6話僕はどうする?
──────え、フォリストワなの!?
えぇ、待って、何でフォリストワは女装してるんだ?
フォリストワに女装癖設定はなかったはず。ゲーム進めて、こんなに知らない展開が続くなんて。
フェルが主人公だったから、そこの話ししか知らないのか。とにかく、兄弟を引き離したらダメだ。
僕は腕組みして考えた。うーん、この展開は予想していなかった。どうしようか。
•*¨*•.¸¸☆*・゜
「シェルが目当てなのですよね、メイソン様」
「そうでしたが、貴方様がいらっしゃるのなら、わたくしは貴方様にします」
フォリストワはメイソンにイライラしながらも冷静を装った顔付きで聞く。メイソンは左手を顎にやって撫でながら、いやらしい目で見てくる。
「おい、オルライド、変更だ。この子にしよう」
とメイソンは何やら確認した様子で執事を呼んだ。
この子にする。メイソン様決めたんだな。これでいい。連れてかれるのは僕でいいんだ。お父さんもいなく、男姿で歯向かうには権力のない僕は笑われるだけ。それに、嫌な噂を流される羽目になるかもしれない。だから、こんな手でしか対抗できない。お母様は疲れ切ってしまっているし。変にトラブルは起こしたくない。
それに、メイソン様はとんでもない女好きらしい。権力のない後宮に出向いては、令嬢を売買している悪い王子だ。その中にシェルまでに入ってしまったんだ。絶対にシェルは渡さない。
僕がこの王子の行動を訴えることができたら、きっと、僕たちの家族を知られることになる。そうしたら、きっと周りの王族たちが僕らを助けてくれるに違いない。
これは僕にしかできないことなんだ。
ータンッタンッ
とメイソンの軽快な革靴の足音がフォリストワに近づいて行く。
フォリストワは怒気した気持ちを堪え、じっとメイソンを見た。
メイソンはニヤニヤと気味の悪い笑顔で、フォリストワの腰に手を回した。フォリストワは嫌なその手を解かず、我慢した。
「おー、いいな。線の細い身体をしている」
「…メイソン様」
僕はメイソン様を受け入れている素振りをして見つめた。
─────────「その汚い手を離せ!メイソン、お前のやっていることは汚らわしい!」
僕はシェルの声に振り返った。そこにはプクッと怒りで赤くした頬を膨らましたシェルがいた。しかも、メイソン様を呼び捨てだし、まるで男かのような言葉遣い。
「シェル……」
「なんだと、俺のことを呼び捨てにする女だったとは。やはり、シェルミランは俺のことを侮辱する女か!」
メイソンは憤った顔付きで大きな声で言って、シェルに鋭く睨んだ。
大変だ。これじゃあ、シェルが危ない。でも、あんな言い方シェルじゃない気がする。シェルがあんな言い方なんてするはずがない。
シェルは、メイソンの言葉に怖がらず、堂々と立っている。
「この前の舞踏会でのビンタ、返してやる!権力のない身分のくせに!悠々と舞踏会に来てんじゃねーよ!」
とメイソンはシェルに殴るように飛びかかろうとした。僕はメイソンの言葉に怖く、止められなかった。
すると、メイソンの拳をシェルは受け止め、軽々しく、メイソンを床に倒した。
僕はびっくりして目をぱちくりとさせた。シェルが男を倒した。え、どういう事。シェルにあんな強さあったっけ。
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僕は殴りかかって来そうになったメイソンを床に倒した。前世に合気道を習ってただけあるな。
僕は軽くメイソンを倒すことができた。そして、僕はドア越しに立っているアラベラに相槌をした。
そして、アラベラは入って来て、メイソンとメイソンの執事であるオルライドに声をかける。
「メイソン様、オルライド様。身分だけで見くびらないでくださいよ」
とアラベラが最後の一斉を上げた。
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そして、その後はメイソン達は急いで、馬車に乗り込んで出て行った。
「フォリストワお兄様、大丈夫でしたか?」
「うん、大丈夫…。それより、シェルこそ大丈夫?兄の僕が心配されるのは、ダメだよ」
僕の問いかけに、フォリストワはどこか恥ずかしげに言った。
「私も大丈夫ですわ」
「そうなんだ。…なんだか、僕にはシェルがシェルに見えなかったよ。僕がおかしいのかな…」
フォリストワは眉尻を八の字にして困った顔で僕を見つめる。ギクッ、シェルは可愛らしいビンタはするけど、合気道で倒すなんて、さすがにないもんな。
「おほほほほ」
僕は笑って誤魔化した。
これからは気をつけよう。