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異世界勇者の残業日記  作者: 北村 進
第一章 一難去ってまた一難
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第一話 プロローグ



地球から遠く離れたどこか。次元の狭間と呼ばれるその場所で今、勇者と呼ばれる男が邪な神を打ち滅ぼした。


「グフゥ!?わ、我は……まだ……」



ゆうしゃ は じゃしん を たおした




「……っしゃあ!やっと終わった!」


疲労で動きが鈍い体の主導権を放棄し、俺こと井ノ崎(いのさき)千弥(せんや)はその場にへたり込む。

長かった。本当に長かった。俺は果たしてどれだけの間戦ってきたのだろうか。


思えば、最初の頃は勇者ライフを凄く楽しんでいたと思う。

ドラ〇エみたいなよくあるゲームの主人公になった気分だったし、モンスター達と戦うのも攻略法を模索するのが推理ゲーみたいで面白かったからだ。


だが、魔王を倒したら世界の時間が召喚された初期まで巻き戻るっていうのが発覚してからが辛かった。

巻き戻しが一度や二度ならまだ許容範囲内だ。

だが200回近く巻き戻され続けたのは流石にキツすぎるだろ。一回の冒険で平均一年くらいはかかるんだぞ?

まあ結局事態を把握した女神様によって俺は魔王を倒した直後ここに転移させられ、今回のワールドリセット事件の犯人である邪神も倒すことが出来た。

これで魔王も邪神も居なくなり万事解決。世界は救われましたってか。


『勇者様!悪しき神を滅してくださりありがとうございました!』


「いえいえ、女神様のご協力のおかげですよ」


俺以外誰もいないこの場所に、元気な女性の声が響き渡る。

どうやらこの声の主が女神様のようだ。


『それで、勇者様は今後どうしますか?』


「今後、とは?」


『元の世界に戻りますか?それともこの世界で生きていきますか?』


そんなのとっくの昔に決めている。


「元の世界で」


『了解です。じゃあ元の世界の召喚された時間に転送しますね。あとお礼の品を後程(のちほど)送りますので』


「分かりました」


はぁ……やっと帰れるのか。

帰ったら何をしよう?取り敢えずジャンクフード食いたいからマックにでも行くか。

いやでも確か召喚された時は登校中だったな。


『……あれ?どうやるんだっけ。確かここをこう――あっ』


え?


【リセットします】


頭の中に響き渡る性別不明の機械的な声。そしてその内容。

確かこれ、世界がリセットされるときに毎回聞こえてきてた――


これからよろしくお願いします!

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