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アラサーの俺はランドセルを枕に、そして……

 小学六年生の相馬(そうま)(めぐる)は、同級生の稲田(いなだ)仁美(ひとみ)に好意を抱いていた。

 卒業式を数日後に控えたあの日、仁美は下校途中に通り魔に襲われ命を落とした。


 ――時は流れ、三十二才になった巡のもとに小学校の同級生から同窓会に招かれる。

 同窓会は盛り上がる中で仁美の話題になり、仁美の両親の家を訪ねることになった。


「なんかすいません、大勢で押しかけてしまって……」」

 仁美の母は暖かく迎えてくれた。

「いいのよ気にしなくて。こんなにたくさんのお友達がいてくれて、仁美もきっと喜んでるはずだわ」

 巡達が仏壇に手を合わせると、思い出話をしつつ仁美が使っていた部屋に案内される。

 仁美が生前使っていたと思われる学習机に、窓際には小学校の友達と写った写真が飾られ、部屋の隅にはぬいぐるみや本などの遺品が鎮座している。中でも目を引いたのが、当時流行っていた女児向けアニメのステッカーがびっしり貼られた、――赤いランドセルだった。

(仁美ちゃんがあんなことになるなら、せめて気持ちだけでも伝えておけばよかったなあ……)

 巡は彼女を思いながらランドセルを枕にするように、そっと右側頭部を乗せた。

 ――――その瞬間、目の前が真っ白になった。



「巡くん、巡くん!」

「――ん、んんん?」

 そこは、卒業を控えたあの頃の小学校。六年一組の教室。巡は机に突っ伏した姿勢から頭を上げる。

「いつまで寝てるの。もう放課後だよ?」

「え……仁美ちゃん?」

 目の前にいたのは、あの頃と何ら変わりない稲田仁美の姿だった!!

 さらに巡は自分の体が若返っていることに気づき、ゆっくりと自分の置かれた状況を理解する。


「俺…………タイムリープしてる!?」


 どういう原理かは解らないが、そうとしか思えなかった。

「そうだ、六年生の終わりといえば……」

 本当にあの頃にタイムリープしたということは、この数日後に仁美は殺される。

(いや、これはチャンスだ! その時さえなんとかできれば――)

 自分は今、夢の中にいるのかもしれない。しかしそれでも立ち止まってはいられない。

 巡は仁美を救うために奔走する――――。

書き終えてみたら偶然にも

小学生版東京リベンジャーズみたいになってしまったw

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― 新着の感想 ―
[良い点] これは続きが読みたくなる終わり方ですねぇ。 この何とも言えない余韻がいいです!
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