幸せを願う
一人娘の幸せを願っての中学受験。
幸せになってほしい。より良い環境で青春をおくってほしい。
いい友達と出会って、素敵な彼氏を見つけて、ゆったりとした希望に満ちた未来をと願った。
私、西條 加奈子は契約社員。
保険会社で働く夫は優秀な長男の陰に隠れた次男坊。穏やかな性格だかいまいち頼りない。
一人娘の舞は夫に似て大人しい。
頑固な一面もあるけど比較的周囲に流されやすい。
勉強は受験塾でもそこまで一生懸命って訳でもないけど、偏差値は50くらいだし決して悪くないと思う。
楽しい事が大好きで、やらなければいけないことは後回しになりがち。本気になれたら突き抜けるかもしれないと期待してしまう。
別に小学校は別に荒れてはいない。やや気になるお友達がいる程度。
おっとりしているのに頑固だから、中学では先生に嫌われて内申が取れないかもしれない。
良い子たちは私立中に抜けていくというし、悪い子に誘われて、断れなかったら?楽しい誘惑に勝てずに、流されてしまったら?
なんて未来を心配しすぎねとため息がでる。
この子にあった、出来れば上位大学を目指せる環境に入れたい。ついつい御三家に強い憧れを抱いてしまう。知れば知るほど良い学校だと思う。
今の頑張りで偏差値50なら、必死にやれば頑張って目指せないかしら?なんて甘い夢を見ていたこともあった。