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20.試み


休み明けの学校。


「暑い……いや、もはや熱いわ……」


「ヤバい……」


「本当に暑いね……」


今日の気温は38度まで上がるらしくて、まだ朝なのに現時点でとっても暑い。

……クーラーは付いているけど、さっき付けられたばかりだし、机に突っ伏している人がいっぱいいる。


「……咲空ちゃんは今日の暑さも平気なの……?」


「その……前にも言った通り暑さに強いから……」


「すごいわ………あっ、若干クーラー効いてきた?」


「ホントだ……生き返る~!」


私には今日も麗叶さんが暑さが和らぐように、神術をかけてくれている。

こんなに日差しが強い中を快適に過ごせるなんて、『やっぱり神術はすごいな』と思うと同時に申し訳ない気持ちになってしまう。



「……そういえば、みんな期末の勉強してる??」


「少しずつね~そう言う加奈はどうなん?」


「ふっふっふっ、ハルミンよ、ウチが勉強をしていると思う?」


「加奈……はぁ……愚問だったね」


「計画的に進めた方がいいよ?」


「加奈ちゃん、まだ課題進めてないの?」


「うん、手付かず。まだ範囲自体は出てないし! ……まぁ、大丈夫だって!いつものことだけど、なんだかんだ言って提出日までには終わるから!」


期末テストが再来週に迫ってる。

推薦で入試を受ける人なんかは2年生までの成績と、3年1学期の成績が使われるから、最後に落とさないようにと頑張ってる。


「……加奈、ちなみにだけど、期末の週の土曜日何があるか覚えてる?」


「へっ? テストから解放されて自由時間じゃないの?? 私は部活も引退しちゃったし……」


加奈ちゃんが所属しているバスケ部は、先々週にあった大会で、全国大会まであと一歩というところで、敗れてしまったらしい。


それで3年生は引退したみたいだから、自分の勉強をする時間……まぁ、自由時間なんけど……今回の期末テスト明けはそうはならない。忘れているのかな?

同じ事を思ったらしい晴海ちゃんがスマホを操作して、年間予定表の写真を見せている。


「加奈、これ年間予定表ね。よく見てみ?」


「……へぁっ!?」


「わかった?」


「も、模試なんてあるの!?」


しばらく晴海ちゃんのスマホ画面を見つめていた加奈ちゃんは、晴海ちゃんが意図していたことに気が付いて、椅子から立ち上がった。


「加奈ちゃん、先週の金曜日に早川先生言ってたよ?『来週はテスト前二週間になりますが、テスト後の土曜日には模試が控えているので、そのつもりで準備を進めてください』って」


「そんな……」


「私も言ってたと思うな……」


自分以外の全員が知っていたとわかって、顔に悲壮感を漂わせる加奈ちゃん。


「ちなみに私も。……加奈、聞き逃しちゃってたのね……聞き逃したとしても、3年生になってからは月に1回はあるし、年間予定表にも書いてあるけどね……」


「グサグサ言うじゃん……金曜日……あっ、次の日のことが楽しみすぎて先生の話聞いてなかった……」


「いや、小学生せいかっ!」


加奈ちゃんが先生の話を聞き逃した理由に、すかさず晴海ちゃん鋭いツッコミが入る。


「うぅ……咲空ちゃ~ん、ハルミンが虐めるよ~」


「わ、私もすごく楽しみにしてたよ! 内心すっごくはしゃいでたもん」


「私、虐めてないよ」


「あはは……。でも、土曜日は楽しかったよね」


「ねっ! ………よしっ、ウチ、今日から本気で勉強する!」


相変わらず切り替えの早い加奈ちゃん。

加奈ちゃんは一気にやる気を出したみたいで、早速といった感じで鞄から数学の教科書を出している。


「………」


「? 加奈ちゃん……?」


「わかんない……」


「えっ?」


文系クラスはみんな数学探究だから、テストの内容は1、2年で勉強したことの復習だけのはずだけど……


「……咲空ちゃん、数列ってなんだっけ?」


「えっと……数列はなんというか、数が規則をもって並んでるの。……今加奈ちゃんが見てるのは……階差数列を使うやつだね」


「かいさすうれつ?」


「階差数列は、問題の数列の隣り合っている同士の数の差を求めて出てくる数列だよ。元の数列の一般式はシグマを使って求めてくんだけど……覚えてる?」


キョトンとしてしまっている加奈ちゃんに不安になる。……正直、私も数列はそんなに得意じゃない。


「……ダメだ。……咲空ちゃん、今日勉強教えてくんない?」


「いいけど……私教えるの下手だよ?」


「いや、咲空ちゃんは教え上手だと思う。いつも教えてくれるのわかりやすいし」


「咲空ちゃん、私もお願いしてもいい……?」


「私もお願いしたい」


「わ、私でいいなら……」


上手く教える自身はないけど、私が力になれるなら、私のできる限りのことはしたい。


「本当!? 助かる……! 放課後に1時間とか、30分でも大丈夫だから!」


「わかった。じゃあ放課後に教室に残って1時間くらいやろう」


……麗叶さんに連絡しないと。桃さんか葵さんに……ううん、自分でしよう。


麗叶さんがくれたスマホ。そこには勿論というか、麗叶さんの連絡先も入っている。学校以外だと基本的に一緒にいるから、まだ使ったことがない。

……でも、スマホで連絡したところで気が付いてもらえるかな? 麗叶さんは忙しい方だし、スマホなんて見る余裕ないかも……


よし、スマホで連絡して、しばらくしても反応がなかったら二人にお願いしよう。


















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