お稲荷さん、異世界に行く
初めての作品です。興味があれば読んでいただきたいです。誹謗中傷なんでもござれですが、サンドバッグついでに読んで欲しいです。
古来より世界各地には人成らざるモノの伝承がある。この小さな国。日本でも全国各地に様々な伝承がある。日本に“居る”とされるモノ。それが〝妖怪〟
ー日本 東京都ー
バシッ
頭を誰かが叩いた。痛い。この俺に何をする。
「狐宮さん起きなさい!」
見上げると俺の頭を叩いたのであろう教科書と古文教師の顔が見える。相変わらず汚ない顔だ。
「スミマセン先生。先生のお声が余りにも御綺麗でしたので、思わす眠りこけてしまって…」
顔を赤らめてこちらを見る。うわぁ。気持ち悪い。
全くもって気分を害す女だ。
「まぁいいでしょう。山口さん続きを―」
なぜこの俺がこのような低知能な学習をしているのだ。この俺様は九尾の狐現当主だぞ!御三家だぞ!あぁいっそここら一帯に隕石でも落ちたことにするか。イヤイヤイヤ。落ち着け。落ち着け自分。こういうときは設定を思い出せ。
俺は狐宮九助 18歳 趣味はゲーム。生徒会長で、人望があり、人気者。
はぁ何度考えても酷く面倒な役回りだ!「人間の懐に入った後、悪人を無くし平和な世界を実現せよ」ジャねぇよアンのクソ閻魔!ただ仕事したくないだろうがあのジジイ!はぁ憂鬱だ。
「きりーつ れーい さよーならー」
今日は早急に帰って寝るとする。ん?
「クゥーン!クワン!クゥワンワン?(おじちゃん!おかえり!ニンゲンの方のおうちに行くの?)」
太郎丸。俺の甥だ。なぜ居る。
「太郎丸。家に帰れ。俺が行くのはヒトの家だz―(小声)」
「ワンックゥワン!(ここまでおいでー!)」
「ッ!!」
トラックが来ている!太郎丸が危ない!
助けにいかね ば ?
体が言うことを聞かない。なぜだ足が上がらない。閻魔か!?イヤ、違う。これは…もっと上の――
気付いた頃には足が動いていて、自分は轢かれた。
本来の姿であれば無事だったものの、今は人間の子供の姿だ。
死んだ。妖怪は地獄にも天国にもいけない。待つのは〝死〟一点のみだ。
「クゥン!ホォフ!ワォンクゥォ!」
男が泣くな太郎丸。しかしこのような別れになるとは。まぁいい。悔いのない生だった。
「クェェェェェェェェェェェェェ!!」
鳥のようななにかが俺の耳元で叫んでいる。うるさい!!
「生き残ったのか?わからないが、とりあえず現状の確認だ」
俺は人間の姿のままだ。妖力はあるし、怪我も見当たらない。此処が何処なのかと言うと…
-起きたか異邦人よ-
「誰だ!?」
頭の中で声が響く。何なんだこれは?
-その通り。私はお前の頭に直接話しかけている。要するにテレパシーだ-
ぬぬぬぬ?
テレパシーというのは西洋のケモノ共が使っていたが、ここはヨーロッパなのか?んーどうなんだX
-えっくすとはなんだ?まぁいいだろう『よぅろっぱ』は知らないが、ここはメノルド大陸の東部だ-
知らない地名。いつの間にかいた場所が変わる。成る程。これはあれか、クラスのアホ共が騒いでいた異世界転移と言うものなのか。イヤ転生か?
まぁそこは需要ではない。退屈にはならないことが確かだ。此処でこそ俺の天下を取れるのでは?
「所でXお前はどこにいるんだ?」
-何を言う。目の前にいるダンディなサイココカトリスが私だぞ-
前途多難とはこの事だな。
お読みいただきありがとうございました。
完結させるつもりですが、投稿ペースはかなり遅いのでご了承ください。