているからな」


 このお二人も、恨みからの暗殺ならあり得る。なにぶんにも厳しい人達だから、恐れられていたでしょうし。


「まさかとは思うが……」


 私を見る兄二人が言葉を濁した。もしかして、争いの種になる私を消そうとした? アディソン王国に買収される貴族なんて、いるかしら。


「思わぬところに敵が潜んでいることもある。例えば……そなたらの婚約者はどうだ? トリアが戻って、婚約者に何か言われておらぬか」


 ガブリエラ様は眉根を寄せた。嫉妬もあるのね。こうやって連ねてみると、私達が生きていること自体、奇跡のような気がしてきたわ。

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― 新着の感想 ―
いやー、実に殺伐としています でも、これが現実の貴族社会かもしれませんね
勝手に養子にしたことで婚約者の怒りを買ってそうではありますなぁ。 ルディ兄様(含め三兄はシスコンだし)婚約者との子が出来ても養子優先しそうと思われてそう。 仲良し兄妹なのを知ってればシンプルに皇宮内に…
きっと狙われたのは小人です(*゜∀゜)嗅ぎ回り過ぎたかもしれません。液体猫作者さんと脱獄しながら、ふと色々考えました。
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