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1.三章プロローグ

3章突入です!!


プロローグは2柱の神様の様子を第三者視点から書いております。普段の話と違っているため違和感を感じられる方もいらっしゃるかと思いますが、ご容赦くださいm(。_。)m





──ここは日本…地球から遠く遠く、時空を超えたはるか彼方に存在する創られてまもない世界。……創られてまもないとはいっても、そこに生きる命は生死を繰り返し、幾数の世代に渡っているが……


日本(大八島国)の守護を神族に託した神々は異界へと赴き、はるか離れたその地からかつて自分たちが守護していた世界を見守っていた。


何故、神々は異界へと赴く必要があったのか……それは新たな世界を創造しなければならなかったためである。

昨今の地球では、人が増えすぎたために輪廻の環に乗ることができず、新たな命として元の世界へ転じることができなくなってしまった魂が増えてしまっていた。

よって、そんな状況を打開するべく、新たな世界の創造が求められたのだ。


創造された世界は上手く廻り始め、宛もなく彷徨っていた数多(あまた)の魂を新たな命として迎え入れている。……しかし、まだ不安定であり、管理者による介入を要するため、神々が離れることはできない。


そのため神々は、平定している大八島国については、その一切を神族達に任せ、神族から時折の報告を受けるにとどまっていた。



そんなある日、神族の長たる天代宮の今代から、加護を受けた人間を発見したという報告が入った。神々にとっては実に久しい内容の報告であった。


今代の天代宮の前任……いや、その前からであろうか? 神々は折を見て加護(特別な力)を持たせた魂を転じさせていたというのに、それが神族の目に留まることがなくなっていたのだ。

神々も神族に『加護を持つ者を探せ』と命じていたわけではないため、五百年程度なら見つからなくとも、たまたま神族の目に留まらなかった、早くに逝去してしまったなどと考えた。しかし、それが千年ともなると………


そして、約千年ぶりに加護を受けた者、愛し子が発見されたことによりその全貌が明らかになってきた。



黒邪()──人の心の歪みが原因であったと。



加えて神々を悩ませているのは、禁忌を犯した神族朋夜の処遇について。決定はしたものの、未だにどうにかできぬものかと悩む神は少なくない。


天照は神々の間で決定した朋夜の処遇について麗叶に伝えた後、弟神である月読の下へ訪れていた──



「──悲しきことよ……同胞に罰を与えねばならぬ日が来ようとは」


「致し方あるまい。彼奴(あやつ)は禁忌を犯した。()も真に残念に思っておる」


「しかし、姉者よ。せっかく出会うことができた半身と引き離すだけでも酷だというのに、さらに…というのはいささか……」


月読は朋夜の擁護派の筆頭である。全ての神が朋夜に罰を与えなければならないということは理解しているが、自分達の不在を補ってくれている神族に対しての仲間意識のようなものが強いため、酷なことは……と思ってしまうのだ。それでも、世の理を歪めぬためには罰を与えないわけにはいかないとほとんどの神が同意した。


「月読。酷でなければ罰にならぬであろう? それに今代の愛し子の加護はそなたが授けたものではないか」


「うむ……それについては憤りを感じておるが……朋夜は創られてから十年も経たぬのだ」


「……それについては今後の課題でもあるな。……無感情に生きる同胞達に“生きる”ことの喜びを知ってほしいと思っているが、未熟な段階では反対に不幸に陥れてしまう」


「うむ、我等の考えが甘かった」


神族が半身を得ること自体は神々にとっても喜ばしいことなのだ。半身を得た神族が現を抜かさずに職務を全うしていれば。


「麗叶や悠、清香は半身を得てからも、それぞれの任に真摯に当たってくれておる。……出会った状況もあって、清香は少々過保護になってしまっておるようだがの」


「……朋夜が仕出かしたことはあまりに大きいな……」



2柱の神がいる空間は重い静寂に包まれた。



「……それにしても、そなたが加護を授けた魂が麗叶の半身であったとはの」


「うむ、皆が驚いた。運命とはなんと数奇なものか」


「あの報が来た日は、偶然にも複数の者が集まっている場であったからな」


天照は重い空気を打ち払うべく話題を変え、麗叶から報告を受けた日のことを思い返す。




『天照様、聞こえておられるか?』


『聞こえておる。……平時と声色が違うが、何ぞあったか?』


『いえ……まずは、通常の報告を』


『聞こう』


『はっ……自然の荒廃が想像以上に進んでおり────




────通常の報告は以上になります』


『うむ。自然の荒廃については吾の方でも対策を考えよう』


『ありがとうございます。……続いての報告ですが、半身と相見えました』


『ほう……! 其方(そち)がか?』


『はい』


『ほんに喜ばしいことよ』


『そして、我が半身は加護を受けているようです』


『それはまたなんと久しい……して、その者の名は?』


『姫野咲空と』


『姫野……? 朋夜の半身と同じであるな』


『……その者の姉に当たります。……ここからが問題なのですが、咲空は神狐族第二位の朋夜の神術による火傷を負っており……』


『…ほう……?』


『それだけでなく、朋夜の半身に妖が憑いており、咲空の魂を蝕んでいたようです』


『……知らぬ間に重大な問題が起きていたようであるな』


『気がつくことが出来ずにいたこと、真に申し訳なく……』


『よい。……それにしても妖か……麗叶、その正体を突き止めよ』


『はっ』



この報告があった日は神々の間にも激震が走った。

長きに渡り自分達の不在を補ってくれていた神族、その長たる天代宮が半身を得、さらにはその者が久方ぶりに生を確認された愛し子であったという喜び。

同胞である朋夜が地上に住まう者に危害を与えるという禁忌を犯しており、その者が愛し子であったという嘆き。

愛し子を狙う妖が存在しているかもしれないという混乱。



「黒邪が消滅していなかったというのは驚きであった」


「ほんにの。しかし、奴も悲しき存在であるというのも然り」


「どちらにせよ、あちらの世界のことは麗叶に任せる他ないのか……」


「いや、月読よ。やはり一度あちらに戻るのがよい。 この世界もまだ混沌にあるとはいえ、落ち着きを見せ始めている。一人くらいならば、他の皆でなんとか出来よう。ならば、愛し子に加護を与えたそなたが適任だ」


「良いのか?」


「吾は構わぬ。他の者とも相談しようぞ」










読んでくださりありがとうございます(*^^*)


ついに3章に突入しました!!

3章では1章・2章での伏線を回収しつつ、お話が展開していく予定ですので、楽しく読んでいただければと思いますm(。_。)m



【補足】

どうでもいい情報かもでしたが、朋夜君は今年で十歳で、現在は神族で最若になります。(麗叶については最初の方でさらっと触れましたが、二百歳を超えています)

神族に年齢はあってないようなものですが、やはり若い内は経験不足もあり、未熟な段階で半身と出会って感情を得てしまうと……とういう感じです。



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