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【書籍化決定】妻ではなく他人ですわ  作者: 綾雅「可愛い継子」ほか、11月は2冊!


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16.絶対に勝つ! *** SIDEモーリス

 単独で飛び込んだのは無謀だったか。だが追いつけるかもしれないと、兄王への連絡の手間も惜しんで飛び出した。馬に乗って走り、途中で軍の馬に乗り換える。ほぼ寝ずに走ったが、彼女に追いつくことはなかった。


 街道が混み始め、騎士団長の任務だと順番を飛ばす。先へ先へ、進んだ先で国境が封鎖されていた。ゆっくりと進んでいるが、ほぼ動かない。これが混雑の原因か。おそらくヴィクトーリアの兄達による嫌がらせだろう。


「どけっ! アディソン王国、騎士団長スチュアート公爵である」


 国王の異母弟、スチュアート公爵、騎士団長。どれか一つでも十分な通行手形だ。そう思ったのに、停止するよう警告された。腹立たしさと苛立ちで馬を走らせる。まさか、射掛けてくるとは!


「くそっ、王国と戦争をする気か!」


 叫ぶも、周囲を兵士に囲まれる。そこへ数人の騎士が現れ、呆れ顔で吐き捨てた。


「なんて迷惑な奴だ。おい、地下牢が空いてたな? 迎えがあるまで、放り込んでおけ」


「迎えなんて来るのか?」


「知らん。元帥閣下に報告だけしておこう」


 抵抗しようと剣を抜くも、あっさり弾かれた。王国一と言われた俺の剣技が、及ばないだと? 驚愕する俺は武器を奪われ、装備を外され、身一つで地下牢へ投げ込まれる。冷たい石牢で数日、食事の運ばれてくる時間で日を数えた。


 外の光が届かない牢は、狂いそうなほど居心地が悪かった。ベッドはあり、シーツは清潔だ。食事や水も十分に与えられた。それでも自由がないだけで、苛立ちが募る。治療も騎士同伴で、逃げ出す隙がなかった。こんな場所で時間を奪われるわけにいかないのに。


「おう、元気そうで……腹立たしいことに、至れり尽くせりだな」


 足音高らかに現れた男は、背にマントが揺れていた。ヴィクトーリアの兄の一人……確か三番目か。武芸に秀でた男だと聞いている。睨みつけた俺に、彼は嫌な感じの笑みを浮かべた。


「随分と舐めた真似してくれたようだ。だが、一つだけ礼を言っておく。トリアを返してくれて、ありがとうな」


 カッとなった。返してなどいない。貴様らが奪ったのだろう! そんな意味合いの叫びを投げつけ、牢の檻を掴んで暴れた。届かない腕を伸ばし、痛む足を踏ん張って、喉の痛みも気にせず騒ぐ。


 冷めた目で俺を見ていた元帥は、口元を歪めた。


「なあ、出たいんだろ? 俺と戦って勝てたら、国境を越えていいぞ。だが負けたら……」


「戦ってやる」


 元帥の言葉を遮って、俺は枯れた声で断言する。


「負けた時の条件を聞かなくていいのか?」


 付き添う騎士が眉根を寄せ「元帥閣下、おやめください」と止めに入った。俺は強い、だから恐れているのだ。そう感じた。きっと国境警備の騎士に捕まった時は、矢が刺さっていたからだ。


「構わない、俺が勝つ」


 自信満々に言い放った。にやりと笑った元帥の顔に、背筋が凍るような恐ろしさを覚える。だが引く気はなかった。ヴィクトーリアは俺の女だ、絶対に取り返す! その一心だった。


 手錠付きだが、国境警備の砦にある訓練場へ出る。久しぶりに浴びた日差しは、痛いくらいだ。眩しさに目が慣れるまで、少しかかった。その間、彼らはゆったりと準備を整える。


 用意されたのは訓練用の剣、刃の潰れた金属製だった。切れないが、当たれば骨折は覚悟するようだろう。ここでようやく手錠が外された。


「先手を譲ってやる、さっさとかかってこい」


 構えもせずに促す元帥に、予備動作なく飛びかかった。絶対に勝つ!

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― 新着の感想 ―
いや他国の騎士団長が来たらはいっていいようとかならねえだろどんな平和ボケした国だと思ってんだよ
外見は壮麗な騎士、しかして中身は辻ーン。 戦略とか言いながら、やる事は脳筋。
こんなゴミ国家、現実味が!あるんだよなー……。 イメージしやすいオワコン国家なんだな。
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