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再び街を探すことにしました

俺たちは安井のくさやを食べてから街に出発することにした。


「さて、誰が向かいましょうか」


若干顔色の悪くなった人事部長が腕を組む。


「全員で移動すると全滅のリスクがありますし、オフィスを無人にするわけにもいきませんし、

二人か三人を斥候に出すのがいいでしょうね」


「私は無理だぞ、腕力1なんだから」


経理部長が胸を張る。

筋力1でそんな偉そうにしないでほしい。


「僕も厳しいですね、筋力5なので」


「いや、お前、魔防めっちゃ高いじゃん」


俺は見逃さなかった。経理部長の魔防30・小林の魔防20を!!!


「やめなさい高橋くん! たとえ魔法が効かなくてもやられっ放しなんて私はいやだぞ!」

「そうだそうだ! はぐれメタルの気持ちを知れ!」

「安井!お前が行け!」

「いやっすよ!! 殺せても殺されるやつより殺せなくて殺されないやつの方が強いじゃないすか!」


ついに醜い擦り付け合いが始まってしまった。

正直、俺も行きたくない。

ステータスで見ると安定している俺が行くのが一番なんだろうけど、この近辺の魔物の強さが

未知数なのだ。


「三田さん、さっき冒険者的な人に会ったって言ってましたけど、魔物のこととか言ってました?」

「う~ん、なんか危ないぞ、とか、一人なのか、とかごちゃごちゃ言ってたけど、あの人の話、要領得なくてよく覚えてないのよね。魔物かはよくわかんないけど、虎みたいなのはいたわ!逃げたのかしらね!まったくヘビといい、最近の飼い主はダメね~」


さらっと言ったけど結構ヤバイ気がする。

普通の虎でも勝てないのに魔物の虎だと余計勝てない。

というか、三田さんの落ち着き具合がすごい。歴戦の猛者かな?


「どうしましょうか、人事部長……」

「そうですね…… こういう場合は、防御に秀でている者、攻撃に秀でる者、攪乱できる者で組むのがいいでしょうね。全滅のリスクが減りますから」

「それで言うと、人事部長のステータスは安定していますね」

「僕は無理です。戦い向きの能力じゃありませんから」


うわ、あっさり言いやがった。


「僕の力は対人間向きです。今回は斥候ですから、探索能力や戦いに秀でていた方がいいでしょうねえ」

「……と、なると」

「高橋くん、安井くん、三田さんがいいでしょう」


やっぱりそうきたか。

この狸おやじ、最初から決めてやがったな。

それを聞いた小林と経理部長がそれ見たことか、という目で俺を見てくる。すげーむかつく。


「あら、私~? ただのパートにそんな大仕事任せちゃっていいのかしら!」

「ただのパートなんて、三田さんの千里眼と俊敏は絶対に必要です」

「あらやだ小泉さん! 相変わらず口が上手いわねえ~!」


人事部長の肩をバシバシ叩く三田さん。

人事部長の言葉はお世辞でも何物でもない。

この体系で俊敏50だぞ。フォルムも能力もメタルスライム並だ。


「俺は!? 筋力50だぞ!」

「工場長は魔防1なんでだめです」


メラで燃え尽きるような人、魔スぺ体質過ぎて絶対連れていけない。






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