9.進路②
申し訳ありませんm(。_。)m
投稿遅れましたorz
ポルターガイスト事件(?)が起こった次の日、今年度に入って二度目の総合……進路学習の授業がある。
『──麗叶さん……少し相談があるんですけど、大丈夫ですか?』
『もちろんだ。何かあったのか?』
『えっと、高校卒業後の進路に関してなんですけど。……明日、学校で進路学習があるので……』
『進路? ……何かしたいことなどはないのか?』
『特には……』
『そうか……これは我の勝手な意見だから聞き流してくれてよいが、我は進学がよいと思う。そなたの学びに対する姿勢は我から見ても好ましいし、そなた自身学ぶことが好きであろう?』
『はい』
『我の半身だからと難しいことは考えず、自分が本当にしたいことをしてほしい』
『したいこと……あの、私には何が向いていると思いますか?』
『そうだな……一つの意見ではあるが、そなたは人の心の機微に敏いからその方面など向いているように思う。何度も言うが、我の言葉は考え方の一つとして捉えてほしい。そなた自身で答えを見つけること、それが最も重要なことであると思う』
前回の進路学習の後、麗叶さんに相談してみようと思いつつもなかなか言い出せず、昨日学校から帰ってきた時にやっと相談することができた。
“私がしたいこと”晴海ちゃんにも桃さんにも同じようなことを言われたけど、いざ何がしたいかと聞かれるとなかなかに難しい問題だった。
ただ、将来何をしたいという具体的なものはなくても進学はしたいと思っていたから、麗叶さんにそう勧めてもらえて嬉しかった。
そして、私自身にそういう自覚はないけど、麗叶さんは私が人の心の機微に敏いと言ってくれた。
今日はその方面……カウンセラーとかになるのかな? をひとまずの方向性として進路を考えてみたいと思っている。
事前に調べた感じだと、カウンセラーになるには資格が必要で、通信講座とかでも勉強できるらしいけど、体系的に学べる大学に行って指定の科目を履修した方がいい場合もあるらしい。
……こうして考えていくと、カウンセラーという職に興味がわいてきた。
私は悩み事があっても相談できる人がいなかったし、できる環境でもなかった。だけど、一人でも相談できる人がいたら何か違っていたのかもしれない。
私みたいに悩んだり苦しんだりしている人の心の負担を軽くする……現時点では一番興味がもてることだと思う。
「おはよう、咲空ちゃん。今日も早いね」
「結華ちゃん。おはよう」
学校から支給されているパソコンで心理学とかを学べる大学について調べていたら、結華ちゃんが登校してきたみたい。ちなみに、加奈ちゃんと晴海ちゃんはまだ登校してきていない。
「あっ、大学調べ? 咲空ちゃん、前は進学しないかもって言ってたけど、結局どうするの? 就職だとしたらそろそろ準備始めなきゃだよね?」
「それなんだけど、……お、親?と話し合って進学しようかなって」
「そうなんだ! うん、いいと思う!」
「ありがとう」
……そういえば、麗叶さんと私の関係ってなんだろう?今は話の流れ的に親って言っちゃったけど、それは違うよね?
私は居候? 今まで深く考えてこなかったけど………うん、後で考えよう。
「どういう系統の大学を調べてるの?」
「今は心理学とか勉強できるところ。カウンセラーとか少し興味あって」
「そうなんだ! 咲空ちゃん聞き上手だし、向いてそう!」
「結華ちゃんは音大だっけ?」
「うん。声楽で行けたらなって」
そこで教室に元気な声が響いた。
「──おっはよー!」
「加奈ちゃん、晴海ちゃんおはよう。加奈ちゃんは今日も元気だね」
「もっちろん!」
「おはよう」
「おはよ! ……加奈がごめんね。咲空ちゃんとユイユイ何か話してたでしょ?」
「まぁ……進路の話してたんだ」
加奈ちゃんの頭に手を置いて苦笑気味な晴海ちゃんに、結華ちゃんも苦笑しながら答えている。
「あぁ、7限総合だもんね~あっ、咲空ちゃんはやっぱ就職にするの?」
「ちょうどその話をしてたんだけど、私も進学にしようかなって」
「えっ、ホント!?」
晴海ちゃんから解放された加奈ちゃんがキラキラした目で尋ねてくる。
「うん。細かい進路とかは何も決まってないんだけどね。……みんなは学校もある程度決まってるんだよね?」
「うん」
「ウチは漠然とだけど、大体は!」
「私も第一志望は決まってる。あとは滑り止めとか第二志望どこにするかとか考えないとかな~」
やっぱりある程度決まってるんだ……
「参考までになんだけど、志望校はどうやって決めたの?」
「ウチは前言った通り文学部がある大学がよくて、いくつか調べたりオーキャン行ったりして! あとは学力からかな? 咲空ちゃんは最難関大学でもない限り学力は心配しなくていいかもだけど!」
「加奈は学力低下中だもんね~」
「言わないでよ……この高校入ってきた時はそこそこだったんだからね! それなりの進学校だし!」
「あはは……」
そう、私自身も在籍しているから自画自賛しているみたいになっちゃうけど、私達が通うこの高校は偏差値を見ると県内ではかなり上位だ。
「とまぁ、加奈をいじるのはこの辺にしといて、私は県内で進学したかったんだけど、県内の教育学部のある大学って言うと自然と限られちゃったんだ。できれば国公立がいいし」
「なるほど……」
どこがいいとかいうのが分からなかったら、学部とか場所とか学力とか……そういうことに色々と条件をつけていくというのも一つの手かもしれない。
「ユイユイは?」
「私? 私はなんとなく」
「なんとなく?」
「うん。おかしいでしょ? 音大がいいっていうのはあったんだけど、大学調べしてる時に突然『ここに行きたい』ってなったんだ。もちろん、オープンキャンパスに行ったり、色々調べたりもしたけど」
そういうこともあるのか……みんな決め方は色々だけど、結局は自分が行きたいと思える大学を見つけるのが大切なんだろうな。




