ステータスを見ています(1)
「この、スキルっていうのは何だい?」
「スキルは、いわゆる特殊能力とか超能力です。人によって異なるスキルを持つことが多いですね」
「なるほどね。ステータスが身体的な能力値か」
「こうやって見ると、ステータスも結構個人差がありますね」
俺のステータスはバラつきが少なく、よく言えばオールマイティ、悪く言えば長所が無い。
うーん、正直少しがっかりした。主人公って特化型が多いもんな。自分がモブクオリティだと地味にへこむ。スキル:探知も華がない。
それに比べると、安井のステータスは得意不得意がきっぱり分かれている。
「筋力30ってすごいな」
「まあな、毎日木刀で素振りしてるからな!」
それでスキルに「剣術」があるのか。
闇から生まれし剣って、かっこよく書いてるけど中二的なやつだよな?
本当に役に立つとは。思春期恐るべし。
「それに比べて小林の筋力……」
筋力5、防御5、魔力5、俊敏5。
文科系っていうか、完全に虚弱体質だ。デコピンで死にそうなステータスだな。
「僕よりも経理部長のほうが低いじゃないですか! 筋力1ってほぼ無力っすよ!」
「普段ハンコより重いもの持たないんだから仕方ないだろう! 大体俺は魔力が高いからいいんだ、お前はそれすら最低限じゃないか。何ができるんだ? 文房具の発注か? コピー機のつまり直しか?」
「でも取引先には重宝されそうなスキルですもん! 鑑定ってなんすか! なんでも鑑定団以外喜ばないっすよ!」
「まあまあ、小林は器用だからな、戦闘には向かないやつだな」
「スキルから見ても、僕は後方支援系ですね。元々運動は苦手なのでそのほうがいいです」