表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】妻ではなく他人ですわ【書籍化決定】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

201/222

200.力づくのお人形仕立て

 ふんわり広がるスカートでお姫様に仕立てる! ガブリエラ様に事前情報を聞いていたけれど、本当にふわっふわに仕上げられていた。背が高いから、ビスチェの腰部分が高い位置にある。ふわりと広がるスカートの中に骨で作ったクリノリンを入れたのかしら?


 歩く姿を見て、違うと気づいた。あれ……大量のパニエじゃない? 本体の足にたどり着くまで十数枚のパニエを捲らないと……驚きに目を見開いた私の隣で「凄いわ、重いでしょうに」とコルネリアが呟いた。そうよね、相当重いわ。パニエ自体は軽い布で作られるけれど、膨らますためにあんなに入れたら……。


 ふらつくことなく歩けるのは、アデリナだからよ。マルグリット、コルネリア、私、全員が傾くわ。人一人抱えて歩くくらいの重量があるはず。


「見事だろう? あの子は綺麗な人形になるためなら、あのくらいは何でもないと言い切ったぞ」


 ガブリエラ様が得意げに胸を張り、お父様は「ほぉ」と感心した声を上げる。エック兄様はきょとんとしていたが、コルネリアがすぐに説明を始めた。小声だけれど、あちこちで気づいた淑女から称賛の言葉が聞こえる。


 パニエの上に白いスカート、これは刺繍ではなく織模様が美しい絹を使っている。その上に重ねる形で、柔らかな絹三色が彩りを添えた。見事だわ。ビスチェ部分も刺繍を減らし、代わりに織模様が……違うみたい?


 じっくり見たが、遠目では判断できない。ガブリエラ様に伝えると、当然だと微笑んで頷いた。


「よく気付いたな、織模様に見えるすべてが刺繍だ」


 布に刺繍をしたのではなく、刺繍で出来たベルト帯のような素材でビスチェを作った。これまた重さが恐ろしい。背中をリボンで編みこんでいるのは、サイズ調整のためね。華やかなアデリナは、うっすらと口元に笑みを浮かべていた。


 この後、絶対に追いかけて褒めなくちゃ! 凄く素敵だもの! フォルト兄様はぎこちなさもなく、慣れた様子でエスコートしている。ダンスも武術の足捌きと重ねて覚えたから、副官のハイノにでも指導されたかも。


 大神官を従える叔父様の問いへ誓いを立て、神々の像を回る。見事な結婚式を終えて、アデリナはこちらに真っすぐ向かってきた。


「どうだ? お人形みたいだったか? トリアほどじゃないが、綺麗に仕上がったと思う。ガブリエラ様もありがとう」


 捲し立てた彼女に、マルグリットやコルネリアが順番に祝福と褒め言葉を贈る。嬉しそうに頬を赤くして頷く姿は、義姉というより末妹っぽい。可愛い彼女の頬に手を当てて、とても素敵よと告げた。


「やはり、トリアの褒め言葉は格別だな。今日も綺麗だ」


 流れるように私も褒めるアデリナは、ある意味フォルト兄様にそっくり。遠回しな表現は使わず、胸に刺さる真っすぐな言葉を使う。


「私の褒め言葉より喜んでいませんか?」


「仕方ないわ。だって、今のクラウスは()なんだもの」


 一人称が俺じゃないなら、仮面を被っているようなものでしょう? 突き放すように告げたら、すっと腰に腕を回して抱き寄せられた。距離を詰めて耳元で囁く。


「今夜は我慢するつもりだったんだが? 俺を煽ると、後悔しますよ?」


「後悔させると言い切ってご覧なさい」


 ぺちんと鼻先を指で弾く。まだまだよ、と突き放したつもりなのに彼は嬉しそう。ふと気づけば首まで真っ赤になったコルネリアが「煽る、後悔」と呟いているし、マルグリットはそっぽを向いていた。さりげなくルヴィ兄様と組んだ腕を外そうとしているから、照れているのは間違いない。


 人前でやらかしてしまったわ。そう思ったけれど、今くらい許されると開き直ることにした。だって新婚なのよ? 浮かれてイチャつくのは権利でしょ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ