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金狼と|並行世界《パラレルワールド》  作者: 猫村
プロローグ
2/3

一章「過去と天罰」

いよいよ本編始動です!

よろしくお願いします。

千月あずろ。

彼を一言で表すなら___平凡。


彼は昔からこれといった特技がなく勉強も運動もいつも目立った成績がなかった。強いて言えば少し引っ込みじあんで大人しい方だった。そんな小学生だ。

だが、進学して中学生。

人が増え、仲が良かった友達と離れてしまった。その後新しい友達とうまく打ち解けられず、孤立。

引っ込みじあんで大人しい性格がここで悪く働いてしまった。

友達を作ろうと必死になっていろんな人に話しかけるが、コミュ障というのだろうか。仲良くなったのはいいが、会話が続かず疎遠になる。

そんなこんなで三年が過ぎ中学を卒業した。


それから彼は地元の高校に進学した。

進学し、中学の時とは比べものにならないくらい状況が変わりいよいよ彼はついていけなくなった。

将来___というもの現実味を帯びていきあと三年もすれば社会人。自立して生きていく事になる。

将来の夢もまだまだ未定で、引っ込みじあんで勉強でさえも今じゃ平均を保てない__……。

果たしてそんな自分がこの三年で自立出来るまで成長し、自分の道を歩いていけるようになるだろうか?


この問いのあずろの答えはNOだ。


それからだった。

あずろが必要以上にネットに入り浸り学校に行かなくなったのは……。

昔は友達との会話合わせという意味合いで、あまり興味のない人気実況者の動画などを検索したり、元から好きだったアニメやゲームなどをそこそこに楽しんでいた。

だが、今はどうだ。

毎日のようにネットの掲示板にいき、そこに集まる人達と会話を交わす。

自分と同じ境遇や趣味の人達と語り合う。

学校の時のように顔色を伺わなくていいし、空気を読んで趣味の話を慎まなくていい。

好きなことを言えて、馬鹿みたいに盛り上がれるここが好きだった。

もちろん慎まなきゃいけないときがあるが、学校の時と比べると苦にはならなかった。

そして一つわかった事がある。

自分はいつも勉強や運動では大した成績は出せなかったが、ゲームではことごとく上手くいった。自分はそんなにゲーム歴が長い方ではないのに次々とプレイヤー達に勝ってきた。

皮肉な事にゲームの才能はあったみたいだ。


好きなゲームをやってアニメを見て自堕落な生活をあずろは高校生活が始まってから三ヶ月行ってきた。

嫌いな事から逃げて大した努力もせずに行きついた結果がこれだ。

いわゆる引きこもりというやつだろう。が、このご時世引きこもりはごまんといる。あずろもまたその中の一人だ。

だが、あずろのような引きこもりなんて日本だけでも吐いて捨てるほどいる。

人とは少し違うがこれもまた平凡なのだ。

どこから見てもありきたりな話。物語にするにはあまりにも歪でつまらなすぎる。こんな話がもし本になったのならきっとこんなヤジが飛んでくるだろう。

___平凡でつまらないと。



だから、真夜中にも関わらず天井から差し込む光を見たとき、天罰が下ったと思った。

その時自分がどんな様子だったか今でもはっきりと覚えている。



「あぁ〜〜っと。こんくらいでいいかな…」

画面に映し出されたイベント順位をみて満足げにつぶやく。初日してはそこそこやった方だと思う。

「ふぁ〜〜」

間抜けな大きなあくびと共に背伸びをする。

そしてやけに片付いた部屋を見渡す。

引きこもってから三ヶ月。この部屋は一度も散らかった事がなかった。物が少ないというのも一つの理由だが、何より毎日母が部屋を掃除してくれるのだ。


そんな母があずろは好きで嫌いだった。

こんなダメ人間に育ったのに母は怒りも諭しもせずただ優しく見守って支えてくれた。

でも、いっそのこと突き放してくれた方が楽だった。 いつだって母は優しかったのに自分は迷惑しかかけてない。その事を思うと胸が苦しかった。

「はぁー」

ため息なんかついても現状は変わらない。どうも気分が悪い。今日はもう寝よう。

そそくさとベットに向かいぱたりとベットに倒れこむ。一日中パソコンとにらめっこしていたせいか、体を重く疲れているのに目は冴えてしまって眠れる気がしない。

これからどうしようか___

今からでも学校にいく?

いや、破滅は目に見えている。

じゃあ、このまま母にずっと頼って生きていく?

…………………。


頭の中で空回りした空想はやがて熱を帯びて現実味を増していく。


きっと今の状態は誰から見ても"詰んだ"ということなのだろう。

詰んだ先にある未来は___破滅。


そんな時だった。

真夜中だというのにやけに眩しい光が差し込んでいた。

もちろん、電気はつけない。

じゃあ、これは何だ?


見上げると天井に丸い円の様なものがあった。そして中や縁には幾何学的な模様__いや、文字とも言えるものがびっしりとあった。

これには見覚えがあった。

「……魔方陣?」

そして次の瞬間。

あずろは光に飲み込まれた。

ふわりと中を浮く感覚。見渡す限り、真っ白で何もない。緩やかにやってきた倦怠感に包まれてあずろは目を閉じた。

そしてこれは常に努力を怠り、母の優しさに甘えてきたそんな自分の天罰なのだと静かに悟った。

あぁ、神様。もしもいるのならどうしてこんなダメな俺を生み出したのですか。教えて下さい。

あずろの問いは誰にも届かず宙を舞って消えた。





来週までって言ったのにそそくさと更新した作者です。

実はプロローグを投稿する前にあらすじとか書いていたのですか、いざ、投稿!と思ったらエラーで投稿出来ませんでした…。

そしてやり直しでそこそこ頑張ったあらすじをまた書くという一苦労がありました。。。

作品の方は無事でホント良かったです。

なかったら二週間は立ち直れませんでした。

保存大事。


来週までには更新します。



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