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1.二章プロローグ


(新任教師視点)




「──では先生方、そのような形でよろしくお願いします。その他何もないようでしたら以上で職員会議を終了とさせていただきますが、何かございますか? はい、校長先生」


「えー、今年度からここへ赴任された先生方はこの後に追加で伝えておきたいことがあるので残っていてください 」


……新年度の始業に先駆けて行われた職員会議。大まかな行事予定や方針が決まった。

俺は新任だから大きな責任のある仕事は任されていないが、どういうわけか3年生の学級の副担任になった。

……正直、教員としての経験が薄い上に、本職ではない(・・・・・・)俺には荷が重いと思う。もちろん、教員免許はもっているが。


ほとんどの教員が会議室から出て、残っているのは俺と同じく今年度からこの学校に赴任した6人と、校長、教頭だけになった。



「──さて、先生方に残っていただいたのは、本校に在学しているある生徒についての情報を共有するためです。このような場を設けてはいますが、この件は国家機密と同等の扱いであり、生徒はもちろん、先生方のご家族にも他言無用だということを承知しておいてください」


“国家機密”という言葉に自然と背筋が伸びる。他の先生方も同じような様子だ。


「まず、先生方は当然、“神族”という存在をご存知ですね?」


「? はい」


返事はしたものの、話の流れがいまいち読めない。何故、生徒の話だという前振りがあったのに神族という言葉が出てきたのだろうか?

考えられるとしたら──


「──本校には神族、天代宮(あましろのみや)様の半身である生徒が在学しています。このように校内の教職員の間でその情報を共有してはいますが、その生徒を特別扱いしてほしいという訳ではありません。あくまでも一生徒として接してほしいと本人からも、天代宮様からも言われています」


……やはりそうか。

一般人が神族と関わる機会なんてそうそうない。それこそ、半身にでもならなければ直接会うことなどないだろう。

しかし天代宮、、最高位神族とはな……


神族の半身、それも天代宮の? ……それは俺がここに探りに来た異変(・・)の原因と関係があるのだろうかと、俺が自分の本業、ここに赴任した理由を考えていると、俺以外の一人が不安そうに手を挙げ、校長先生に質問をする。


「すみません、他の生徒と同じ扱いで本当に大丈夫なのでしょうか?」


「はい、私や昨年度以前から本校にいる先生方はそのように接しています。……ただし、防犯のために葵さんと桃さんという天代宮様の式神が常時護衛についているということは承知しておいてください。お二人は姿が見えない状態で護衛をされているので、授業などにも大きな支障はありません。……慣れるまでは気が落ち着かないかと思いますが、皆さん道理に反することはなさらない方々です」


「……私からも質問を失礼します。私は神族の半身になると、神族が住む雲上眩界(うんじょうのげんかい)に行くと聞いたことがあるのですが、その生徒は人間界と雲上眩界のどちらにお住まいなのでしょうか?」


そう質問した先生は、不安よりも好奇心が大きいようだ。……わからなくもない。神族について世間一般で知られていることは多くないのだから。


「雲上眩界にある天代宮様の邸宅から通学されています。……一つ絶対に覚えておいてほしいのですが、その生徒の保護者の方から何か聞かれても、その生徒に関することは何も言わないでください。……これは天代宮様が下された唯一の命令です」


「それは……」


「……家族関係が複雑なのです。天代宮様もご自身の半身を大切にしているからこそ、そのご家族のことをあまりよく思っておられません」


「そう、ですか……」


その場にいた皆が重苦しい何かを悟った。

……家族関係が複雑とは、悲しいことだ。……俺自身、人のことを言えないが……


「ちなみに、その生徒の名前は?」


「失礼しました、まだ言っていませんでしたね。3年4組の姫野咲空さんです」



「!?」


っ、姫野咲空……?


「? 賀茂(かも)先生、どうかされましたか?」


「あ、いえ、失礼しました。……その、姫野さんはどのような生徒でしょうか?」


「優しい心をもった、何事にもひたむきな生徒ですよ。先生方も天代宮様の半身だと身構えずに接してあげてください。それと賀茂先生、先生が新任ながらに3年生……姫野さんのクラスの副担任になったのは天代宮様からの希望があったからなのです」


「そ、そうなんですか……」


「えぇ、理由は教えていただけなかったのですが、出来たら姫野さんのクラスに、とのことでして。先生は新任ながらに優秀で、教育実習等での先生や生徒からの評判もよかったという話も聞きましたので、私達もサポートをすれば問題ないだろうと判断しました」


「……」


「大変だとは思いますが、よろしくお願いします。私や教頭先生もできる限りサポートしますので」


「はい、よろしくお願いします……」



それで話は以上となり、俺も会議室を後にしたが、校長先生の話にあった生徒のことが頭から離れない。


……姫野咲空。今春高校3年生になるということは、今年で十八歳……こんな偶然があるのか?


もし、その生徒が俺の考えている通りの人物であれば、天代宮様は俺の過去(・・・・)を知っているのだろう。そこまで知っているとしたら、確実に本業のことは知っているはずだ。

……天代宮様はどこまで知っているのだろうか?


俺を半身の、何よりも大切な存在のそばに置こうとする真意はどこにある?



……咲空、君はあの約束を、俺のことを、覚えているだろうか──?








読んでくださりありがとうございます(*^^*)


いよいよ二章に突入しましたが、二章からは水曜日と土曜日の週二回の投稿にさせていただきますm(。_。)m


お話自体は出来ているのですが、二章部分はアナログで書いていたために、写すのに時間がかかってしまっていまして……タイピングが遅くて申し訳ないです(TT)


投稿頻度は少なくなってしまいますが、これからもよろしくお願いします!_(..)_



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