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聖女召喚!……って俺、男〜しかも兵士なんだけど……??  作者: バナナ男さん
本編

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45/65

45 最後の

( 杏花サイド )


突然消えてしまった大樹に驚いた杏花は、婚約者と共に悲鳴をあげたが……その場に残っているのはネックレスチェーンに通された指輪のみ。


杏花はそれを震える手に拾いジッと目を凝らしてよくよく見ると、少々古そうなその指輪は酷く歪んでいて、所々削れてすらいる。



「 もう指に嵌める事も出来なさそうだけど……こうして持ってるって事は大事な物……?


形見とかかな? 」



そんな存在を大樹から聞いた事がなかった杏花は、夫と顔を見合わせ驚いていた、その時────



〜♬〜〜♬



ポケットに入っている携帯電話から着信が入り、ビクッ!!と飛び上がる。


慌てて携帯を取り出すと、表示画面には ” 大樹 ” の文字が……。



震える手で通話ボタンを押すと、携帯からはいつもと変わらぬ様子の大樹の声が聞こえた。



《 あ、杏花!突然連絡ごめん。


今度の日曜日帰るからさ、お土産買ったから皆んなでご飯でもーー 》



「 ……えっ?今いたでしょ?ここに……。 」



恐る恐るそう尋ねると、電話の先の大樹は一瞬喋るのを止めてプッと吹き出す。



《 いや、俺まだ出張先にいるんだぞ?


そっちまで飛行機の距離なのにどうやって行くんだよ〜。


とりあえずまた連絡するな。


じゃあな〜。 》



プツッと切れてしまった電話からはツゥーツゥーという通話が切れた音なり続けていたが、杏花は固まったまま手に持つ指輪をもう一度見下ろした。


すると指輪の内側に薄ら彫られている文字を見て目を見開く。



「 ────えっ……?


な、なんで私と夫の名前が彫られているの……?


それに……歪んでいて気づかなかったけど、コレ、私の結婚指輪と全く同じじゃない……? 」



慌てて自身の薬指を確認し、指輪がある事にホッとすると、その瞬間────その歪んだ指輪は大樹同様跡形もなく消えてしまった。

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